2015.11.11 エネルギー

原子力事故から学ぶ日本の原子力発電に賛成派と反対派が語るメリットとデメリットとは?

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読めば簡単に理解できる日本の原子力発電、反対派と賛成派の主張とまとめ

日本原子力発電に賛成派と、反対派どちらの意見が国民にとってメリットがあるのでしょうか?

今後の原子力発電所の行方は再稼働に向かうのか?それとも停止に向かうのか?

それぞれの意見と主張をまとめてみました。

 

2011年3月11日14時46分『東日本大震災』

日本列島が上下左右に大きく揺れた。

悲鳴を上げて逃げ惑う中、大きな揺れから約1時間後。

想像を絶する20~30メートルという高さの大津波が街を飲み込んだ。

福島第一原子力発電所にも15メートルの高さの大津波が襲来し大破。

全電源を失うことになる。

 

電源を失なったことで、原子炉自体を冷却することが不可能となり、1号炉・2号炉・3号炉でメルトダウンが発生。

 

そして水素爆発。

 

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出典www.yukawanet.com

福島第1の3号機周辺で 400mSv(ミリシーベルト)/h という高い線量の放射能漏れを伴う大きな原発事故がこの日本で起きてしまった。

 

250ミリシーベルト以上浴びると、やけど、出血(内臓からも)、けいれん、脱毛、目の水晶体混濁、意識混濁、白血球減少、永久不妊など急性障害が出る。さらに多量に浴びた場合は死に至る。

以上が震災の時の福島第一原発の状況である。

 

事故以前、原発のことなど話題になることはなく、誰も文句も言わず原発から供給された電気を使用していた。

あの放射能漏れ以来、原発の有無について全国民ならず全世界から注目されることになった。

 

福島の原発事故は国際原子力事象評価尺度で最悪のレベル7として、チェルノブイリ原子力発電所事故と同等に位置付けられている。

 


 

さて、あなたはこの東京電力福島第一原子力発電の事故についてどのように考えていましたか?

 

考え方は様々ですが、この大きな原発問題、何らかの解決策を模索しなくてはなりません。

そこで今回、原子力発電に賛成する人の主張、反対する人の主張を簡単にまとめてみました。

みなさんの考える原発問題の参考にしていただけたらと思います。

 

 

 原発問題反対派の主張とデメリットとは?浜岡原子力発電所などの心配は?

原発反対派で最も多い主張が東日本大震災で経験した事故による放射能漏れです。浜岡原子力発電所など東海地震が囁かれてる今本当に大丈夫なのかという多くの声もあるようです。

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出典:福島県避難者数(環境省の環境白書より)平成25年3月時点

2011年東日本大震災の福島での事故で経験した通り、原子力発電所は事故を起こすと被害は甚大です。

浜岡原子力発電所についても心配の声が多いのもこの福島第一原発の影響が強いといわれています。

浪江町・大熊町・双葉町など、放射能を大量に浴びた土地や建物は、人が住むことができなくなってしまいます。

みなさん故郷を捨てて別の地域で住むしかありません。

【福島県避難者数】

  • 福島県全体の避難者数は15.4万人
  • 福島県内への避難者数は約9.7万人
  • 福島県外への避難者数は約5.7万人

原発事故の発生以降、市町村は、国の指示に基づき、福島第一原発から20km以内の地域を警戒区域として設定してきました。

事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれがある地域に関しては、計画的避難区域に設定してきました。

避難指示区域等からの避難者数は、平成25年3月時点で約10.9万人となっています。

東京電力福島第一原子力発電所の事故は社会的にも大きな影響を及ぼしました。

原発は危険と隣り合わせということをもっと認識すべきなのです。

 

核のゴミ 放射性廃棄物の保管場所と処理方法とは?未来に残さない方法とは?

原子力発電によってできた放射性廃棄物、いわゆる核のゴミは何万年という単位で保管しなければなりません。

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出典:「原子力・エネルギー」図面集2013

それでは、原子力発電で排出された放射性廃棄物をどうやって処理していけばいいのでしょうか?

