2016.01.08 選挙

こんなに違う選挙制度、制度の違いで投票率にこれほど影響が!? ~イギリスと日本の事例を比較~

7
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本とこうも違うイギリスの総選挙、投票率の違いも浮き彫りに!

2015年5月7日(木曜日)、イギリス議会の総選挙が実施されました。

2010年5月の総選挙以来、ほぼ5年ぶりに行われる選挙で下院(庶民院)の議員任期が満了したことに伴って行われます。

各種報道やWebでの情報などを見る限り、イギリスでの総選挙は当然のことながら、日本とはかなり異なる様相を呈しています。

 

投票日が平日、イギリスではそれが普通

まず、冒頭にあるように投票日が平日(木曜日)というところが異なっています。

日本では投票日といえば日曜日というのが通例というか常識のようになっています。これは平日には仕事や学校があるため、投票に行く時間がないであろうこと想定してのものです。

ではイギリスでは、というと投票所自体が朝の7時から夜の10時までの長時間にわたって投票所が開いているため、出勤前の時間や帰りの時間を利用して投票に行くことが出来るようになっています。

もちろん、平日が投票日ということで、職場によっては投票に行くのであれば仕事の合間に抜けたり、あるいは少しの遅刻をしても許される、という風潮もあるようです。

 

パブで投票できる?!

また、投票所の設置場所も異なります。日本では公立の小中学校や集会所、役所などが投票所として使われます。

一方、イギリスでは日本と同様に学校や集会施設なども投票所として使われていますが、そのほかにもレジャー施設、スポーツクラブ、パブや美容院などが投票所に使われているようです。

この辺りは文化・風土の違いもあるのでしょうが、午後10時まで投票所が開いているならば、投票のついでにパブで1杯……いや、2、3杯(?)飲んで帰るということもありそうですね。

 

政治家・政党の選挙運動にもこんなに違いが

そのほかにも、日本の選挙戦といえばおなじみの選挙カーやポスターの掲示板がイギリスの選挙戦においては存在せず、駅前や繁華街での候補者の街頭演説もないようです。

イギリスでの選挙活動の主体は戸別訪問とタウンミーティングや集会施設での演説・討論会などです。

候補者がマニフェストを持って家々を回って有権者と話し合いをするなど、日本ではありえないことですが、対面での話し合いを重視するイギリスならではの選挙活動となっています。

イギリスの議員は有権者とつながりを重視し、日頃から地元の人たちの相談を請け負ったり、陳情を受けて問題を解決すると言った地道な政治活動を行っています。

また、有権者の方でも日本よりもかなり気軽に議員に悩み相談や陳情を行ったりしているという事情もあります。

こうしたことからも分かる通り、イギリスの選挙活動というのは、日頃から地味にコツコツといった感じで行われています。

有権者の70%という日本より高い平均投票率を維持している秘訣はこれらに隠されているのかもしれません。

 

まだまだ日本にも投票率向上の余地はある!投票日と投票所を柔軟に!

そこで注目したいのが、投票日と投票所に関してです。

日本において投票所が設けられている小中学校や集会所というものは、活用している住民が限定され、全体からすればそれほど親しみのある施設とはいえません。

特に、引っ越しなどで転入して間もない30代~40代の住民にとっては、学校などはあまりなじみのないものです。

そのような人々にとっては学校や集会所、庁舎などは、「多くても年に数回、用のあるところ」にすぎないと思われます。

とある統計調査によれば、投票率事態は低くなっているものの、その一方で期日前投票者の割合は上昇傾向にあるという結果が出ています。

期日前投票へのニーズは次第に高まっているのです。

有権者が実際に投票に行く場合には、近所の集会施設に投票日に投票に行くことよりも、投票日である日曜日にとらわれず、何かのついでに期日前投票を利用しようとする傾向になっているのではないか、ということだと思います。

そのことから、期日前投票所の増設、とりわけ、駅やショッピングセンターなど身近なところへの設置は、投票率低下に歯止めをかけるのではないでしょうか。

現在、投票率向上へ向けての取り組みに積極的な自治体では、役所等の公的な場所以外での期日前投票所の設置の動きも進んでいます。

自治体によっては駅構内に投票所を設けたりしているほか、スーパー、ショッピングモール等に設置している例も見受けられます。

また、スーパーなどの自治体の所有地でない場所に投票所の設置を依頼する場合、相手側は宣伝効果を期待しておおむね好意的で、中には無償で貸してくれる事例も多いということです。

有権者の政治に対しての関心をそのまま「投票行動」に直結させられる、そのような投票のシステムにすることを目指して行くべきではないでしょうか。

 

 

※希望日本研究所 第8研究室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

選挙関連記事

選挙関連記事をすべて見る