2015.03.21 鉄道

ここはヨーロッパ?!芝生の上を滑走する鹿児島の路面電車

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年間延べ1,000万人が利用!鹿児島の路面電車は運営も絶好調!

日本最南端の路面電車が走る街』鹿児島では、市電が大活躍しています。

その中でも最南端に位置する谷山駅には、ちゃんと誇らしく「日本最南端の電停」という記念碑も設置!

100年以上も営業している鹿児島の市電は、経営が優秀ということでも有名で、様々な取り組みも実験的に行われています。

もしかしたら、日本におけるLRT先端都市かも?!

総営業キロは約13kmと決して長くはないものの、年間延べ1,000万人以上もの乗客に利用され、市民の足として欠かせない公共交通です。

他の都市と同じくして、一部の路線はモータリゼーションの発展により廃線となってしまいましたが、レトロな風情を感じる面もあれば、ヨーロッパの先端都市かと見まがうような面もあり、幅広い顔を持つ鹿児島の市電は面白そうです!

では、そのネタの宝庫とやらを見てみましょう。

 

鹿児島市民を悩ます桜島の火山灰!影響は路面電車にも

錦江湾の向こうに浮かぶ桜島は雄大ですね。

しかし、時として火山灰が風に乗ってきて街を覆ってしまい、鹿児島市民の足である市電にも大きな影響を及ぼします。

そのため、例えば灰が舞うと窓が開けられないということで、冷房完備の路面電車も比較的早い段階(昭和56年)に導入されました。

また、この灰が線路の分岐装置(ポイント)に詰まると正常に動作しなくなってしまうため、それを防ぐ『散水電車』が走るのも鹿児島市電ならでは!

ちなみに、灰が降ろうと降らまいと、市電の洗車は10日に1度しか行われないそうなので、灰を被った状態の貴重な(?)路面電車を見ることができかもしれません。

鹿児島市民を困らせる災害ゆえ、観光資源にはなってほしくないですが・・・。

 

鹿児島では芝生の上を路面電車が走る?!バスよりもエコな理由

日本全国でも約20ヶ所で路面電車が走っており、超低床車両も各地に導入されています。

ところが、どこかヨーロッパの街並みと違うなぁとずっと気になっていました。
そして鹿児島の市電を調べていくうちに、1つ判明したのです。

それは、軌道に芝生を敷いているか否か!

鹿児島の路面電車では、約7kmにわたって軌道に芝生が敷いてあり、逆にヨーロッパの都市かと見まがうほどです。

鹿児島市の目的は、地球規模で問題になっている「ヒートアイランド現象の緩和」「都市景観の向上」で、平成18年から実施されているとのことです。

どの都市よりも早いですね!

都市の政策として効果をもたらし、なおかつ鹿児島を象徴する景観にまでなっているので、こういった「路面電車の軌道緑化」が全国に広がってほしいと思います。

また、人工芝ではないため、それなりにメンテナンスも必要です。

そこで、ここ鹿児島の市電には世界で1台しかない『芝刈電車』が用意されています!

大体は夜中に作業するとのことなので滅多に見れそうにありませんが、これまた名物車両ではないでしょうか?!

 

鹿児島では路面電車の架線が景観を損なわない?!

路面電車というくらいですから、もちろん動力は電気です。

一般的と言いますか代表的な道路構成としては、車道中央に線路が敷かれているため、線路脇や歩道にポールを建て、そこから架線を引いて電気の供給を行っています。

すると、電線が入り組んで景観的に美しくはありません。
ある意味「路面電車が走る街」っぽくて個人的にはグッとくるんですけどね。

そこで、鹿児島では架線を中央で支える『センターポール』を全国で初めて導入しました。

線路の真ん中に1本だけ柱を建てることで、余計な架線を省くことができます。

ちなみに、車道と一緒に走る併用起動区間においては、全てセンターポールの工事が終わっているそうです。

いやはや、美しい町並みは人の心を豊かにしますよね!

 

架線を減らすどころか無くす?路面電車もバッテリー走行の時代

センターポールで景観がスッキリした鹿児島市電では、さらに架線方式の電力供給そのものを考え直そうとしているのか、蓄電池ことバッテリーによる走行実験が今年4月に行われました。

東芝が製造した路面電車用の蓄電システム(24.3kWhのリチウムイオン二次電池)を用いたところ、架線からの電力供給を停止した状態で約10kmの走行に成功!

同時に、充電器の小型化にも成功!
したがって、車両のちょっとしたデッドスペースなどに格納することができ、様々なタイプの車両に搭載することができます。

小さいながらも、この蓄電池は「1万回以上の充放電が可能」「-30℃の環境下にも耐え得る低温動作が可能」という優れた特性を秘めているとのことです。

バッテリー走行は、単に架線レスにして景観を良くすることだけに留まらず、停電などの災害時に自走できるということも考えられ、非常に意味のある手法ですね!

