2015.08.01 マイナンバー

【マイナンバー】マイナンバー導入でわたしたちの年金や暮らしはどのように変わるのか?

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2016年1月にマイナンバー制(共通番号制度)の運用が本格的に開始されます

マイナンバーの利用範囲を広げるための改正マイナンバー法が、2015年の9月3日の衆院本会議において与党や民主党などの賛成多数で成立しました。マイナンバーのポスター

今回の改正マイナンバー法ではマイナンバーの適用範囲を拡大し、2018年以降には預金口座にも適用できるようにするのがその主な部分です。

ただし、日本年金機構の個人情報流出問題を受けて、予定されていたマイナンバーと基礎年金番号の連結は延期することとなりました。

そこで、今回はマイナンバーが開始されることで年金制度はどのように変わるのか、また、私たちの暮らしへの影響はどれくらいあるのか。

詳しくみてみたいと思います。

 

共通番号制度「マイナンバー」の導入で変わる年金制度、私たちの暮らしへの影響は?

もともとの年金機構の描いたスケジュールでは、2016(平成28)年にシステムを構築し、年金受給者及び被保険者とマイナンバーの紐付けを行い、その翌年の2017(平成29)年から実際の運用が順次開始される予定でした。

そうすることによって、年金機構側は各省庁や地方自治体の個人情報にアクセスできるようになるため、事務処理の効率が上がることが期待され、年金に関わる私たちの手続き面で以下のメリットが出てきます。

 

(1)手続の際の添付書類が省略できる

年金の裁定(※)請求の際、加給年金や第3号被保険者の認定、初診日が20歳前の障害年金等については所得証明の添付書類が必要とされています。

これらの添付書類についてはマイナンバーの運用が開始されれば年金機構でデータを把握できることになるので添付が不要になります。

さらに、住民票等についても提出が不要になります。

 

(2)裁定・審査期間の短縮される

年金は請求をしてから実際に支給されるまでの期間が2~3ヶ月かかることが普通となっていますが、手続きの簡略化によって情報照会の期間が削減されるものがあるので、請求から支給までの期間が短縮されると思われます。

同様に保険料の免除申請についても、審査期間が短縮されるでしょう。

現行では3ヶ月程度必要とされていますが、審査が長引くということは私たちにとって様々な不利益を及ぼす可能性があるので、ぜひとも審査期間の短縮は実現化してほしいものです。

 

(3)保険料額の正確性や公正さが向上する

マイナンバーによって瞬時に国民全員の所得が把握できることになります。

そのため、正確な保険料と年金額を算定することが可能になります。

その一方で、保険料を未納している人にとっては、今現在も一定以上の収入がある人を対象にして財産の差し押さえによる強制徴収が行われていますが、その対象者を洗い出すための作業効率が向上することによって、強制徴収の事例が増加するかもしれません。

 

※裁定とは

年金を受ける権利は、要件がととのったときに事実上発生しますが、要件を 満たした人は,要件をすべて満たしていることの確認を受けることが必要です。この受給権の存在の確認をすることを裁定といいます。

 

なぜ、マイナンバー制度の導入を急ぐのか?その隠された真の目的とは?

このように、マイナンバー制度が導入されても、年金に関して言えば私たち国民の暮らしに与える影響は、ごくごく限定的であるとも言えます。

では、そもそもマイナンバー制度はなぜ導入されるのでしょう。

政府がいう目的には「国民の利便性の向上」のほかに、①「行政の効率化」と②「負担の公正化」の2点をあげています。

マイナンバーとは

しかし、行政の効率化というのならば、人件費等のコストの削減とセットでなければ意味がありませんが、マイナンバーの導入を機にそういったコストが削減されるといった話は聞きません。

むしろ、マイナンバーの担当部署や新たな組織の設立によって、全体としてのコストは増すことになるでしょう。

課税等の負担の公正化やマネーロンダリングを防止することは大切ですが、それが政府の財政に大きな影響を与えるとも思えません。

そうであるならば、マイナンバーを年金に導入する真の目的は何なのでしょう?

