2016.02.28 自転車

【まとめ】世界一の自転車先進国オランダは自転車専用レーンが当たり前!

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オランダ王国は自転車王国!!自転車専用レーンは質実剛健なダッチバイクだらけ

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自転車専用レーンが張り巡る国、オランダ。
この小さな国が世界一の自転車先進国と称されるほど自転車が盛んだということをご存知ですか?

チューリップや風車や運河はもちろん、街中で最も目立つのは自転車かもしれません!

テレビやネットで自転車先進国として紹介されるのは、大体がデンマークをはじめとする北欧諸国などで、なかなかオランダは取り上げられません・・・。

まず、自転車所有率が100%を超えるのは世界の中でもオランダだけ!
その数は実に約130%(2,200万台/1,685万人:平成26年)と、非常に高いです。

しかも、ただ台数が多いだけではないところが凄いのです。

日常の使用頻度も非常に高く、外出時の自転車使用率は約30%、毎日の通勤・通学時にいたっては約50%と、大雑把に言ってしまえば、オランダ人はどこへ行くにも自転車!

「オランダ人は自転車に乗って生まれてくる」なんて言われることにも納得ですね。

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【日本だってママチャリ王国だけど・・・】

わたしたち日本人にとっても自転車はとても身近な乗り物です。

日本全国における自転車所有率は約58%(7100万台/1億2700万人:平成25年)と、そこまで少ないわけではありません。

しかし、例えば東京23区内では、日々の自転車使用率は約14%と、持ってはいても普段あまり使われていないことがわかります。

この数字と比較すると、いかにオランダでの自転車使用頻度が高いかが明らかですね。

 

どうやってオランダは世界一の自転車先進国に?

話は半世紀前の1960年代に遡ります。

他の国々と同じく、この頃はオランダでもモータリゼーションが発展し、自動車が急増しました。
すると、それに伴い交通事故も増え、車にはねられて命を落とす人数が年間約3000人を超え、うち子供が15%も占める悲惨な事態までになりました。

すると、特に子を持つ親たちによって安全な自転車を見直す市民運動が起こり、さらには1973年のオイルショックも重なるなどして、オランダは自動車のための街づくりから脱することにしたのです。

こうして長い年月を経て、今の自転車先進国としてのオランダが確立されました。
ローマよろしく、アムステルダムも1日にして成らず!なのです。

 

今では、雨でも雪でもオランダ人は当たり前のようにフードを被って自転車に乗ります。

女王様も自転車で買い物に出かけると言われていますが、オランダ王室は非常にオープンなので、十分あり得ますね。

 

オランダでは自転車専用レーンが当たり前!

こうして世界一の自転車大国となったオランダでは、その自転車に関するインフラに目を見張るものがあります。

オランダの国土は九州とほぼ同じです。
その国土内に、自転車専用レーンが約35,000km(娯楽用の長距離サイクリングロードなど含む)も張り巡らされています。

基本的には車道と歩道の間に完全に分離された状態で設けられており、このお陰で歩行者と自転車と車とがそれぞれ独立して安全かつストレスフリーに行き来することができます。

完全な分離が困難な場合でも、車線や道路の色分けなどを施して自転車専用レーンはしっかり守られています。

いくつかの事例を見ていく前に、まずは日本の自転車専用レーンを見てましょう。

 

 

日本の自転車専用レーン(通行帯)の例

最近、車道の左側に青く塗られた自転車専用レーンを見かける機会が増えていませんか?

実は平成20年1月の時点で、国土交通省と警察庁が「自転車通行環境整備モデル地区」を全国の98地区で指定し、試験も含め実施していました。

 

