2015.04.24 鉄道

一日の乗降客数世界一!!約650万人の乗客を誇る東京の大動脈「山手線」のホームドア事情

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山手線のホームドアに込められた様々な工夫

JR東日本がホームドアの設置に力を入れているのは、東京の大動脈ともいえる山手線です。

山手線は、ご存知の方も多いと思いますが、東京23区の都心部において円を描くように運転を行っている1周長さ34.5kmの路線です。

1周の所要時間は内回り・外回りともに標準で59分となっています。

その多くの駅において、都心から各方面へと放射状に伸びるJRや私鉄各社の路線と、都心部を走る地下鉄各線に接続しています。

路線の色は電車の車体の色に使用されている緑色(ウグイス色)で、旅客案内(路線図)にも使用されています。

平成27年3月現在、山手線全29駅のうち18の駅にホームドアが設置されています。

山手線のホームドア設置駅

山手線のホームドア設置駅

そのほかの品川(2016年)、浜松町(詳細不明)、代々木(2015年11月上旬予定)、日暮里(2016年3月下旬予定)、上野(2015年11月上旬予定)、秋葉原(2015年6月20日稼働予定)、神田(2016年2月下旬予定)の7駅は2015年度中に、そして大規模改修予定の駅である新宿、東京、新橋、渋谷は2017年度以降の設置が予定されています。

 

利用者の安全・安心のために

山手線のホームドアは東京メトロや私鉄各線ですでに導入されている可動式ホーム柵タイプを基本としていますが、運行ダイヤが過密で数多くの利用者がいることから、

  • ホームドア戸袋の一部を取り外し可能にして緊急脱出口とする
  • 耐環境性の向上やシステムの2重化などを行う
  • 稼動状況を常時モニタリングし、故障時にすぐ対処できるよう構成する
  • 高機能のセンサーを導入し、ドアに荷物や傘などが挟まってもすぐに検知できるようにする

といった信頼性・安全性向上に向けた改良がなされています。

また、山手線のホームは古いものが多く、可動式ホーム柵を床面に固定する強度を確保するために大規模な基礎部分の改良工事が必要となります。

先行使用開始となった恵比寿駅では2010年3月から4月に掛けてホームドア本体の設置工事が行われ、当初の予定通り6月26日から運用を開始しました。

(※参考資料:JR東日本「山手線への可動式ホーム柵の導入について」)

 

正確なダイヤを担う停止位置制御(TASC)

利用者が乗降にもたつけば、その分運行ダイヤが乱れてしまいます。膨大な数の利用者を運ぶ山手線にとっては、少しのもたつきが大幅な遅れとなってしまい、利用者に多大な不便をかけてしまうことになります。

そこで、利用者がスムースに乗降するためには、地上のドアと車両のドア位置を正確に合わせる必要があります。

そのアシストをするのが、列車が駅に停車する際に自動的にブレーキをかけてホームの定位置に停止させる「TASC(定位置停止装置)」です。

「定位置停止装置(TASC)」

「定位置停止装置(TASC)」

(※参考資料:JR東日本「山手線への可動式ホーム柵の導入について」)

山手線では恵比寿駅を皮切りに、ホームドア設置に向けて全駅に導入されました。

東京メトロ副都心線の開業時に問題となったこともあり、山手線ではホームドアの使用開始の3ヶ月前から試験運行を行っていたこともあってか、実際の運用時にも特にトラブルの発生は無く使用開始されました。

それに加え、可動式ホーム柵の本格的な整備に合わせて、山手線の6扉車をすべて4扉車に取り替えてドア位置の統一を行っています。

山手線から6扉車がひっそりと消えてしまった背景には、このホームドアの導入があったわけです。

 

さらなる利便性のための工夫

【ホームドアのドア部分を透明に】

山手線は建設が古い駅も多く、環状線という路線の性質上、カーブ上にホームがある駅が多くなっています。

そのため電車とホームの間が広く開く箇所が多数存在しますが、ホームドアを透明にすることで乗車前にその隙間を確認できるようにして、安全姓を向上しています。

ホームドアのドア部分を透明に

ホームドアのドア部分を透明に

なお、先頭車の運転台より2箇所のドアについては、ほかとドア間隔が異なるため不透明なドアとなっています。

 

【ホームドアの動作状況を表示するランプを設置】

山手線では今のところホームドア導入によるワンマン運転化の計画は無く、ドアの開閉はこれまでどおり列車の最後部に乗務している車掌が行うことになります。

車掌は、車両側に設置されているランプと、このランプを見てドアの開閉状況を確認しています。

ホームドアの動作状況を表示するランプ

ホームドアの動作状況を表示するランプ

また、運転士側も運転台にあるホームドア用の表示灯で、ホームドアの開閉状況を確認できるようになっており、トラブルの発生をすぐに把握できるようになっています。

 

【ホームドアに描かれる緑のラインを内回り・外回りで変更】

山手線内回り(反時計回り)は、グリーンの1本線

山手線内回りは、グリーン1本線

山手線内回りは、グリーン1本線(有楽町駅)

山手線外回り(時計回り)は、グリーンの2本線が引かれており

山手線外回りは、グリーン2本線

山手線外回りは、グリーン2本線 (恵比寿駅)

内回り・外回りで、ラインの数を変えています。

それにより、利用者にとっては進行方向がすぐにわかるような工夫がされています。

このように、より安全で快適な駅へむけて駅の進歩は今後も続いていきそうです。

 

※希望日本研究所 第8研究室

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