2015.11.20 有識者講演動画

田村重信先生と読み解く安保法制!個別的自衛権ではなく集団的自衛権が必要な理由とは!?

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自民党政務調査会調査役の田村重信先生と平和安全法制を考える!「個別的自衛権ではダメ?」

 

 

田村 重信(たむら しげのぶ) 自由民主党 政務調査会 調査役

 【経歴】
昭和28年生まれ
拓殖大学卒業後自由民主党宏池会職員を経て自由民主党本部職員
政調会で国防を担当、政務会長室長、総務担当などを歴任
慶応大学大学院法務研究科非常勤講師(2014年3月まで)
国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)客員研究員
 
【著書】
安倍政権と安保法制
平和安全法制の真実 他

 

川上 和久(かわかみ かずひさ) 明治学院大学 教授 / 希望日本研究所 所長

【経歴】
昭和32年生まれ
東京大学文学部社会心理学科卒業
同大学大学院社会学研究科社会心理学専攻博士課程単位取得退学
東海大学文学部助教授等を経て現職
専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論

【著書】
イラク戦争と情報操作
「橋本維新」は3年で終わる
「反日プロパガンダ」の読み解き方 他

 

 

田村重信先生と平和安全法制を考える!「個別的自衛権ではダメ?」

上の動画をテキストでもお読みいただけます。

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kk100川上 今回の安保法制成立により、集団的自衛権の行使が一部認められました。

我が国はもちろん自衛権があるわけですけれども、これまで個別的自衛権は認められていましたが、国連憲章で認められている集団的自衛権は「もっているんだけれども行使はしない」という解釈でした。

ただし、集団的自衛権の一部を行使を認めないと日本の防衛は難しくなってきています。

その背景についてご説明いただけますでしょうか?

st田村 国際的な軍事情勢が大きく変化したということに尽きると思います。

その中でどういう風にやっていくかということなんですが、今回お話しなければならないのは、

☑ 個別的自衛権
☑ 集団的自衛権
☑ 集団安全保障

という言葉が新聞やテレビで出ています。

これ川上先生わかりやすく説明できます?

kk100川上 用語の違いは非常に難解ですよね。
st田村 学術的に説明しますと、個別的自衛権は「川上先生が僕をぶっ飛ばしたら、僕は川上先生をぶっ飛ばす」と。

これは個別的自衛権。では集団的自衛権は何かと言いますと、僕がドラえもんだとすると、のび太がジャイアンに叩かれた場合、のび太を助けなければならないから、僕(ドラえもん)は叩かれていないけれどもジャイアンを叩いちゃうと。

これが集団的自衛権。

では集団安全保障は何かといいますと、これは国連の集団安全保障というように考えたら良いと思います。
それはなぜかと言うと、たくさんの国が国連に入っています。
例えば田村国が川上国を攻撃したとすると、国連の関係者が集まって協議して、「おい田村、ダメじゃないか!」と外交的に注意し、経済制裁をする。
そのうちに皆で集まって、「この際よく田村国に分からせるために皆で攻撃しよう」と。

これが国連の集団安全保障です。

こういった概念をしっかり抑える必要があります。では今回なぜ、一部限定的な集団的自衛権を認めたかと言いますと、ヒゲの隊長がよく言うんですが・・・

韓国には3万人以上の日本人がいます。
その日本人が避難の為に米艦で輸送されるとき、その米艦を自衛隊が防護することを可能とする法律は必要ですか?必要だと思うでしょ?

kk100川上 そうですね、日本人を守らなければなりませんからね。
st田村 ところが、日本が戦火に及ぶまい/日本が攻撃されていない時に邦人を輸送する米艦を防護するということは、国際法上は集団的自衛権となっているわけです。

でも、自分の国の人間を守るためですし、海上自衛隊も防護する能力があるので、これはOKにしましょうと。

もう1つは、北朝鮮の弾道ミサイルを日本海でアメリカのイージス艦が守っていて、それを自衛隊が防護するということはどうでしょうか。

それは必要ですよ、日本を守るためなんですから。

でも先ほどのジャイアンの件と同じで、日本が攻撃されていない場合は、国際法上は集団的自衛権なんです。

それからホルムズの話ですが、日本はそこから9割以上の石油を買っています。

かつても湾岸戦争で掃海艇が最後に出て行きましたけれども、例えばそこで封鎖されて色んな国が掃海作業に行っている場合、日本は知らん顔できますか?

そういうことなんです。

そのときに出ていける状況があれば、出て行っても良いじゃないのかと。
そうでないと、世界中から袋叩き似合いますよ。
経済的な問題というのはものすごく大きいんです。

今回はそういう場合において「限定的な集団的自衛権をOKにしましょう」という話なんです。

ここで下の表をご覧ください。

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右上に『武力攻撃事態法等改正』とあります。
「武力攻撃事態等に加え、存立危機事態・・・」これが限定的な集団的自衛権の行使の場合です。

そのときは『武力行使の新三要件』というのがありまして、これがきっちり守られていれば行使すると。

【1】
密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(存立危機事態)

【2】
我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない

【3】
必要最小限度の実力行使にとどまる

せいぜい僕が言った3つくらいの例しか思い当たる所はないですし、ほとんど行使されないとは思いますけど、今回の法制というのは万万が一のために、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態から、また国連の関係から、全てにおいて法制を整備したということだと思います。

kk100川上 個別的自衛権から集団的自衛権に1歩を踏み出したわけですけれども、「我が国の存立危機に関わるようなときに限って」という鍵をかけて、集団的自衛権という枠の中で我が国を守っていこうという意図を込めた平和安全法制だということを、皆様に是非ご理解いただきたいと思います。
st田村 もう1つ、ほとんどメディアに登場しないのですが、表の真ん中にある『重要影響事態法(周辺事態)』と『国際平和支援法』について。

これらは、両方とも外国軍隊に対する後方支援なんです。

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では、なぜ2つ法律があるのかというと、国際平和支援法は「国連決議が出た場合」に限って支援活動ができます。

ところが、朝鮮半島の問題や中台の問題はどうですか?
このときには国連が機能しないことが想定されます。

国連の常任理事国(アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国)の1か国でも拒否権を発動したら、国連は機能停止します。

したがって、朝鮮半島や中台の問題などの場合は国連が機能しないことも考えられますから、やはり日米同盟がベースになるわけです。

また、今回はオーストラリアなどにも協力しようということがあります。

ですから、外国軍隊に対する後方支援が2つあるというのは、「国連が機能する場合」だけでなく「国連が機能しない場合」も想定されるためです。

kk100川上 今回の平和安全法制は、例え国連が機能しないとしても、我が国の平和と安全を守るための法制だということがお分かりいただけたかと思います。

 

 

希望日本研究所 第5研究室

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