架線や蓄電池のどちらかが故障しても問題が発生しないよう、この両者を上手に使ったハイブリッド形式がベストでしょう。

 

鹿児島にも走ってまっせ!レトロな路面電車『かごでん』

広島の路面電車を運営する広島電鉄は通称『広電』で、同じく岡山は『岡電』と略されます。

では鹿児島でも『鹿児電』かと思いきや、そうは呼ばれてません。
もっとも、運営会社は鹿児島電鉄ではなく鹿児島市交通局ですからね・・・。

ところが、観光用のレトロな車両に『かごでん』という名前が付いています!

大正時代から昭和30年頃まで運行していた木造電車をモチーフに改造された車両で、木目調の外観やレトロ感タップリ満載の内装は、いかにもザ・路面電車!

芝生軌道とのギャップもまた鹿児島ならではですね。

 

広告車両は鹿児島にも!バリエーション豊富な路面電車の数々

同じく九州の長崎も「路面電車が走る街」で有名です。

長崎電鉄では様々な企業とコラボして話題の車両が多いですが、中でも2003年に登場した『チキンラーメン号』はインパクトも強く、ご存知の方も多いと思います。

その『チキンラーメン号』ですが、鹿児島では今でもラッピングされて走っています!

この他にも様々なラッピング車両が走っており、公告車両を導入した当時の長崎に負けず劣らず、鹿児島も相当カオスです。

景観的には疑問を感じますが、少なくとも目は楽しませてくれます!

 

 

もう路面電車とは呼ばせない!鹿児島は日本最南端のライトレール都市となるか?

もう鹿児島市電に関しては、路面電車というよりLRT(ライトレール)を言ってしまってよいのではないでしょうか?!

調べていくうちに、それほど進んでいると思いました。

どこか懐かしい一昔前の車両が多いためか先進的に見えづらいですが、すでに超低床車両も導入されていたり、また先に紹介したように軌道緑化も施されていたり、その他にも様々な取り組みがされています。

 

これは必見!運転席が独立車両になっている鹿児島の超低床型路面電車

ヨーロッパの街並みが似合いそうな超低床車両は日本各地で導入されていますが、ここ鹿児島で走っている『ユートラム』は、なんと運転席と客車との車両が分かれている独特の形をしています。

しかも、日本初の100%国産車両です!

いやぁ独特ですね~。

その昔、竹中直人が「ドクトクくん」という歌を歌っていたのを思い出しました。
収録されているアルバム「メルシー僕」は名盤ですので、是非!

 

話が大幅に脱線していまいました・・・。

2007年には同じ形式で丸みを帯びた『ユートラムⅡ』も登場!
やはりこちらもドクトクくん、、いや、独特ですね。

カッコイイのか不細工なのか・・・
何はともあれ、芝生軌道散水電車に加え、この独特なユートラムシリーズもまた間違いなく鹿児島市電名物ですね。

ところで、後に出た『ユートラムⅡ』の車幅はとても大きく見えませんか?

鹿児島市交通局のデータを見ると、両者とも幅は2,470mmと同じだそうですよ。
いくら軌道の幅が決まっているとは言え、少しは大きいと思ったんですけど、いわゆる「デザインの妙」というやつでしょうか?!

 

鹿児島中央駅では九州新幹線の開業にあわせて路面電車の乗り場も近くに!

はじめ「鹿児島中央」と聞いて、ピンときませんでした。

なんてことない、元「西鹿児島」なんですね。
九州新幹線の開業を機に駅名が変わったことは、関東在住の私としては長いこと気付きませんでした。

でも、個人的には「西鹿児島」の方がシックリきます。
なぜなら、東京発のブルートレイン「はやぶさ」の行き先だったから!

さらに言えば、この「はやぶさ」だって東北新幹線じゃなくブルートレインのイメージが拭えません!

・・・すみません、取り乱しました。

この鹿児島中央駅にも市電の電停があるのですが、以前は駅前の太い通りの中央に電停がありました。

そのような状態だと、道路の半分を(と言っても何車線も)渡る必要があります。

しかし、駅名変更と同じく新幹線の開業に伴い、利便性の向上を図るべく通りの駅側に電停が移設されました。

確かに利便性は向上したとは思いますが、JR線からタクシープールなどを経て電停に辿り着くという長い動線は、まだまだ改良の余地がありそうです。

富山駅のように、駅構内に電停が設置されることも期待たいところであります!

 

 

市民の市民による市民のための路面電車!鹿児島市電の存在

レトロな車両に超低床車両、芝刈電車に散水電車、、、
鹿児島市電は車両が非常に特徴的ですが、それよりも目を見張るのが「軌道の緑化」「バッテリー走行の実験」など、様々な取り組みではないでしょうか。

この鹿児島市電の実験および実験精神は、路面電車が走っている他の各都市にとっても、参考かつ刺激になること間違いなし!

また、黒字経営という面も重要で、これは市民にとって欠かせない公共交通である何よりの証拠ではないでしょうか。

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旅の最中に路面電車に遭遇すると、なぜかテンションが上がります。

そういう意味では観光資源の役割もありますが、やはりそこに住む市民の足として成り立つことこそ、市電の存在理由というもんです。

LRT(ライトレール)の世界的評価は、当然の流れといったところでしょうか。

 

jp

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