実は、今のところ手立てがなく、この放射性廃棄物を私たちではなく、未来を生きる子どもたちや、我々の子孫が管理していかなければならないのです。

その方法として、地震などでも影響のない、きわめて安定した地層の地下深くに保管するのが唯一の処理方法とされているため、日本では地層処理という方法が選ばれています。

これは、地中深く300メートルほどの場所に廃棄物を埋めるというものです。

一方、放射能高レベルの廃棄物に関しては、フランスと日本 でガラス固化したものが、2010年1月段階で1664本あり、茨城県東海村と、六ヶ所村の「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」で貯蔵されています。

さらに未処理のものが、2009年12月末で使用済み核燃料からガラス固化体23100本相当、2021年には4万本に達するそうです。

これらのガラス固化体を最終処分するために必要な費用は、約3兆円と見積もられています。(ガラス固化体1本当たりの単価は約3500万円)

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以下のような不安の声も少なくありません。

  • 火山や地震の多いこの日本の地層で大丈夫なのか?
  • 数万年といっても想像もつかない時間スケールで大丈夫なのか?
  • 絶対に地表には影響がないのか?(地下水などが汚染されないか)
  • 数百mの深さで本当に大丈夫なのか?
  • 今後廃棄場所が足りなくなるのではないか?
  • 島根原子力発電所のように改ざん等の問題は大丈夫なのか?

などの不安や疑問も指摘されています。

 

原子力に依存する地域に対する批判と多額の助成

原子力発電所を自分たちの住んでいる地域に作られるのは反対!という人も少なくありません。

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しかしながら、原子力発電所を受け入れた自治体、地域には多額の助成金などが国から貰えます。

なので、原子力発電所のある場所は、高齢化などによって財政が厳しくなった自治体に多いといえます。

個々の自治体にどれくらいの交付金が支払われるかというと、出力135万kwの原発が建設される場合これだけの額が入ります。

  • 建設費用は約4500億円(建設期間7年間前提)
  • 運転開始10年前から10年間で391億円
  • 運転開始後10年間で固定資産税も入れて計502億円

これでも原発の新規立地が進んでいかないのは、危険性と隣り合わせの財源を、地域住民が受け入れないからなのでしょう。

しかし、多額な金額ということも事実で、地方の地域振興となるという意見もあります。

原子力発電所と核兵器、軍事転用の可能性とは?

原発で使用する核燃料からの核兵器へ軍事転用の可能性はあるのか?

実はウラン運用技術は核爆弾とは無縁です。

しかし、原子力発電所を狙ったテロへの対策も考えていかなければなりません。

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(朝日新聞出典)

もっとも、原子力発電所への直接攻撃であったり、使用済み核燃料や、放射性物質等を、ばら撒くテロなどに使われる危険性はあります。

原爆のような核爆弾とは異なりますが、核兵器の一種でもあります。

核爆弾の製造技術に直結するのは、ウラン235の濃縮技術と、使用済み燃料の再処理でのプルトニウム抽出技術といわれています。

その技術が軍事技術として核兵器製造への転用が可能といわれています。

イランなどの中東や、新聞、ニュース等でよく取り上げられています。

 

 

では次に賛成派の意見です。

 

 

日本原子力発電に賛成派が賛同している内容とメリットとは

原子力発電は他の発電よりコストが安い!?他発電との比較をしてみましょう。

突然ですが、明日、日本の原子力発電所を停止したとしましょう。

もちろん、電力を賄うために、原発に変わる発電が必要となってきます。

 

原子力を除いた発電方法には、太陽光発電、火力発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電・・・等々様々な発電の形が存在します。

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その中で最も、コストがかからない発電が、原子力発電といわれています。

各発電のコストを比較してみましょう。 

【各発電のコスト試算1kwh(2014年の経済産業省の試算)

  • 太陽光発電が約30
  • 石油を使った火力発電が約30円以上
  • 天然ガスを使った火力発電は13.7程度
  • 石炭を使った火力発電は12.3程度
  • 原子力の発電コストは10.1程度

原子力発電は他の発電方法と比較しても大幅に安いと言えます。

 

化石燃料に比べて発電コストに占める燃料費の割合が小さいため、燃料価格の変動による影響を受けにくいという特徴があります。

 

 火力発電と原子力発電を例に比べてみましょう。

火力発電は燃やすための燃料費が1kwhで約30円以上掛かります。

つまり火力発電は100wの電球を10時間点灯させるのに電気会社等の手数料など入れて国民が支払う料金は約40円以上掛かります。

その点、原子力発電では、国民が支払う料金は約20円で済むという計算になります。

この計算でもわかるように、火力発電の燃料となる原油・ガス代などの高騰により、燃料費が上がれば、もちろんコストは高くなります。

よって国民の電気料金の引き上げにつながります。

 

