2015.05.11 鉄道

ホームドア設置数で一歩先を行く東京メトロ(1)

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全ての駅へのホームドア設置を目指す「東京メトロ」

「東京メトロ」は主に東京23区内で地下鉄を経営する鉄道会社です。「東京メトロ」は愛称で正式名称は「東京地下鉄株式会社」です。

東京の地下鉄路線のなかで、銀座線・丸ノ内線・日比谷線・東西線・千代田線・有楽町線・半蔵門線・副都心線・南北線の9つの路線を運営しています。

東京メトロ 丸ノ内線 四ツ谷駅

東京メトロ 丸ノ内線 四ツ谷駅

ホームから線路内への転落事故や、ホームにおける列車への接触事故を防止するため、各線へのホームドアの設置を推進しています。

2014年時点では、南北線全19駅、千代田線2駅(綾瀬駅、北綾瀬駅)、丸ノ内線全28駅、副都心線全11駅、有楽町線全24駅へのホームドア設置が完了しており、その数は路線全体の179駅中84駅、率としては全体の47%にも上ります。

今回は、実際にホームドアが設置・導入されている路線を中心に見ていきたいと思います。

また、ホームドア設置にあわせて、曲線ホームでホームと車両の間隔が広い場所には、乗降の際の踏み外しや転落を防止する設備として可動ステップを設置して、より一層の安全性向上を目指しています。

 

「フルスクリーンタイプ」のホームドアを採用した「南北線」

東京メトロ南北線は、目黒駅と赤羽岩淵駅とを結ぶ約21.3kmの路線です。

比較的新しい路線ですが、計画自体は昭和37年に出来上がっていました。

南北線のホームドア設置駅

南北線のホームドア設置駅

しかし、その建設は先延ばしにされて、昭和59年になってやっと着工され、平成3年には駒込~赤羽岩淵間が開通しました。

平成12年に全線が開通し、東急目黒線と相互乗り入れになりました。平成13年には埼玉高速鉄道とも乗り入れ開始しています。

営団地下鉄(当時)はこの路線でいくつかの新技術を本格投入しました。

  • 一つはワンマン自動運転です。

過去に、東京メトロ日比谷線において試験的に自動列車運転装置(ATO)を利用したワンマン運転を行なっていたのですが、あまり信頼性が上がらず実用までには至らない結果となりました。

その後、技術の進化とともにATOの信頼性が向上、南北線での本格導入となったのです。

  • 二つ目としては、「フルスクリーンタイプ」のホームドアの設置です。

このタイプのホームドアはホーム転落事故を防ぐだけでなく、列車の進入による風を防止することもできます。

しかし、フルスクリーンタイプのホームドアの地下鉄採用は、新交通では積極的に導入していますが、その後の新規鉄道路線への採用はありません。

その理由としては、主に設置にコストにあります。

そのため、南北線と共通に運用している、都営三田線、埼玉高速鉄道線、東急目黒線では、フルスクリーンタイプではなく可動式ホーム柵を採用しています。

 

比較的容易にホームドアが導入できた「丸ノ内線」

東京メトロ丸ノ内線は戦前に着工した古い路線です。

本線は池袋駅から東京駅を経経由して新宿駅まで山手線の内側をU字形に走行しており1959年に全線開通しました。

新宿からそのまま直線的なルートで荻窪駅までいたる路線は1962年に開通しています。

また、本線の中野坂上駅から分岐して方南町駅まで至る3両編成の方南町支線もあります。

丸ノ内線は他の鉄道会社の路線との直通運転は行われておらず、また、6両編成という短い編成のため比較的容易ににホームドアの設置をすることができました。

 

ワンマン運転とホームドア、可動ステップ

2015年現在、丸ノ内線の全駅に可動式ホーム柵タイプのホームドアが設置されています。

ホームドアは日本におけるホームドア開発でトップシェアを持っている京三製作所製です。

2004年に方南町支線にホーム柵を設置し、中野坂上から方南町駅の間で運行される3両編成の列車に限定してワンマン運転を開始しました。

丸ノ内線のホームドア設置駅

丸ノ内線のホームドア設置駅

池袋駅と荻窪駅の間の本線については、2006年に荻窪駅と南阿佐ヶ谷駅にホームドアを設置し、翌年には本線全225駅に全てに設置され、設置された駅から順次稼動を開始しています。(※銀座駅と御茶ノ水駅は再調整工事のため、正式稼働はが少し遅れています)

ホームドア設置当初は、車掌が柵の線路側にあるボタンの操作によってホームドアの開閉を行っていました。

その後、本線用車両でホームドア連動改造を実施し、車掌は車両側のドアスイッチのみを操作することによって車両ドアと柵が連動して開閉するようになり、スムースな運行が可能になりました。

さらに全編成の車両にワンマン運転化の改造を施すことによって、全線でワンマン運転が可能になりました。

また、ホームドア設置にあわせて、ホームと車両の間隔が広く開いてしまう場所に、乗降の際の踏み外しや転落を防止する設備として「可動ステップ」を導入しました。

【可動ステップの例】

可動ステップは乗り降りの際、電車とホームの隙間をなくして利用者の踏み外しを防止するもので、電車とホームの間が広く開いている箇所にホーム下からステップが張り出してその隙間を埋めることによってホームからの転落を防いでいます。

可動ステップもホームドアと同様に京三製作所製が採用されました。

丸ノ内線では御茶ノ水駅、銀座駅、国会議事堂駅、赤坂見附駅、中野新橋駅、中野富士見町駅において実際に可動ステップが稼働しています。

こうした安全対策が取られたため、2009年からの丸ノ内線全線ワンマン運転化が実現しました。

(2)に続く

 

※希望日本研究所 第8研究室

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