2016.05.12 経済

【解説】株主総会とは何なのか?

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株式の3割を占める外国人投資家の黒船到来で、株主総会はどうなる?

少し前ですが、父(会長)と娘(社長)のバトルが発生し、前代未聞と言われた、大塚家具の株主総会が話題となりました。
株主の6割が賛成したことで娘が勝利、大々的にメディアに取り上げられました。

ところでこの株主総会、そもそも一体何なのでしょうか?
知っている人は知っているでしょうが、知らない人にはまったくわからないのではないでしょうか。

ここでは株主総会とは何か?いつ、だれが、何のために、何をするのか、わかりやすく解説してみたいと思います。

株価操作

株主総会とはそもそも何か?

株主総会とは、会社組織である株式会社の株主を構成員として、会社の重要事項を決めるための最高議決機関です。

株主とは、株式会社が発行する株式を保有する人。
会社は、株式を発行して投資家から資金を調達し、その代金で事業活動を行なう。
この株式を購入した人、それが会社の出資者であり所有者なのです。

株式を公開し、だれでもが売買を可能にしている企業が日本には約3500社ありますが、この上場企業はもとより、株式公開をしていない非上場企業も、株主総会を開くことになっています。

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株主総会を、いつ行うのか?

株主総会は開催時期によって大きく、定時株主総会と、臨時株主総会に分かれます。

定時株主総会は、会社法により義務付けられ、会社の毎事業年度の終了後、一定の期間内に開催するもの。
日本は3月決算の株式会社が多く、事業年度末から3か月以内に開催することが定められ、毎年6月の下旬に集中します。

臨時株主総会は、定時株主総会以外に必要がある場合、いつでも臨時に開催することができるものです。

株主総会、だれが、何のために、何を行うのか?

基本的に株主総会は、会社経営を担う取締役が、会社の重要事項を決めるため招集します(会社提案)。

株主総会で決める会社の重要事項とは①株主の利害に関するもの②役員の人事に関するもの③会社の根幹に関するもの、の大きく3つ。

①株主の利害とは、会社の決算、そして株式配当や役員の報酬を指します。

②役員の人事とは、会社の取締役や監査役の選任・解任のこと。

③会社の根幹とは、会社の根本を定めた定款の変更、そして会社の合併・解散などです。

株式配当や取締役選任など(①②)は定期的に株主の決議が必要となるため定時株主総会で行う。
合併・解散など(③)会社存続に関する重要なことは定時・臨時の別なく、それぞれ審議されます。

株主総会の決議方法は?

株主総会での決議は多数決。
ただし株主一人に1議決権があるのではなく、1株に1議決権となる。
1株持っている株主は1議決権、10株持っている株主は10議決権と、多く出資している人ほど大きな発言権があることになるのです。

株主総会に参加せずとも委任状により意思を示すことも認められています。

多数決で決めると言いましたが、一般的に、株式配当など(①②)の審議は、総株主の議決権の過半数に当たる株式を有する株主の出席が必要で、その過半数の賛成により成立します。

先に示した大塚家具の事例がそうですね。

定款変更などの最重要事項(③)は、総株主の議決権の過半数に当たる株式を有する株主の出席、その議決権の3分の2以上の賛成が求められます。
より重い議決が求められているのです。

株主総会

株主総会は株主による招集もある

株主総会は多くが取締役の招集(会社提案)によるものですが、議決権の1%以上を保有する株主によるもの(「株主提案」)もあります。

以前メディアをにぎわせた村上ファンドは、この「株主提案」を行う「モノ言う株主」でした。
具体的には株式配当の増額や、(経営改革を目的とした)取締役選任(解任)要求などを行ったのです。

先の大塚家具の事例も、父(会長)が提出したものが、娘(社長)の退任要求という、「株主提案」でした。
父(会長)が大塚家具の筆頭株主であったため提案できたのです。

しかし娘(社長)が提出した、父(会長)の退任提案(会社提案)が結果的に株主の過半数の賛成を得て可決したことは、みなさんご存知の通りです。

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日本式経営との関係は?

さて今、記した株主提案は最近注目されクローズアップされてきているもの。
これまでの日本の株主総会は「しゃんしゃん総会」といわれ、波風のたつものではありませんでした。

それは日本式経営が、公開した株式を、関連会社、取引先、銀行などで持ち合い、その持ち合い企業からなる「モノ言わぬ株主」が株主総会を穏便に済ませてきたからです。
その日本式経営では、株主が会社の所有者だ、という認識は、あまりなかった。

一部、株主の地位を利用して会社から不当な利益を得る総会屋のような存在による波風はありましたが、総じて株主総会は粛々として行われるものでした。

ところが経済のグルーバル化、そして外国人投資家の急増により、株主重視経営の要求が高まってきたのです。

外国人投資家に関していえば、1990年度には日本株全体の5%にも満たなかったものが2014年度にはなんと31%にも急増。
株式の売買代金に至っては2014年、63%をも外国人投資家が占めているのです。

こうした外国人投資家が「モノ言う株主」として株主総会で経営の改革を求めてきているのです。

Kurofune

まとめ

株主総会は、株主を対象とした、会社の重要事項に対する最高議決機関。

会社の定款変更や、合併、解散、取締役や監査役の選任・解任、株式配当や役員の報酬などを決めます。

本来は株主が会社の所有者でありながら、これまでは、株の持ち合いという日本式経営により「モノ言わぬ株主」による穏便な株主総会がほとんどでした。

ところが外国人投資家が急増、「モノ言う株主」の登場です。

「モノ言う株主」が1番モノを言う場所が株主総会なのです。

日本の株主総会に黒船が押し寄せている。

株主総会を良く見ていくことで、日本式経営がどう変わっていくか注目したいですね。

※写真:ウィキペディア

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