【自転車通行環境に関するモデル98地区 市町村一覧】

北海道 札幌市,江別市,函館市,苫小牧市
青森県 青森市
岩手県 盛岡市,花巻市
宮城県 仙台市,石巻市
秋田県 秋田市,能代市
山形県 山形市
福島県 福島市,郡山市,会津若松市
茨城県 水戸市,つくば市
栃木県 宇都宮市
群馬県 安中市
埼玉県 さいたま市,熊谷市,三郷市
千葉県 千葉市,柏市
東京都 江東区,渋谷区,三鷹市,武蔵野市
神奈川県 横浜市,川崎市,相模原市,茅ヶ崎市
山梨県 甲府市
長野県 長野市,松本市
新潟県 新潟市,小千谷市
富山県 富山市
石川県 金沢市
岐阜県 岐阜市,大垣市
静岡県 静岡市,沼津市
愛知県 名古屋市,豊橋市,豊田市
三重県 津市
福井県 福井市,敦賀市
滋賀県 大津市,草津市
京都府 京都市,京田辺市,福知山市
大阪府 堺市
兵庫県 神戸市,尼崎市,西宮市
奈良県 奈良市,橿原市
和歌山県 和歌山市
鳥取県 鳥取市,米子市
島根県 松江市,出雲市
岡山県 岡山市
広島県 呉市,福山市
山口県 下関市,周南市
徳島県 徳島市
香川県 高松市,宇多津町
愛媛県 松山市,西条市
高知県 高知市
福岡県 福岡市,北九州市,福津市
佐賀県 佐賀市
長崎県 大村市
熊本県 熊本市
大分県 大分市
宮崎県 宮崎市,日向市
鹿児島県 鹿児島市
沖縄県 那覇市

by 国土交通省(平成20年1月)

 

決して国や自治体も動いていないわけではないのです!
しかも、全都道府県に最低1都市は取り上げられているのがわかります。

しかし、平成22年3月の時点で、全国の約120万kmの道路のうち、自転車道や自転車専用通行帯等の自動車や歩行者から分離された自転車通行空間の延長は、わずか約3,000kmです。

九州ほどの面積しかないオランダの国土に張り巡らされている自転車専用レーンが約35,000km以上ということを考えると、その差の大きさに唖然としてしまいます。

 

標識がヒドイ!!歩道の中に敷設されている自転車専用レーン

幅の広い歩道では、車道側半分が色分けされている自転車通行帯を目にすることがあります。

よっしゃ!ここを心置きなく自転車で突っ走るぜ!

と、自転車だけでなく調子にまで乗ってしまうと、実は痛い目をみるのです。
なぜか・・・?

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見てください標識を!
自転車通行帯なのに「歩行者優先」と書いてあるんです!

つまり、自転車自身もストレスフリーに走ることもできなければ、歩行者も自転車と接触する機会が減るわけでもないのです!!

これでは、一体何のためのインフラなのか疑問です。

さて、はたしてオランダはどうでしょうか?
見ていきましょう!

 

 

 オランダの自転車専用レーン(通行帯)の例

どうですか、この隙のないインフラ!
自転車専用レーンを作るというのはこういうことですよ!
歩道・自転車道・車道のそれぞれが完全に独立しています。

さらにポイントは、自転車専用レーンと車道との間に車1台分の幅のスペースが確保されていることです。

ここを駐車スペースや駐輪スペースにする他、バス停を設置することだってできます。
すると、自転車は車の交通事情に関係なく、専用レーンをノンストレスで走行することができるのです。

この「あらかじめ駐車帯のスペースを設けて、交通の邪魔になる路上駐車を避ける」手法は、まさに「あらかじめソフトドラッグを合法化して、ハードドラッグや闇市場を抑制する」オランダらしい?考え方とも言えますね?!

 

交差点の設計も素晴らしい!

自転車専用の信号機や一旦停止スペースの設置など、まるで車道かそれ以上に交差点の設計も非常に良く考えられており、実際に自転車で走行するとその使い勝手の良さに感動します。

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これだけでも、歩行者でもない車でもない「自転車」がしっかり市民権を得ていることがよく分かります。

しかし、これは何も自転車ユーザーだけのための優遇処置ではありません!
自動車や歩行者にとっても安全通行できるための最低限のインフラにすぎないのです!!

 

ウッカリ自転車専用レーンを歩いたりでもしたら…?!

独立されている自転車専用レーンも、初めてオランダを訪れた観光客などルールを知らない人にとっては、色の付いた歩道に見えてもおかしくありません。

とはいえ、誤って自転車専用レーンに侵入しようもんなら、高速で迫りくる自転車にベルを鳴らされたり文句を言われたり、ルールを知らない観光客に対しても全く容赦ありません!

ですが、これぞ自転車先進国としてのルールがしっかり確立されている証拠と言えるのではないでしょうか。

 

オランダ人が乗る自転車のサドルが高い理由

世界一平均身長が高いオランダ人は、それに従い自転車のサドルもかなり高いです。

しかし、これは彼らの背が高いからというわけでなく、その身長にしても高すぎやしないか?というくらいのレベルなのですが、もちろん、無理に高くしているわけではありません。

理由は単純明快で、より少ない労力で速く遠くまで移動するための効率の問題です。
さすが合理的なオランダ人!

