2015.04.27 文化芸術振興

日本の未来が危ない!世界に誇る日本の文化芸術の衰退!乏しい日本の文化庁予算の真実

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日本の未来、文化芸術は消えてなくなる!?

日本の未来が危ない、それは日本の文化芸術が衰退の危機にあるからです。

日本の未来が危ない、それは日本ぼ文化庁予算があまりにも乏しいからです。

平成26年度の文化予算は1036億円で、国家予算に占める割合はわずか0.1%。

隣国や諸外国と比較し極端に少ないのです。

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金閣寺(京都)

日本の未来、文化芸術振興には長期的視点が必要!

文化芸術の振興には、100年後を見据えた長期的な文化創造の視点が必要です。

日本には子供や孫の時代に残すべき素晴らしい伝統工芸、伝統芸術、建築や現代アートがあります。

日本の文化財をしっかり警備・保護*し、文化芸術を育てることが重要です。

(*参考記事:許せぬ!!こんなにもあった!被害にあった文化財油まき事件まとめ

このままでは才能ある日本の若手芸術家やクリエーターたちが、「収入に結びつきにくく、支援のうすい日本」を捨て、仕事や認知されることを求め海外に移住してしまうでしょう。

日本で、芸術活動だけで、生計をたてている人は芸術家の約15%しかいません。(文化庁「我が国の芸術文化の動向に関する調査」H12年)

資金や人材不足で美術大学が機能しなくなるかもしれません。

そうなれば、私たち国民は日本の文化芸術を鑑賞しに、高いお金を払ってパリ、ニューヨーク、ロンドン、香港、ドバイ等へと訪れなくてはならないでしょう。

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”Crowd around Mona Lisa in Louvre” by Pueri Jason Scott (American) , Dec.3, 2010 (ルーブル美術館/wikipedia)

私たち国民には日本における文化芸術を享受する権利があるというのに!

日本の文化芸術の未来は文化庁予算にかかっている!

政府の短期的な視点にたった予算の振り分けや効率重視の価値基準は、結局国民一人一人の未来の財産の命とりになります。

平成26年度の文化予算は1036億円で、国家予算に占める割合はわずか0.1%。

諸外国と比較し、あまりにも少ないです。

前年度と比べ減額となったのは、

  • 文化芸術創造活動への効果的な支援:2.4億円減
  • 芸術家等の人材育成:2.3億円減
  • 国立文化施設の機能強化等:1.6億円減

日本の文化芸術支援や育成予算のカットは未来の日本を担うクリエーターにとって致命的です。

出雲大社

重要文化財 出雲大社 島根県

一方で、文化庁予算の約43%を占めている「文化財の保全と継承」もまだまだ不十分です。

日本には世界遺産クラスの仏教美術の宝がたくさんあります。

特に天平文化*の最高傑作は14世紀も前のもので、保全保護の必要性が今後もさらに増えていきます。

*参考記事:誇るべき日本の天平文化、シルクロードと仏教美術

文化財は景観や環境と共に保護すべきなのですが、問題が整理できずに整備がままならない状況が多いです。

また、そもそも文化財の認定方法や安全性の基準を明確にし、管理されなければなりません。

日本の文化芸術は地方の観光産業と結びつけば、大きな経済効果を望めるという事は誰もが感じている事ですが、成功している地域は数える程しかないです。

こうした連動は日本経済の成長にとってさらに大きなチャンスであり、地方経済活性化、市場拡大につながります。

国は長期的視野にたち、世界の中での日本の文化芸術の存在を確立*し、推進・発展させ海外発信し交流させるべきものです。

*参考記事:知らないと損する仏像の歴史!

