2015.06.09 文化芸術振興

公的資金、文化芸術事業への導入が日本を変える!

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公的資金の文化芸術事業導入

文化・芸術産業は、「文化芸術振興」と「地域経済の活性化」の効果が期待できます。

だからこそ、目先の経済効果だけで判断し助成額や予算を減らすことは問題です。

文化芸術事業には、プロジェクトリーダーの育成やインフラを整える事などの総合的なプロデュースとそのための戦略が必要です。

その戦略がどのような効果や社会的な影響を及ぼしたかの第3機関による効果測定も重要です。

欧米では地方都市のそれぞれの独立性が強いことから、都市同士の競争が激しい。

そして文化芸術に対しての研究や異分野でのコラボレーション企画が豊富で、日本が学ぶべき点はたくさんあります。

芸術分野への助成の経済効果の資料に下記のように説明している。

 欧米では文化・芸術の助成において、文化面の充実や短期的な経済効果だけ でなく、地域(都市)の活性化を視座に入れた総合的な戦略の一環として考え る動きがある。この背景には、都市間競争という伝統の中で、都市の競争力を 高めるための要素として文化・芸術の重要性が認識されていることが挙げられる。

(芸術分野への助成の経済効果 ~総合的な地域活性化戦略の必要性~ 調査情報担当室 筒井 隆志)

 

公的資金投資と英国アーツカウンシルの仕組み

1946年に英国アーツカウンシル(Arts Council of Great Britain, ACGB)は設立され、「アームズ・レンクスの法則」を導入しました。

この「アームズ・レンクスの法則」により、当事者と政府が一定の距離を置き、政府の方針の影響を減らし、芸術家の活動へのリスペクトが重視されています。

マクロ経済学を確立させた経済学者で初代会長となったケインズ (John Maynard Keynes) は、ナチス・ドイツが芸術表現を弾圧したことや政治的に利用した経験をもとに芸術活動や表現の自由を重要視しました。

現在の英国アーツカウンシルの事業は、3本柱で構成されイギリスの代表的な芸術機関や文化施設を対象とした

  • 資金提供(National Portfolio Funding、NPF)
  • 様々な文化事業を対象とする公募型の助成(Grants for the Arts)
  • 戦略的資金提供(Strategic Funding)

を全国規模の戦略を行っています。

英国アーツカウンシルの2012年度予算は、政府からの予算から4億6900万ポンド、宝くじ基金から2億7000万ポンド、合計7億3900万ポンド。

日本円で約1310億円です。(1ポンド=177円)

ちなみに、2012年日本政府の国家予算、文化庁予算は1032億円です。

同年のイギリス政府の文化予算は2154億円です。(野村総合研究所による諸外国の文化政策に関する調査研究 報告書 2013年3月)

 

欧米と比較し、日本ではまだ文化芸術に対して公的資金を投資する意義が浸透していないので、資本を集めにくいです。

さて、アーツカウンシル・イングランドは下記動画を制作し、文化芸術に対して公的資金を投資する意義について、英国を代表するクリエーターや文化芸術関係者がコメントをしています。(アーツカウンシル・イングランド 2013年6月制作)

“A Credit to Britain” – Arts Council England (日本語字幕版)

このようにして戦略的に文化芸術への公的資金投資の意義を啓蒙し、字幕をつけ世界へ発信しながら理解を深めています。

英国内の単なる文化・芸術の普及や地域活性化にとどまらず、芸術への関心・理解を高めることにより、将来的な市場の創造、人事育成に繋げている点で非常に優れています。

日本の文化芸術機関も学んでほしい。

 

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