あまりにも高い位置にサドルを設定するため、交差点などで停止するときは、大体サドルから前に降りるのがダッチスタイルになっています。

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【日本で自転車に乗る場合】

歩行者や車との接触を避けるため、特にママチャリなどは足がすぐ地面に着く高さで乗っている人が多いですが、せっかくの自転車の特性が活かしきれません。

ちなみに、ペダルが一番下の位置で膝がちょうど真っ直ぐ伸びるのが良いポジションの目安です。

 

【オランダで自転車に乗る場合】

自転車専用レーンのお陰で、日本のように咄嗟に止まらなければならない場面が比較的少ないため、スポーツバイクに限らず、一般的な街乗り自転車(ダッチバイク)でもビュンビュン飛ばしていきます。

これこそ、充実したインフラの賜物ではないでしょうか?!

 

 

自転車専用レーンは路上駐車レーン?!オランダでは考えられない日本の現状

車道の左側に自転車専用レーンを設けると、一番の問題が路上駐車による自転車通行の妨げです。

路上駐車を完全に排除しようとすると、一般車はともかく、物流を担う配送車などに多大な支障をきたすことになってしまい、正直この兼合いは難しいでしょう。

これはさすがに日本でもオランダでも抱える共通の問題だと思うのですが、自転車先進国オランダでは、何か手を打ってるに違いない!

ということで、路上駐車をどう回避しているのか、日蘭で比較してみましょう。

 

路上駐車が自転車の行く手を塞ぐ日本

ここは、東京都内の一般的な日本の自転車専用レーンです。
このように車道の左側がしっかり青くペイントされていれば、車もここを避けて通り、自転車も安心して走る事ができるハズです、、、が!!!

よく見ると、前に停まっているメルセデスが自転車の行く手を阻んでいます。
路上駐車の車を回避すべく、自転車は車道か歩道かに迂回しなければなりません。

これでは、せっかくの自転車専用レーンが全く機能していないようなものです!

では、このあたりの問題をオランダはどう避けているのでしょうか?

 

路上駐車が自転車の行く手が塞がれないオランダの自転車専用レーン

見てください!
なんと、荷物を搬出入する際のトラックが自転車専用レーンを塞がず車道に停車しているではありませんか!

はじめてこの写真を目にしたときの衝撃たるや・・・。
これ、日本ではありえないと思いませんか?!

まさに、ルールが徹底されているからこそインフラが活きる!最良の見本ではないでしょうか。

ただインフラを整備するだけでなく、ルールを周知徹底する必要性を痛感しました。

 

 

自転車専用レーンなんぞ序の口!オランダならではの斬新なインフラ

ここまでご紹介してきただけでもオランダの自転車に対するインフラが素晴らしいことがお分かりいただけたかと思います。

しかし、この自転車専用レーンや自転車専用信号などはド基本もド基本!
この他にもっと斬新で画期的でアッパレな驚きのインフラがあるので、ご紹介していきます。

他の欧州諸国ではともかく、少なくとも日本ではまずお目に掛かれないでしょう!

 

自転車専用のラウンドアバウトだと?!

欧米では十字路の交差点の代わりにラウンドアバウトを設けている例が多いですよね。
そして、今あなたは普通に車道をイメージしたかと思います。

しかしここはオランダ!なんと、自転車専用のが存在するから驚き!

何だかミニチュアみたいでかわいいラウンドアバウトですね。^^

これだけでも意外ですが、まだまだこんなものじゃない・・・
次にご紹介するのは、宙に浮くラウンドアバウトです!

日本のニュースサイトでも「オランダにUFO出現?!」などと取り上げられていました。

交通量が多い主要幹線道路同士の交差点では、どうしても車を流すことが優先的になりがちで、歩行者は横断するのに危険でもあるし時間もかかります。

そこで、歩道橋ならぬ自転車道橋を設けたわけです。
オランダだと、ここまで違うものが出来上がってしまうから不思議!

ちなみに、橋の裏面が照明になっているので、交差点自体がとても明るくなっています。
ぜひ上の動画もご覧ください!

