2015.04.28 選挙

日本は主権者教育をやっていないのか!?18歳選挙権で求められる授業とは?

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今までの日本の主権者教育の「落とし穴」とは?

前回、18歳選挙権の実現では、同時に「主権者教育(政治教育)」の充実が必要であるということを書きました。

しかし、日本では、義務教育から高校まで、「政治経済」などの社会科系の科目が充実しているのではないか、という疑問が湧くかと思います。

そこで、今回はまず、日本の政治教育の現状について紹介します。

社会科教科書-1

 

そもそも「政治教育」とは、教育基本法の第14条で、「(政治教育)良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と規定されています。

この第1項にある「政治的教養」については、3つのカテゴリーとして、

  1. 民主政治、政党、憲法、地方自治等、民主政治上の各種制度についての知識
  2. 現実の政治の理解力及びこれに対する公正な批判力
  3. 民主国家の公民として必要な政治道徳、政治的信念

というかたちで、文部科学省もホームページで明記しています。

このなかで、少なくともaとcについては、「社会科」や「公民」、あるいは「政治経済」などの授業で習われたことがあると思います。

しかし、問題はbです。小学校から高校までの12年間で、「現実の政治」について、「理解力や公正な批判力」を培う授業があったでしょうか?

ほとんどの方が「NO」と言うでしょう。

実際の学校教育においては、教育基本法で定められているにもかかわらず、知識や制度といった「政治の仕組み」の理解が授業の中心となっている一方で、「政治の中身」を考える授業が不足しているのです。

 

学校ではなぜ「政治の中身」を教えてこなかったのか?

その背景には、教育基本法の政治教育について述べている「第2項」、すなわち「政治的中立」があります。

これは、戦後日本のイデオロギー対立の中で、教育の政治的中立が過度に強調され、政治教育の条文の第2項の方に重点が置かれてしまったことが挙げられます。

教室

 

もちろん、学校における政治的中立は守られなければならないし、教員が自分の政治的な意見や思想を生徒に強要するような事態は決してあってはなりません。

だからと言って、主権者教育(政治教育)そのものを敬遠していいわけではないということも重要です。

18歳選挙権が実現することを契機に、政治的中立性を担保しつつ、子どもたちが政治や社会について考えることができる授業プログラムを検討していくことが求められています。

 

主権者教育のモデルは神奈川県にあり!

さて、主権者教育を考えるうえで、その先進事例として挙げられるのが神奈川県です。

神奈川県では、2011年度から県内の全県立高校で県独自の「シティズンシップ教育」を導入しているからです。

選挙お知らせ-1

県の教育委員会によると、シティズンシップ教育とは、「よりよい社会の実現に向けて、規範意識をもち、社会や経済のしくみを理解するために必要な知識や技能を身に付け、社会人としての望ましい社会を維持、運営していく力を養うため、積極的に社会参加するための能力と態度を育成する」 というものです。

つまり、シティズンシップ教育は、主権者教育と同じ定義として捉えることができるでしょう。

神奈川県では、具体的に、「政治参加教育」「司法参加教育」「消費者教育」「道徳教育」をシチズンシップ教育として取り組んでいます。なかでも、注目するべきは「政治参加教育」です。

政治参加教育に関しては、他の3つに先駆けて2010年度から全県立高校で導入されていますが、参議院議員選挙において、生徒が実際の政党マニフェストの比較検討などを行う「模擬投票」を実施しています。

参議院議員選挙は、3年に1度の改選が行われる関係で、全ての高校生が高校3年間に一度は模擬投票を体験できるということから、まさに実践的な主権者教育の授業プログラムといえるでしょう。

次回は、神奈川県の取り組みについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

※「ACTIONなう!」実行委員会

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