2015.07.03 村上春樹

「ねじまき鳥クロニクル」村上春樹作品にでてくるレシピ

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「ねじまき鳥クロニクル」長編3部作(新潮社)

村上春樹さん、8作目の大長編小説。

  • 第1部 泥棒かささぎ編
  • 第2部 予言する鳥編
  • 第3部 鳥刺し男編

3部構成になっている。

1991年、村上春樹さんが米国プリンストン大学に客員研究員として招聘された際、滞在1年目に1部「泥棒かささぎ編」と2部「予言する鳥編」が執筆され1994年に出版、第3部「鳥刺し男編」は1995年に出版された。

そして1995年に第47回読売文学賞を授賞した。

 

 

cat

主人公の岡田亨は現在無職、30歳で身長173cm、体重63kg。

1984年6月から1986年の冬におきた物語。

岡田は、雑誌編集者として働く「クミコ」と猫と世田谷の家に住み、家事や水泳を好む。

ある日突然、猫が失踪する。この猫の失踪が物語の始まりで、全ての問題の始まりでもある。

猫の失踪の後、クミコは僕に何も言わずに姿を消してしまう。

岡田は「クミコ」の兄「綿谷昇」、いつも赤いビニールの帽子をかぶり水を扱う占い師「加納マルタ」その姉の「加納クレタ」と出会う。

本田伍長伍長、間宮中尉、皮はぎボリスを通して戦争、紛争、暴力を体験する。

 

ラジオ

ラジオ

岡田がFMラジオをつけると、静かで怪しい曲、ロベルト・シューマンのピアノ独奏曲集「森の情景」第7曲「予言する鳥」が流れる。

 

昼食の準備をしていると電話のベルが鳴る。

電話を無視してサンドウィッチに包丁を入れる。

トマトとチーズをはさんだサンドウィッチに。

あきらめて電話をとる。

 

【トマトとチーズのサンドウィッチ】(「ねじまき鳥クロニクル第1部」)

チーズ

チーズ

  1. トマトをおよそ1cmくらいの厚さに切り、水気を切ります。
  2. パンの片側にバターを塗り、その上にマスタードを塗ります。
  3. 薄切りのトマトをのせ、チェダーチーズをのせます。
  4. 3をアルミホイルで包み、オーブントースターで6分〜8分くらい焼きます。(時間の目安はチーズがとろける程度)
  5. サンドウィッチをお好みで半分に切ります。

 

家出なのか事故なのか、妻の「クミコ」が失踪。

「僕」は「何かの目標に向けて、とりあえずからだを動かす必要があった」ので昼食用にトマト・ソースのスパゲッティを作ることにする。

FM放送を聴きながら。

Tomato

Tomato

 

【トマト・ソースのスパゲッティ】(「ねじまき鳥クロニクル第2部」)

  1. 玉ねぎとにんにくをみじん切りにします。
  2. トマトは種をとり、1cm〜2cmくらいに切り水分をとります。
  3. 深鍋でお湯を湧かし、沸騰したら塩、オリーブオイル数滴入れます。
  4. スパゲッティをアルデンテにゆでます。
  5. フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを入れ炒めます。
  6. 玉ねぎがうっすらと茶色になったらトマトを入れます。
  7. トマトに軽く火が通ると、ゆでたスパゲッティを入れ、全体をからませます。
  8. 皿に盛ります。
pasta

pasta

 

失業した主人公の岡田亨。

妻の帰りを待ちながら晩ご飯の支度をする。

独身時代によく作った中華炒め。

仕上げにビールをかけるのがコツという。

ビール

ビール

 

【牛肉と玉ねぎとピーマンの炒めもの】(「ねじまき鳥クロニクル第1部」)

  1. 牛肉は幅3cmに切ります。
  2. 玉ねぎとピーマンが縦に5mm幅に細切りにします。
  3. 中華鍋を火にかけ、ごま油をしき、さらに熱します。
  4. 3に強火で牛肉を炒めます。
  5. 火が半分通り始めてきたら、2を入れ一緒に炒めます。
  6. 全体に油がまわってきたら、塩、コショウ、しょう油の順に味を調えます
  7. ビールを軽くかけます。
  8. 皿に熱いうちに盛りつけ食べます。

 

「ねじまき鳥」は本当に存在するのか?

学術的には、存在しない。

物語では、ねじまき鳥は、ある日「僕」の家の庭でギイイイイッという規則的な声で鳴いていた。

まるでねじを巻く音のように聞こえたので、「クミコ」がねじまき鳥と名づけた。

また、「僕」はこう説明している。

「ねじまき鳥は実在する鳥なんだ。どんな格好をしているかは、僕も知らない。僕も実際にその姿を見たことはないからね。声だけしか聞いたことがない。ねじまき鳥はその辺の木の枝にとまってちょっとずつ世界のねじを巻くんだ。ぎりぎりという音を立ててねじを巻くんだよ。ねじまき鳥がねじを巻かないと、世界が動かないんだ。でも誰もそんなことは知らない。世の中の人々はみんなもっと立派で複雑で巨大な装置がしっかりと世界を動かしていると思っている。でもそんなことはない。本当はねじまき鳥がいろんな場所に行って、行く先々でちょっとずつ小さなねじを巻いて世界を動かしているんだよ。それはぜんまい式のおもちゃについているような、簡単なねじなんだ。ただそのねじを巻けばいい。でもそのねじはねじまき鳥にしか見えない。」

(「ねじまき鳥クロニクル」第二部より)

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「ねじまき鳥クロニクル」の中の暴力と皮剝ぎシーン

「ねじまき鳥クロニクル」は、1991年、村上春樹さんが滞在先の米国で第1部と第2部を執筆した。

「当初、この作品は、未完と断ることなく最初の2部が同時刊行され、そのまま完成作として受け取られたが、1年4ヶ月後に第3部が出て、最終的に3部構成で完結した。このことについては作者は、第2部までの作品と第3部までを加えた作品は、2つの独立した作品と考えてもらってもよい、と言っている」(加藤典洋編『村上春樹 イエローページ』荒地出版、1996年)

第3部が出版されるまで4年半の月日が費やされ、村上春樹さんの小説では初めて絶対的で巨大な「暴力」、根源的な「悪」を扱っている。

「生きた人間の皮を剥ぐ」というすざましい、ショッキングなシーンもでてくる。

ロシア人将校が山本にした行為は、相手に限りない苦痛を与え、その苦痛に喜びを感じる暴力だった。

人間が行う暴力として、究極的なものではないだろうか。

「僕」は暴力的なものに対してとことん戦い、妻を取り戻そうとする。

 

「ねじまき鳥クロニクル」の中の名言集

  • 「実のところ去年の夏にねじまき鳥さんとわかれて以来、私はそのときのことを思いかえしては、猫が雨降りを眺めるみたいにあれこれと考えつづけてきました。」
  • 「世界人類が平和でありますように」
  • 「今は夜中の二時半です。まわりの人たちは材木みたいにぐっすりと眠っています。」
  • 「十代の女の子の部屋というよりは、誰かが善意で設計した初級犯罪者向けの刑務所のモデルルームみたいだな。
  • 「両方の頬はげっそりと落ち込んでいたし、髪は少し伸びすぎていた。まるで少し前に息を吹きかえし、土を掘りかえして墓場からはい出してきた新品の死体みたいだ。」

 

ねこ

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