この他にも、車道を跨ぐサイクルブリッジには、いろんな形態やデザインがあります。

この例でいうと、車道はラウンドアバウトですが、自転車専用レーンは地形を生かしたブリッジになっており、傾斜も緩やかで使い勝手はとても良さそうです。

自転車専用のインフラに回せる予算は国や自治体によって大きく差があるでしょう。
しかし、ここまで徹底すれば、自転車を優遇する云々ではなく、単純にランドスケープデザインとしての役割も大きく、町全体が豊かな気分になりそうですね。

 

ソーラーパネルを埋め込んだ世界初の自転車専用レーン

オランダでは2014年11月に、世界初となる太陽光発電機能を備えた自転車専用レーン、その名も「Sola Road(ソーラーロード)」が試験的に開通しました。

表面に厚さ1cmの特殊なガラスを設置し、その下に太陽電池をセットする仕組みです。
ガラスの表面は、光を多く取り入れるため汚れが付着しにくく、また自転車が安全に走行できるため滑りにくく加工されています。

2.5×3.5mのユニットが基本パーツとなっており、それを現地で組み合わせながら敷き詰めていく施工方法で、さながらツーバイフォーの住宅のように簡単に設置できます。

まだまだ試験を兼ねた段階ではあるものの、自転車専用レーンに取り入れるというところが、いかにもダッチですね!

 

光り輝く自転車専用レーン!その名も「ファンゴッホサイクルパス」

オランダ生まれの画家と言えば、フィンセント・ファン・ゴッホ大先生!

ゴッホの名作はたくさんありますが、その中の「星月夜」という作品をモチーフに作られた自転車専用レーンがあるのです。
その名も「Van Gogh cycle path」!!

場所は1883~1885年にゴッホが住んでいた所に近く、ゴッホに関連した旧跡をつないでいます。

発行塗料が塗られた石(のようなもの)が路面いっぱいに埋め込まれており、日中に太陽の光をたっぷり吸収した石(のようなもの)たちは、夜になるとキラキラと輝き出します。

周囲は街灯や建物が少なく余計な明かりがない場所なので、この光る「ファンゴッホサイクルパス」だけが幻想的に浮かび上がります。

ガイド本に載っても良いと思うんだけど・・・ぶつぶつ。

 

 

自転車専用レーンの他にも注目すべきオランダらしい自転車事情

人より自転車の方が多い国、オランダ。

自転車専用レーンなどのインフラ児童期にしっかり教え込まれる自転車教育などが叩き込まれているため、自転車はオランダを象徴する文化にさえなっていると言っても過言ではありません。

他の国と同じく、オランダとて自転車に関する課題が一切ないわけではありません。
大きく分けて2つ、駐輪場不足盗難の問題を抱えています。

この辺りの現実からも目を背けず、もっとローカルな視点でオランダの自転車事情を見ていきましょう。

 

自転車ごと電車に?!オランダでは日常茶飯事

列車の扉に自転車のマークが付いている車両には、自転車を折りたたまずそのまま持ち込むことができます。

平日のピーク時やラッシュ時(朝7:00~9:00/夕方16:00~18:30)は例外ですが、通常は国鉄で6ユーロ、アムステルダム市内の地下鉄では1.5ユーロの追加料金を払うだけでOK!

しかも、この例外の時間帯であっても、車内にスペースがあれば、特に問題なく自転車を持ち込めるとのこと。
この寛容さもまた、オランダらしさです!

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ちなみに、日本でも鉄道会社によるサイクルトレインが実施されることがあります。

しかし、これはあくまでイベントの一環などであって、日常(特に通勤ラッシュ時)では決して考えられないですね。

 

さすがオランダ!船にも自転車持ち込みOK!

オランダと言えば風車やチューリップに加え、やはり運河!
国土の4分の1が海面下のオランダでは、船やフェリーも日常の交通手段の1つです。

アムステルダム中央駅の北側からは、目と鼻の先の対岸までの定期船が出ており、人々は自転車と一緒に乗船することができます。
しかも無料というから驚きです!

この定期船は10~15分間隔で運行しており、乗船所には相棒の自転車と次の便を待つ人でいつも賑わっています。

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大都市の駅前に浮かぶ巨大な駐輪場

アムステルダム中央駅は、修復が終わった東京駅のモデルとしても有名です。

その駅前には、約2,500台も収容可能な巨大な駐輪場(100m×14m)が運河の上に設けられており、アムステルダムに着いて早々に、オランダが自転車大国であることを実感することができます。

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日本でいうところの東京駅や新宿駅といった巨大ターミナル駅・・・
それらの駅前にこの規模の駐輪場が建設されることなど、まったく想像できませんよね。

また、駅の反対側には、オランダらしく船型の駐輪場も用意されている他、エスカレーター付の地下駐輪場や自転車修理店とセットになっている駐輪場など、色々形で数多く点在しています。

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それでも、自転車の台数は年々増加しており、アムステルダム市でさえ駐輪場不足に悩まされているとのことです。
自転車先進国として今後どう解決していくのか、楽しみですね。

 

アムステルダムは街全体が駐輪場?

