2016.01.07 選挙

止まらない選挙での投票率低下、その原因は公職選挙法にあり

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投票率低下の原因は「選挙制度」そのものにある

最近、選挙のたびごとに必ず低い投票率が問題視されます。

たしかに「選挙」というものは、民主主義を成り立たせる基本となっているものです。

主権者である全ての有権者が投票権を得て、投票によって私たちに代わって政治を行う代表者を選び希望や願い託す、と同時に、選ばれた代表者をチェックする、それが民主主義における「選挙」です。

代表者である政治家へのチェック機能がうまく働かなければ、その政治家達の暴走を招き、その結果、政治が権力者達の思いのままにされてしまいます。

まさに今の日本の国政は、この状態に陥ってしまっているといっていいでしょう。

連日のように報道されている、裏金であったり、税金の無駄遣いであったり、年金・医療など社会保障制度の不公正であったり、こういったことがまかり通るのも選挙でのチェック機能の不全が原因といえるでしょう。

こういうことが積み重なって、私たちの生活が圧迫されて、政治への不信や選挙制度への不信になってしまっているのです。

 

日本の民主主義を脅かす低投票率

これらの政治不信は、低い投票率によって生み出されてしまっているのです。

選挙はいわゆる少数の「組織票」と大多数の「無党派層」のせめぎあいでもあります。

既得権益や利権で選挙を我が物にしようとしている組織票にブレーキかけるのが無党派層の力なのですが、投票率が低ければ、組織的な集票力に勝る少数意見のみが選挙結果に反映されて、大多数の国民の意見が反映されないことになってしまいます。

そして、また国民の政治不信や選挙不信につながるという負の連鎖になってしまっているのです。

低い投票率というのが、日本の国政にとって大変な危険な状態であるということはすぐにわかると思います。

 

そもそも投票率が低いのは、公職選挙法の規定の問題?!

この問題の根源は、公職選挙法の規定にあると思われます。

公職選挙法第95条に当選人の定義が書いてあります。

それによると、

『衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、有効投票の最多数を得た者をもつて当選人とする。ただし、次の各号の区分による得票がなければならない。』

とありますから、投票率ではなく、有効投票数で選挙の成否を決めている事になります。

それに加え、日本の公職選挙法は最低投票率についての規定がありません、つまり、どれだけ低い投票率でも選挙は有効に成立することになります。

今まで投票率が低くて無効になったという話は聞いたことがありませんから、おそらくは0%でない限り有効になってしまうのでしょう。

ですが、これは明らかに民主主義にとってイレギュラーな状態です。

なぜなら、主権者の意が選挙結果に反映されてはいないからです。

主権者の声が投票率ですから、投票率で選挙成立を決めるのが筋ではないでしょうか。

今の公職選挙法は、投票率を軽視しているとしか言えません。

 

投票率の向上を目指すのが世界のトレンド

世界の先進国では、投票率をいかに上げようかと様々な工夫をしています。欧米の諸国では登録制を取ったり、選挙不参加者に対して罰則措置を取ったりといろいろな対応をしています。

それというのも、「投票率=民意」が民主主義の原点である事が身に染みているからです。

しかし、日本の公職選挙法はそういった世界の潮流に逆行しているとしか思われません。

もし、公職選挙法で「最低投票率」を規定することが出来れば、投票率の引き上げを前提として、政治や社会や教育が変わって行くはずです。

これは、低投票率を変える大きな一手になるのではないでしょうか。

 

18歳選挙権を受けて投票率向上に向けた新たな動きが

とはいえ、法律を変えるとなれば様々な困難が待ち受けているのは確かです。

だからこそ、わが国の国政の危機的状況を打開する為に、「どうしたら投票率を上げることができるのか?」身近なところから考え、変えていくことが必要です。

そんな中、2016年夏の参院選から、選挙権が「18歳以上」に引き下げられる見通しとなっています。

現在の選挙制度では転居後、選挙まで3か月以上住んでいないと新しい住所では投票できないようです。

その場合は以前住んでいた自治体で投票するしかありません。

これは、選挙のときだけ住民票を移すという不正行為を防ぐためのやむを得ない措置ともいえます。

それを踏まえ、議員立法による公選法改正案で、進学や就職、保護者の転勤などで転居した若者が新旧どちらの住所地でも投票できないケースを解消する措置を講じる方針を示しました

こうしたいわば「住民票主義」のようなシステムを正し、実際に生活している自治体において投票行動が可能になるように法律を改正するだけでも、若者の投票率は随分と変わってくるでしょう。

 

 

※希望日本研究所 第8研究室

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