2015.07.18 選挙

投票しないと損をする?!「選挙に行かない」という選択があなたにもたらす影響

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選挙に行かないと、損するって知ってましたか?

昨今、低い投票率が大きな社会問題となっています。

ここ数回の国政選挙でも、約4割の有権者が選挙を棄権している状況です。投票率の低さが問題とはいっても、あまりピンとこないかと思います。

そこで、選挙に行かないという選択によって、一体どんな影響があるのかを説明してみたいと思います。

 

20代の投票率が長らく低迷している

特に若い世代での投票率は、年々低下傾向にあります。

投票率というのは、有権者全体のうち投票した人の割合を表すもので、政治への関心の度合いがわかる数字と言われています。

全国的に、投票率は年々低下する傾向にあり、選挙のたびごとに話題となっています。

グラフを見てもわかる通り、投票率は年々右肩下がりの推移を続けています。

特に20代の投票率の低下が深刻で、60代の投票率の半分以下にとどまっているようです。

一時はネット選挙の解禁により「若い世代の投票率が大きく向上する」といった見かたがあったものの、そもそも、有権者の関心を巻き起こすような争点や、注目される候補者が出てこない限り、投票率を上げる契機とはなっていません。

そして、年齢が高くなるほど、投票は「国民の義務」であると考える人の割合が大きくなり、したがって投票率が大きくなる傾向です。

一方、その反対に年齢が低いほど、投票は「個人の自由」だと考える者の割合が大きくなり、その結果、棄権する人の割合が大きく投票率の低下につながっているのです。

 

よく言われる4つの台詞が、投票率が下がる理由になっている

ではなぜ20代の投票率が低いのでしょうか?

若い世代の有権者の投票率が低いのは、他の世代に比べて、政治への関心・投票への義務感・投票の有効性の低さがその原因だといわれています。

例えば、衆議院の総選挙における20歳代の投票率は全体の投票率に比べ、昭和50年代では10ポイントほど低かった程度ですが、その差は徐々に拡大し、現在は20ポイントほどの差になっています。

それに加え、選挙の投票に対する関心の優先度が低いこともその理由となっています。

よく、アンケートなどで言われているのが次のような台詞です。

①「政治に実感がわかない」

政治と自分の生活とが密接に関わっているという実感がわかないところにあります。

その国で生活している限り政治と生活は密接に関係はしています、とはいえ、消費税などの各種税金、教育制度、安全に暮らすための政策など、それらの変化が自分たちの生活にどう関わるかの実感がわかないという人も若い世代には多いのです。

②「自分一人が投票に行っても、行かなくても何も変わらない」

選挙では、自分の選挙区において数万、数十万票と票が入るので、自分ひとりが投票してもしなくても、何も変わらないと考える若者も多いようです。

③「誰にも期待できない」「政治家を信用できない」

政治とお金の問題、国会での政治ショーなどが連日ニュースなどで報じられることから、政治への不信へとつながり、投票に行かないとする若者が多いようです。

④「他にやることがある」「別の予定が入っている」

投票日にすでに予定があって投票に行けないという声もあります。投票日は通常日曜日に設定されているため、レジャーやそのほか平日にできない用事を済ませたいと思っている人がほとんでしょう。

とはいえ、期日前投票という制度が一般的となっている今、それはあまり言い訳にはならないかもしれません。

 

では、選挙に行かないとどうなるか?そのツケは?

【1】投票率が高い高齢者に向けたの政策だけが選ばれる

政治家というのは、当然のことですが自分を支持し、投票してくれる人達を重視します。

自分の所属する政党の優勢を伝える各報道機関の世論調査を受けて、投票率が低くなることを期待するような発言をした政治家も過去にいました。

政治家とはいえ人間ですから、自分の組織票さえ獲得できればあとの人たちには投票に来てほしくない、という考えを持った政治家もいるかと思います。

だから、「選挙に若者は来ない」という明確なデータがあれば、当然、政治家は選挙に来る人々(特に高齢者)を優先し、そういった人々に向けた政策だけを訴えるようになります。

となれば、これからの国を担う若者への利益は後回しとなってしまいます。

 

【2】投票率が1%下がると、若者は1人当たり年間13万5,000円も損している!