というと語弊がありますが、街中にはオランダ名物の運河が張り巡らされているため、そこら中に柵が設置されています。

この運河沿いの柵が半ば駐輪場のような役割となっており、そこかしこにビッシリ自転車が頑丈なカギで括りつけられています。

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特に駐輪禁止の区域ではなければ、撤去されることはありません。

その代り、禁止区域に停めてしまうと、まず警告の札が貼られ、いずれ時間が経つと郊外の集積場にドナドナされてしまいます。
そして自分の自転車を取り戻すには数十ユーロを支払う必要があり、このあたりは日本と同じです。

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自転車にバイク用の太いチェーンキー?!

オランダ人は自転車を停める際に、必ずと言っていいほど、バイク用のような極太のチェーンキーを用いて、運河の柵など造作物に巻き付けています。

これも、タイヤとフレームと柵とを繋げないと意味がありません。
タイヤと柵だけだと、タイヤだけ残されて本体が持っていかれ、フレームと柵だけだと、タイヤやその他のパーツが持っていかれ、、、相棒が残念な姿で取り残されてしまうのです。

もちろん、頑丈に施錠したところで絶対に盗まれないというわけではないので、自治体も頭を抱えている最大の課題となっています。

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ちなみに、自転車ラッシュ時に「それ私の自転車っ!」と適当に叫ぶと、何人かは慌てて自転車から降りて逃げるという逸話も、オランダならでは!

運河の底にも大量の自転車が沈んでいて、年に数回ゴッソリかき出すそうです。

 

盗難が多い理由は、自転車が高価だから!?

日本では年間約40万台の自転車が盗難されています。
実に1日あたり1000台以上・・・とんでもない数ですね。

ところが、自転車の総台数が3分の1以下のオランダでは、年間盗難台数が約75~90万台と、皮肉なことに、世界トップクラスの自転車先進国を誇るオランダでは、その盗難数もまたトップクラスなのです。

しかし、これはただ治安が悪いからというわけではないようです・・・!

 

【オランダの自転車市場】

オランダ国内の新品自転車の平均販売価格(2013年)は790ユーロと、非常に高価です。

しかし、これは量販店などを含めた全体の平均であって、自転車専門店だけに限った統計だと、990ユーロを超えます。
日本円に換算すると10万円以上・・・。

それでも約7割のオランダ人は、割高でも信頼のおける自転車専門店で自転車を購入するということで、これぞ良い物を長く使い続けるオランダ人ならではですね。

 

【日本の自転車市場】

ちなみに、日本における自転車平均価格は約5万円です。
1万円以下でママチャリが買えるため、正直この数字は意外でした。

昨今の自転車ブームによるスポーツバイクの増加に加え、今では生産台数の大半を占める電動アシスト車(約37万台:平成26年1~9月)が平均価格をグンと上げている結果です。

 

オランダの自転車所有率が100%を超える理由

オランダ人にとっても、平均10万円もする自転車は決して安い買い物ではありません。

なので、普段は盗まれても仕方ない中古のダッチバイクなどに乗り、休日や遠出するときは新車のクロスバイクや電動アシスト自転車などに乗るというスタイルで、2台を使い分けている人が一般的です。

これが「オランダは国民より自転車の方が多い」理由となります。

 

オランダ人にとって自転車は長年連れ添う相棒

新車市場と中古車市場の割合は6対4と、中古車市場が大きいのも非常に特徴的です。

いわゆる週末用の高価な自転車は室内で大事に保管されているため、街角で見る機会は少ないと思います。

それゆえ、オランダ人みんながみんなボロボロのダッチバイクに乗っているように見えるわけですが、それもあながち間違ってはいません。

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何十年と経ったボロボロの自転車でも、オランダ人は手を加え愛情を注ぎ乗り続けます。

すぐ新しい物に買い替える日本人とは対照的に、オランダ人は祖父母や両親から譲り受けた自転車を誇りをもって大切に乗っています。

 

【自転車の価値が日本とオランダとで違いすぎる】

日本では、1万円以下で買えるママチャリを半ば「消耗品」として扱ったり、はたまた「趣向品」として高いスポーツバイクを趣味として楽しんだりと、どこか両極端です。

一方オランダでは、日常的に長年連れ添う「相棒」として、質実剛健な自転車を大事に何十年と乗り続けるスタイルが一般的です。

それだけ自転車が日常から切っても切り離せなくなっているのは、交通手段として便利なのはもちろん、ストレスフリーに乗る事ができるインフラの力も大きいのではないでしょうか?