日本の原子力発電は代替えエネルギーより安定供給が可能

原子力発電以外の太陽光発電や風力発電など自然エネルギーを使用する発電は、自然に委ねられるため、天気が悪い、夜間は発電できない、など天候や日照条件などによって発電量が大きく変化してしまいます。

これでは安定供給は難しいと判断をせざる得ません。

原子力発電は、火力発電の石油などよりも、燃料となるウランが、ごく少ない量で大きなエネルギーを発生できることに加え、一度燃料を原子炉の中に入れると、少なくとも1年間は燃料を取り替えずに発電できるので、大量な電気を安定して、発電、供給することが可能となります。

 

原子力発電は二酸化炭素を排出しない!実はクリーンエネルギーで環境に優しい

 福島第一原発事故の影響で信用を失ってしまいましたが、原発の仕組みとして、二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーといわれています。

原子力発電は、火力発電のように燃料を燃やすことがありません。

よって、水力発電や太陽光発電など自然エネルギーと同様に、発電の際に地球温暖化や酸性雨の原因となると言われている二酸化炭素(CO2)硫黄酸化物(SOx)窒素酸化物(NOx)などを大気中に排出することもありません。

二酸化炭素を排出しない一番の理由として、原子力発電の燃料として使われているウランに特徴があります。

ウランは、核分裂によって熱を発生させるので、酸素を使いません。なので二酸化炭素が発生しないという特長があります。
石油火力発電など燃料を燃やし続ける発電と比べて、二酸化炭素の発生量を抑えることになります。

 

地球温暖化などの環境問題の解決を図る上で期待されている発電とも言われています。

 

高い技術力の日本の原子力発電。海外への輸出を増やせることで、日本の経済に好影響を与える産業

原発は1基当たり5000億円の一大事業で、廃炉までメンテナンスで収益を上げることができるビジネスです。

日本には、日立製作所・東芝・三菱重工といった有名な原子力発電メーカーが3社あります。

もちろん日本原子力発電所の技術は世界でトップレベルです。

今回、東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所が予測もしない事故を起こしてしまいましたが、実際はというと、安全性は世界でも注目されていて、目を見張るものがあり、日本の原子力発電を輸入したいという国が多く存在しています。

世界的に原発は成長産業で、安全性と高い発電力で求められています。

安倍首相がトルコ訪問で自ら原発の話を行い、原発受注の実質合意をしました。

福島第一原発事故後、初めての輸出ですが、トルコの黒海沿岸に原発4基を建設、建設費だけでも250億ドル(約2兆5000億円)をくだらない受注です。

現在、建設中の原発68基、建設計画は162基にも及び、操業中の原発は316基あります。

現在、原発は建設から運転停止まで60年以上を要することから、参入障壁は高いといえます。

事故が起きたからこそ、そこを教訓に安全対策をしっかりと確保、そして強化することでより良い安全な原発ができあがると注目もされています。

 

海外への輸出で電気のない国へ明るい光を提供する事、そして日本経済に大きく貢献ができます。

 

原子力発電を廃炉せず使い続けるしかない現状

原子力発電所の廃炉には、お金と時間が沢山かかります。

ちなみに廃炉をしたとしても放射性物質を施設外に漏らさないよう安全に管理する必要があります。

使用せずに持っていてお金がかかるほど無駄なものは有りません。

 

しかも廃炉期間は20〜30年かかります。

 

原発施設の除染、解体、廃棄物の処分などにかかる費用は、

  • 小型炉(50万キロワット級)は360億〜490億円
  • 中型炉(80万キロワット級)は440億〜620億円
  • 大型炉(110万キロワット級)は570億〜770億円

これだけの多額の費用がかかります。

例をあげれば、高い高級車を購入し、乗らずに、高い駐車場代だけを払って停めておくというようなものでしょうか。

原発は止めると、電力は生まないのに維持費に莫大な費用がかかります。

 

廃炉してお金や時間が無駄なら使用していたほうが無駄を省けるのです。

 


 

以上、原発問題について賛成派と反対派の主張をまとめさせていただきました。

原子力発電のメリット・デメリットを参考に、ご自身はどのように考えましたか?

賛成よりでしたか?

それとも反対よりでしたか?

今すぐには対応できないということも、私たちも理解していなければなりません。

どのような方法をしても解決しなくてはいけない問題は山積みになっています。

 

みなさんの考える原発問題の参考にして今後を考えていただけたら幸いです。

 

川内原発

 

 

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