それにはまず、「日本の文化芸術への確実な投資の拡大こそ、経済効果をもたらす」という認識とぶれない視点が重要になります。

それはルーブル美術館のモナリザがもたらしている経済効果と同じです。

「モナ・リザ」 レオナルド・ダ・ヴィンチ画

「モナ・リザ」 レオナルド・ダ・ヴィンチ画 ルーブル美術館所蔵

 

日本文化とフランス文化の違い

現在のフランスの文化・コミュニケーション省は、1959年にシャルル・ドゴール政権時代に設置された文化省が原型となり、大臣官房、事務、文化財、芸術創造、メディア、文化産業、フランス言語、国立映画映像センターの6つの局により構成されています。

日本の文化政策と異なる点は、民間の採算重視の活動に対してフランスの文化・コミュニケーション省は正反対のリスクテーカーの立場をとっています。

「(フランスの)公共サービスでは、できるだけ多くの人にリスクを伴う創作活動を紹介すべきで、安易な市場原理に対抗する事こそが公の任務である。」と責任を説いてます。

日本文化をブランド化する「クールジャパン」政策は、経済産業省が行っています。

経産省は、世界市場を拡大し2020年の海外売上高を最大17兆円(2010年の約4倍)に増やす目標を掲げました。

問題点として、この政策は「今あるものをどう市場で売るか」という事にフォーカスされ、国だからできる長期的な人材やブランド育成等の支援施策や斬新で実験的な企画がありません。

これでは民間企業がすでに長年行っている「日本の魅力的な商品」の海外発信•販売戦略と同じ視点で、わざわざ「クールジャパン」政策としなくてもいい。

やはり国ならば長期的視野にたち、世界の中での日本文化芸術の存在感を確立し、推進/発展させ海外発信し交流させるべきです。

また一部の国際アートフェア等は文化庁ではなく、外務省の管轄になっています。

ワインとチーズ

ワインとチーズ

フランスにおける文化芸術支援*は、ブランドイメージとして「フランスを代表する文化」を国家が選択し、その振興に中心的役割を担い、建築、芸術、仏料理、ワインやチーズ、シャトー、村等多岐にわたるものをブランド化し、観光産業と強力な連携を推進しています。

(*参考記事:なぜフランス世界遺産がモテるのか?!

「文化国家」として世界に有無を言わせぬフランスの存在は、国家イメージ戦略の成功例であり、そのブランドを外交等国家政策に日本よりはるかに有効活用しています。

文化庁は各省庁でばらばらに行われいる政策を交通整理し、目標を明確に統括し、リードしていくべきです。

 

 

日本文化には無い、フランス文化の民主化の歴史

「民衆を導く自由の女神」ウジェーヌ•ドラクロ画

「民衆を導く自由の女神」ウジェーヌ•ドラクロ画 ルーブル•ランス所蔵

日本において「芸術」を国民の権利の一つと意識している人は少ない。

しかし、フランスはどうやら違うようです。

何世紀にもわたる「王族や特権階級のための芸術」は18世紀末のフランス革命で崩れました。

変遷を経て文化芸術は、20世紀に大衆のためのものとして明確に定義されました。

その「文化の民主化」政策を率先して行ったのが、フランスの初代文化大臣アンドレ・マルローです。

マルローは第2次世界大戦中、第18代仏大統領シャルル・ド・ゴールと共にレジスタンス運動*を行い、シャルル・ド・ゴールにより文化大臣に任命されました。

文化大臣就任後、社会階層や居住地域に関わらずフランス全土で全ての人が文化や芸術に親しめるようにする「文化の民主化」政策による全国普及を行いました。

文化省のミッションをマルローは、こう語りました。

「人類の、そしてまずフランスの主要な作品に、できるだけ多くのフランス人が接することができるようにし、我々の文化的財産に対するできるかぎり広範な関心を確保し、かつこれらの文化的財産をいっそう豊かにする芸術と精神の作品の創造を助けることをその使命とする。」

(1059年7/24付、文化担当省の組織に関わる政令no.59-889)

現在から900年以上前のフランスの「文化の民主化」政策の原点です。

日本の文化庁も日本国民の文化芸術に触れやすくし、無関心な人をできる限り無くし、芸術作品の創造の支援や芸術精神を育てるという基本に立ち返り、実現してもらいたい。

*レジスタンス運動:フランスにおけるナチス侵略時代の対ナチズム抵抗運動

ロレーヌ十字

ロレーヌ十字

第二次世界大戦中、シャルル・ド・ゴールの下の自由フランス(仏:France libre)の公式なシンボル(出典元:Sarang)