何だかそんな気がしてなりません。

 

 

通称『ダッチバイク』!!質実剛健なオランダの実用自転車

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オランダの街中に溢れているクラシカルな自転車、ダッチバイク

フロントの砲弾型ライトが愛くるしい表情を見せますが、この重厚感ある質実剛健なスチール製のフレームは20kg近くあります。

軽さを競うスポーツバイクとは真逆ですが、この重量のおかげで直進安定性は非常に優れており、スピードに乗ってしまえばとても速くとても快適です。

さながら、古き良き一昔前のドイツ車といったところでしょうか?!

 

オランダの自転車はブレーキが付いてない?!

ダッチバイクはパッと見、ブレーキが付いていないように見えます。

実はこれ、あながち間違っておらず、そのように見える自転車は実際に前輪ブレーキが付いていないモデルです。

しかし、ピストバイクのようにブレーキが全く付いていないわけではなく、後輪には足で操作するフットブレーキ(コースターブレーキ)が搭載されています。

握力の弱い子供やお年寄りでも安全に操作できるメリットがあり、日本では馴染みがありませんが、オランダでは広く一般的なブレーキです。

また、多くの自転車はギアも付いていないため、ハンドル周りにケーブル類が1本もなく非常にシンプルに見えるのも、ダッチバイクの大きな特徴の1つです。

 

愛称は『おばあちゃん自転車』

【オマ・フィッツ】おばあちゃん自転車

ダッチバイクは「オマ・フィッツ」という愛称で呼ばれることが多く、直訳すると「おばあちゃん自転車」という意味になります。

これは、トップチューブが下がっている伝統のフレームを指し、まさに「お年を召した女性やスカートをはいた女性でも乗り降りしやすい」というのが由来です。

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とはいえ、特に女性用というわけではないので、もちろん男性でも乗ることができますし、本国オランダでもオマ・フィッツに乗る男性の姿を普通に見かけます。

 

【オパ・フィッツ】おじいちゃん自転車

これに対して、トップチューブが水平のタイプは「オパ・フィッツ」という愛称で、その意味はもちろん「おじいちゃん自転車」です。

ごく稀にオランダでは女性が乗っている姿も見かけますが、足が長いオランダ人女性だからこそ乗りこなせる業ですね。

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ドレスアップして自転車に乗るオランダ人

オランダ人にとって自転車は、決して庶民の乗り物ではなく、非常に効率的かつ合理的な乗り物です。

レストランに行くにしてもクラシックコンサートに行くにしても、オランダ人はドレスアップしても普通に自転車で出かけます。

これは昔から変わらぬスタイルで、実際にチェーンケースでチェーン全体が覆われており、後輪にはその名の通りドレスガードが装備されており、お召し物が汚れないようなパーツが標準で装備されています。

特にチェーンケースに関しては、雨風からチェーンのダメージを防ぐ役割もあるため、まさに一石二鳥!

 

自分だけのオリジナル自転車!オランダ流のカスタム

伝統的なダッチバイクは、どこのメーカーもフレームの基本デザインはほぼ同じで、かつ黒という色も特徴の1つです。

そのため、駐輪場や街中に自分の自転車を停めておいたら、見つけるのにも一苦労。

そこで人々は、自分の手で愛車に装飾を加えていきます。
もちろん個性のアピールも兼ねて!

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スプレーでオリジナルのペイントをしたり、カラフルなビニールテープをフレームに巻いたり、造花でハンドル周り彩ったり、それぞれ趣向を凝らしています。

オランダではこうした個性的な自転車を見ることができ、とても面白いです。

 

前カゴの代わりにリアバッグ

街乗りのダッチバイクは、運搬車・実用車でもあります。

そのため、リアにはキャリアが標準装備されており、多くのオランダ人はそこにお気に入りのリアバッグを装着しています。

左右あわせて約40~50リットルもある大容量なので、スーパーで買い物した荷物などもそのままスッポリ収納できる優れものです。
もちろん素材に関係なく防水加工されています!

日本では滅多に見かけないスタイルですが、前カゴを使わず荷物を全部リアに積むことで、その機能性だけでなく、ハンドル操作の安全性にも一役買う結果となっています。

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ちなみにこの写真の女性、リアバッグサドルカバーをお揃いのドット柄でコーディネートしているのに気づかれましたか?!
オランダでは自転車もファッションの一部であり、個性を出すアイテムなのです!