東北大学大学院経済学研究科の経済学部加齢経済ゼミナールの学生らが、1967年からの衆・参国政選挙の年齢別投票率と国の予算の統計を収集し、両者の関係を分析しました。

「若年世代は 1%の投票棄権でおよそ 13万5千円の損!?」

その調査によると、若い世代(20歳から49歳まで)の投票率が低下することによって、国債の発行額が増加し社会保障支出も若者世代よりも高齢世代に多く配分されていたことが分かりました。

高齢者向けの政策が増えることによって、「高齢世代1人あたりの年金などの高齢者向け給付」が「若年世代1人あたりの児童手当などとの家族給付の額」に対して5万9800円増加、さらに国債の新規発行額が7万5300円増加し、合わせてなんと、13万5000円もの損をしているとの分析結果が発表されています。

この研究報告によると、この損失は『政治に参加しなかったことによるペナルティー』であり、目に見えない『政治不参加税』ともいえるとしています。

このように分かりやすい不利益があるのだから、もう選挙に行かない理由はないでしょう。

東北大学経済学部・大学院経済学研究科、加齢経済学・高齢経済社会研究センターのホームページ

 

選挙に行かない人も実は投票している?!

各種団体(労働組合、利益団体、宗教団体)などの組織が元となって特定の候補や政党に投票する票のことを「組織票」といいます。

「選挙に行かない」という選択は、団結力の強い組織をバックに持つ候補者を有利にしてしまい、結果としてそういった候補者を応援していることと同じことなのです。

組織力が強い公明党などが、相対的に有利になるとの指摘があるほか、無党派層の中の政権批判票が棄権に回ることで、政権与党に有利に作用するとの指摘もあります。

つまり、投票率が低いと現職の多い与党や組合や労働団体、宗教組織などの組織票を多く持つ政党が有利になるのです。

よって、有権者が投票に行かないことで「損をする」のは、政治家ではなく有権者自身なのです。

逆に、投票率が低くなることで「得をする」のは、強い組織力をもった既得権者です。

 

投票に行かない人には、政治に対する文句を言う権利はない?!

例えば、誰しも税金が上がり生活が苦しくなった、会社が残業代を払ってくれない、子供を保育園に預けたくても預けられない…というような日常の不満があると思います。

これらはみんな、もしかしたら「投票に行かなかった」という選択をした結果なのかもしれません。

今行われている政治・政策で棄権が増えるとするなら、与党勢力はより一層、棄権が増えるような政治を行うことが考えられます。

自らの意思を「棄権」の形で示してくれる人が増えるということは、選挙に強い固定票の多い政治家にとっては票の計算がしやすくなり、むしろ好都合なのです。

 

若い世代の投票率が上がることで政策は変わり得る!

今の政治は投票の多い高齢者を優先しがちと言われています。

だからこそ、今まで投票に行かなかった若い世代の人たちが投票に行くことで政治は変わるかもしれません。

一般的に、与党に投票する事は「現在の政治を容認する事」の意思表示となり、野党に投票する事は「現在の政治を容認しない事」の意思表示になります。

それに対し、棄権をするという事は「今後も政治家が何をやろうとお任せします」という意思表示になってしまうのです。

選挙というのは、「最もよい」選択をするものではなく、むしろ、その時々にリアルタイムで「よりよい」選択をする事が大事なのです。

ですから、投票に行かなかったり、無効票を投じるのは全く無駄な行為ともいえます。

「投票したい」と思う候補者が誰一人いなくても、その中で一番「マシだ」と思う人に投票をすることが大事なことなのです。

 

※希望日本研究所 第8研究室

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