日本の文化予算はフランスのように倍増できるのか

マルロー文化大臣のミッション宣言から約900年たった1981年。

社会党政権が成立すると、ミッテラン大統領は文化政策を政府の重点項目とし予算も倍増させ、国家予算の1%レベルを達成させました。

33年前です。日本は2012年でもまだ、0.11%です。

文化大臣に就任したジャック・ラングは、芸術文化の全国普及やフランスの国民のための新たな文化政策を次々とつくりました。

そして、文化省のミッションを改めて定義しました。

「全てのフランス人が創作創造し、自らの才能を自由に表現し、自らが選択する芸術教育を受けられるようにすること、国、地方および様々な社会グループ共同体の文化遺産を保護すること、芸術と精神の作品の創造を助け、かつできるかぎり広範に関心を持たせる事、世界の様々な文化との対話のなかでフランスの文化と芸術の威光に貢献すること」

(1982年5/10付、文化省の組織に関する政令no.82-394)

サモトラケのニケ

サモトラケのニケ ルーブル美術館所蔵

フランス革命後「芸術を享受する権利」を勝ち取った歴史は、フランス国民の文化芸術に対する積極的な姿勢をつくり、文化芸術を社会奥深く位置づけ揺るぎないものにしました。

1000年単位の長期的視点も必要だと思う。

日本の文化予算の割合が国家予算の1%レベルに達成しなければ日本の未来はない。

日本文化の育成が必要とされているのに

文化庁(文化省)予算を比較すると

  • 日本の文化予算は1032億円
  • 国家予算に占める割合は0.11%
  • 国民1人当たりの負担額は803円
  • フランスの文化予算は5163億円
  • 国家予算に占める割合は1.09%
  • 国民1人当たりの負担額は7579円

(2012年 野村総合研究所資料より)

エスカルゴ フランス料理

エスカルゴ

フランス文化予算の内訳(2012年)として最も多いのは「文化の知識と民主化の伝承」であり、全体の26%を占め、主に教育目的に投じられています。

フランスの人口は約6600万人、日本は約1.3億人。

フランスの約2倍の人口であるにもかかわらず、1/10の文化予算で日本は、国際交流の推進、人材育成と支援、文化財保護、文化芸術の発信、基盤整備の充実をはかっていかなければなりません。

文化予算を増やさないと、諸外国からの日本の遅れはいつまでも取り返せない。

取り返せないどころか、日本文化の未来の可能性が失われていく。

フランスは潤沢な文化予算を使い、さらに国家戦略として仏料理、美術、演劇、映画、サーカス、バレーは国立の学校・研究施設を設立し教育や文化芸術の普及に努めています。

結果として、フランス国民も文化芸術に対して非常に関心が深く理解があります。

日本国民にとっても文化芸術振興や育成は人ごとでなく、もっと身近な関心事になってほしい。

 日本文化の衰退を招く、非常識

革命を経験したフランスは特別なのでしょうか。

文化芸術に対しての日本の国家予算は隣国と比べてはどうでしょう?

国家予算に占める文化予算の割合は

  • 韓国は0.87%
  • 中国は0.22%

隣国と比較しても日本の文化予算「0.11%」がどれだけ少ないか理解できます。

日本文化芸術の危機のまとめ

stockvault-stop-sign-grunge134010これまでフランスや隣国と比較し日本の文化芸術政策の弱さは乏しい予算にあると問題提議しました。

本当に深刻な問題です。

解決しなければなりません。

現在の日本の文化予算配分を増やし、各省庁で分散的に推進されているプロジェクトを文化庁が統括し、国家戦略として発展させないと日本文化の未来はない。

諸外国はますます国家イメージのブランド化を促進し、文化芸術振興と観光産業の経済活性化を推進します。

日本の文化芸術振興策のグランドデザインを作り、早急に国家予算に反映させなければならない!

現在の予算配分を変えなければ、日本の文化芸術の国家レベルのダイナミックな発展はありません。

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