こうしてデザインも多種多様なので、一目で自分の自転車を見つけ出すのにも役立ちます。

 

盗難防止にもつながる自転車のカスタム

車体にペイントしたり個性的なバッグを装着したりするなどして自分の相棒(自転車)を目立たせることは、それ自身を楽しむこと以上に、一見で持ち主がわかるため(わかりやすいため)、盗難被害の抑制にも役に立っているとのこと。

というのも、日本でも年間約40万台が盗難されていますが、総台数が3分の1以下のオランダでは年間約75~90万台と、皮肉なことに、自転車先進国のオランダではその盗難数もまたトップクラスなのです・・・。

 

 

ミッフィー(・×・)の故郷ユトレヒトでは生みの親であるディック・ブルーナ氏も自転車でアトリエ通い?!

 

アムステルダムから国鉄で30~40分の距離に位置するオランダ中部の街、ユトレヒト。
あの世界的に愛されているうさぎのキャラクター「ミッフィー」が生まれた町でもあります。

ちなみにミッフィーは今年で還暦です!(・×・)

オランダらしく運河も自転車専用レーンも張り巡らされている街ですが、特に運河は他の街に比べて一段低い位置にあるのが特徴です。

そして、その先には・・・!(・×・)

 

キュン死に確定!!ミッフィーミュージアム

ユトレヒト中央駅(現在大改装中)を降りて、塔や教会を眺めながら特徴的な一段低い運河沿いをしばらく歩くと、ミッフィーミュージアムこと「ディックブルーナハウス」に辿り着きます。

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外観はヨーロッパらしく落ち着いており、旗が掲げてある程度に留まっています。
看板など案内が控えめの街って景観を汚していないから素敵ですよね。

一方、建物の中は大人でも喜びそうな作りになっています!
実際に現地へ行った時も、ミュージアムは子供よりも大人の方が圧倒的に多く、世界中からのブルーナファンで賑わっていました。

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【ミッフィー展】開催中

2015年に誕生60周年(いわゆる還暦!)を迎えたミッフィー。

現在、日本ではこの節目の年に「ミッフィー展」が催されています。
まずは東京の銀座松屋を皮切りに(4/15~5/10)、名古屋・大阪・神戸・福岡と、全国を巡回する予定です。

シンプルな線と6つの色で全てを表現するディック・ブルーナ氏の世界をご堪能あれ!

ちなみに、銀座松屋の壁面には・・・!!!
(・×・) (・×・) (・×・)

 

世界に1ヶ所だけ存在するミッフィー信号!!

ユトレヒト中央駅からミュージアムとは逆方向に少し歩いた所の交差点に、 なんと歩行者信号の中の人型がミッフィーになっているミッフィー信号があります!

これだと、いつまでも赤信号を待てちゃいますね。(・×・)

(´-`).。oO(しかし、なんでタイトルがハローキティなんだろ・・・

 

ミッフィーも自転車に乗る時は自転車専用レーン?!

ミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナ氏も、自宅とアトリエの行き来は基本的に自転車だそうで、さすがはオランダ人!
ということは当然、走る所は歩道でも車道でもない、自転車専用レーン?!ですよね。

せっかくですから、ここユトレヒトでもミッフィー信号の近くを例に見てみましょう。

1台の車が微妙な所に停車していますが、歩行者も自転車も車も特に問題なく通行できますね。

何よりもここで特筆すべきは、バス停が自転車専用レーンより車道側に設置されているという点です!
これにより、バスが停車中でも自転車は全く影響されることなく通行することができます。

自転車が車道の左側を走らなければならない日本とは大違いですね。

 

【自転車専用レーンとバス専用レーンの併用実験】

国道246号線の一部区間にて、朝の通勤時間帯に限り、左側の車線を路線バスと自転車の専用レーンとして試験運用が始まりました。

しかし、バスが停留場で停まる際は、自転車はバスの後ろで待っていなければならないという、オランダでは考えられないルールになっています。

安全上やむを得ないことかもしれませんが、多くの自転車は車道か歩道を迂回してバスを追い抜くだろうことは容易に想定され、これこそ非常に危険です。

ヘルメットを装着しても、保険に加入しても、決して命までは保障されません。

 

 

自転車事故多発!!兵庫県が自転車保険の加入を義務化?