次の二つが考えられます。

①社会保障費の削減②社会保険料の徴収強化です。

 

真の狙い【その1】:社会保障費の削減

平成27年5月19日の財政諮問会議において、収入が多い高齢者の基礎年金を減額することが提言され、今後の財政健全化計画に盛り込まれる見通しとなりました。

高齢者に給付される老齢基礎年金(満額で月約6万5千円)の半分は税金から拠出されています。

そのため、所得額に応じて老齢基礎年金を減額し、年金を支える国の負担を減らして、主に税金を支払っている現役世代の将来の負担を軽くするのがその狙いです。

投票率の低下

これまでは厚生年金の被保険者の給与と賞与しか年金機構では把握できなかったので、厚生年金の被保険者が受給している老齢厚生年金のみが減額の対象でしたが、マイナンバーの導入によってそれ以外の収入も把握できることになります。

現時点では検討段階ですが、ほぼ間違いなく老齢基礎年金も所得に応じて減額となります。

さらに、マイナンバーを預金口座にも適用することが2015年5月21日の衆院本会議で可決されました。

当初は任意とのことですが、2021年以降は義務化も検討されるとのことです。

現行では「義務化を検討」とされていますが、おそらく間違いなく義務化されると思われます。

「資産額に応じた年金の減額と高齢者健康保険保険料の徴収強化」を見すえていると思って間違いないでしょう。

その実現に向けて前に進みだした感があります。

 

真の狙い【その2】:社会保険料の徴収強化

もう一つは、マイナンバーと預金口座の紐づけで収入の捕捉が容易になるので、社会保険料の強制徴収に乗り出そうという狙いです。

社会保険(厚生年金・健康保険)というのは法人であれば法律的には人数を問わずに加入義務が生じますので、加入していないのは違法だということになります。

ですが、長期にわたる不景気の影響もあり、経済的な状況でやむを得ず、本来なら入るべき社会保険に入っていない会社が少なからずあるというのが現状です。

 

加入義務があるのに未加入の人はおよそ数百万人にものぼる

平成25年度の国税庁のデータによると、年末調整を行った人は約4200万人にのぼります。これに対して、厚生労働省のデータでは厚生年金の被保険者は約3500万人であり、その差は700万人ほどとなります。

そのすべてが短期雇用者というわけではないでしょうから、この700万人ものなかには、社会保険の加入義務のある人がいるはずです。

中には会社ごと加入していない場合もあると思われます。

そこで、仮にその中の100万人が加入義務があったとして、社会保険料の滞納分を請求するとしたらどうなるでしょう?5e7840a103229f3db18206554f5938b9

その年収が仮に200万円だったとします。100万人×200万円で給与の総額が2兆円になります。

社会保険料は給与の3割(労使で折半負担)ですから、その1年分の社会保険料は6000億円に及ぶことになります。

さらに、社会保険料は時効が2年間なので、その2年分を徴収されると1兆2000億円にも達します。

 

数兆円規模の収入増で政府の財政事情はかなり楽になる

わかりやすく他の数字と比較してみると、消費税の税収が15兆円ほど、法人税が約10兆円ともいわれています。

ですので、1兆2000億円という金額が非常に大きなものだとわかるでしょう。

もちろん、実際にはもっと大きな金額になると考えられます。

財政健全化に苦心している政府にとっては、数兆円以上も収入が増えれば、財政事情はかなり楽になりそうです。

一刻も早くマイナンバーを導入して、強制徴収に乗り出したいと考えるのも当然なことです。

 

社会保険料を滞納している先の多くは中小企業

本来なら加入するべき社会保険料を滞納しているというのは、どんな企業でしょうか。

おそらくはその大半が、社会保険料の支出にも苦しむ中小企業で、たとえば街の商店のようなごく小規模な会社が考えられます。従業員がいないか、いても数人という小さな企業です。会社が倒産

そういったところとっては、社会保険料を過去2年分をさかのぼって一気に徴収されるのは死活問題になりそうです。

中には倒産に追い込まれるところや、これを機に廃業するといった会社も出てくるでしょう。

「ルールを守っていない会社のほうが悪い」と指摘する方も多いでしょうし、たしかにそれは正論かもしれません。

ただ、現実に小さな企業であっても倒産したら困る人が大勢いるのは確かです。

従業員は路頭に迷ってしまうでしょうし、倒産されたら取引先にも被害が出るでしょう。

理屈だけでは割り切れない要素が多々あるのです。

 

マイナンバー導入で分かれる「明」と「暗」

マイナンバーが導入されれば、法人番号と個人番号を端末に打ち込みさえすれば、様々なデータがパッと出てきます。

「法人で従業員に給与を払っているのに、社会保険料を払っていないところは?」、などというのを見つけるのが非常に簡単になります。

未納・未加入であることに様々な事情があるとはいえ、もはや言い逃れは難しくなることでしょう。

マイナンバーという制度は、年金を通じてわたしたちの生活にも大きな影響を与えそうです。

明と暗、笑う人と泣く人が出てくるでしょう。

 


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※ 希望日本研究所 第8研究室

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