最近、自転車事故のニュースが目立ちます。

道路交通法では、自転車は原則車道を走行することと決められていますが、路上駐車や大型車など様々な障害や危険を避けるべく、例外として歩道を走らざるを得ない場合もあり、むしろ歩道を走る人々の方が多いくらいではないでしょうか。

すると、今度は歩行者との接触事故につながりかねません。

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交通事故の総件数が減少傾向にある中、自転車対歩行者事故は約1.5倍も増加しており、その数は年間約2,800件にも上ります。
その中で、約500人の方が毎年命を落とされています。

加えて、事故を経験した人の約8割が事故後の処理をしていないというアンケート調査の結果もあり、このデータはあくまで氷山の一角に過ぎないということが言えます。

また、運良く被害者として無事だったとしても、相手が怪我してしまったり死なせてしまったり、あなた自身やあなたの家族が加害者になってしまうことも大いにあり得るのです!

 

1億円という高額損害賠償の例もある!!

実際、小学生が自転車で衝突してしまった相手が寝たきりになってしまい、その小学生の母親9500万円の賠償命令が下されました。

その他にも、このよう事故が何件も起きているのが悲しいかな現実です。

 

自転車事故による高額損害賠償命令が下された判決

  • 9,300万円(2008年/東京地裁)
  • 6,800万円(2003年/東京地裁)
  • 5,000万円(2005年/横浜地裁)

 

このような損害賠償請求を受けることは決して他人ごとではありません。

そこで、自動車やバイクと同じよう、いわゆる賠償責任保険を自転車にも加入義務を与えようという条例が、全国で初めて兵庫県で施行されました。
ちなみに、完全に義務化されのは10月1日からだそうです。

条例や法律で何でも規制を厳しくする流れは必ずしも良策とは言えませんが、ここ最近の状況を考えると、この取り組みは至極まっとうではないでしょうか。

 

コンビニでも加入できる自転車保険

最近では保険料も安いプランから用意されており、年間1000円程度で加入できます。
なんと、セブンイレブンでも簡単に加入手続きができる時代です!

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保険は何も自分のためだけではありません。
加害者が自身の支払能力を超えた損害賠償請求を受けた場合、被害者はそれ以上の額を受けとることができず、泣き寝入りするしかありません。

もちろん自身のため、そして何より相手の為、保険の必要性は誰もが抱えているのです!

月々数百円の負担で済むなら、万が一の為に備えたいものですね。

 

【火災保険でカバーできるかも?】

今一度、お持ちの保険証券を確認してみましょう!

もしかしたら、そこに「個人賠償責任補償」が含まれている可能性があります。

特に火災保険によく見られますが、約款に「日常生活に起因する事故」などのような文言が記されていれば、自転車に乗ることは立派な日常生活なので、しっかりカバーされます。

 

保険の他にも自転車専用レーンが必要!!

とは言え、保険に加入するだけでは事故の減少には全く結びつきません。

保険加入を義務付けた兵庫県の井戸敏三知事も当然そこは認識されており、
「自転車事故を減らすことが最終目標。自転車専用道の整備も進めたい」
と述べられています。

まさに仰る通り!!

個人個人の注意だけでは事故を完全に防ぎきるには限界があります。
事故を減らすには、インフラから抜本的に変えていかなければなりません。

 

 

日本にも自転車専用レーン(通行帯)の設置が急がれます!!

先ごろ、サイクリストでもある谷垣禎一自民党幹事長が会長を務める「自転車活用推進議員連盟」が、自転車の活用を推進する法案を議員立法で国会に提出する方針を決めました。

自転車にまつわる事故が増えている今、安心安全な街づくりのためにも歩車分離を徹底する必要があり、オランダでは当たり前の自転車専用レーンの設置が待たれます。

自転車専用レーンは、なにも自転車だけのためではありません。
歩行者や車が安全に通行できるためにも、自転車を独立させることが必須ではないでしょうか。

 

  • もしあなたの子供が自転車で老人と接触、死亡事故が起きてしまったら…
  • もしあなたの親が、祖父が、祖母が、自転車事故で亡くなったら…
  • 家族の過失で多額の損害賠償請求を受けてしまったら…

 

道路を使用する誰もが、自転車と接触する可能性があるのです!
保険で命までは救えません!

自転車専用レーンは、あなた自身やあなたの子供たちなど、家族の命と財産を守る重要な社会インフラとも言い換えられます。

 

 

希望日本研究所 第5研究室

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