2015.07.14 自転車

オランダの自転車専用レーンで見かける無骨な自転車の正体は?!

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通称『ダッチバイク』!!質実剛健なオランダの実用自転車

 

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オランダの街中に溢れているクラシックな自転車、ダッチバイク

フロントに鎮座する砲弾型のライトが愛くるしい表情を見せますが、この重厚感ある質実剛健なスチール製のフレームは20kg近くあります。

軽さを競うスポーツバイクとは真逆ですが、この重量のおかげで直進安定性は非常に優れており、スピードに乗ってしまえばとても速く快適です。

さながら、一昔前のドイツ車といったところでしょうか?!

 

オランダの自転車にはブレーキが付いてない?!

ダッチバイクのハンドルにはブレーキレバーが付いていないことが多いので、一見するとブレーキが付いていないように見えます。

あながち間違っておらず、そう見える自転車は実際に前輪ブレーキが付いていないモデルです。

しかし、ピストバイクのようにブレーキが全く付いていないわけではなく、後輪には足で操作するコースターブレーキが掲載されています。

これは、握力の弱い子供やお年寄りでも安全に操作できるメリットがあり、日本ではなじみがありませんが、オランダでは広く一般的です。

また、大半の自転車にはギアも付いていないため、ハンドル周りにケーブル類が1本もなく非常にシンプルに見えるのも、ダッチバイクの大きな特徴の1つです。

 

オランダ人が長く乗り続ける無骨な自転車!愛称は『おばあちゃん自転車』

【オマ・フィッツ】おばあちゃん自転車

ダッチバイクは「オマ・フィッツ」という愛称で呼ばれることも多く、直訳すると「おばあちゃん自転車」という意味になります。

これは、トップチューブが下がっている伝統のフレームを指し、まさにお年を召してスカートをはいた女性でも乗り降りできるというのが由来です。

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特に女性用というわけではないので、もちろん男性でも乗ることができますし、本国オランダでもオマ・フィッツに乗る男性の姿を数多く目にします。

 

【オパ・フィッツ】おじいちゃん自転車

これに対して、トップチューブが水平のタイプは「おじいちゃん自転車」という意味の「オパ・フィッツ」という愛称があります。

ごく稀に女性が乗っている姿も見かけますが、足が長いオランダ人女性だからこそ、跨いで乗りこなせるのですね。

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ドレスアップして自転車に乗るオランダ人!コンサートにもレストランにも

自転車は決して庶民の乗り物ではなく、非常に効率的な乗り物です。

なので、たとえレストランに行くにしてもクラシックコンサートに行くにしても、オランダ人はドレスアップしても普通に自転車で出かけます。

これは昔から変わらぬスタイルで、実際にチェーンケースでチェーン全体が覆われており、後輪にはその名の通りドレスガードが装備されており、お召し物が汚れないように設計されています。

特にチェーンケースに関しては、雨風からチェーンのダメージを防ぐ役割もあるため、とても理にかなっています。

 

自分だけのオリジナル自転車!オランダ流のカスタム

伝統的なダッチバイクは、どのメーカーもフレームの基本デザインに大差はなく、また黒という色も特徴の1つです。

そのため、駐輪場や街中に自分の自転車を停めておいたら、見つけるのにも一苦労。

そこで人々は、自分の手で愛車に装飾を施していきます。

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スプレーでオリジナルのペイントをしたり、カラフルなビニールテープをフレームに巻いたり、造花でハンドル周り彩ったり、それぞれ個性を演出しています。

オランダではこうした様々なバリエーションを見ることができ、とても面白いです。

 

前カゴの代わりにリアバッグが当たり前!オランダ人の自転車利用術

ダッチバイクはシティ車であると同時に、元々は運搬車でもあります。

そのため、リアにはキャリアが標準装備されており、非常に実用的です。
多くのオランダ人は、そこに個性的なリアバッグを装着しています。

左右で約40~50リットルもある大容量なので、スーパーで買い物した荷物などもそのままスッポリ収納できる優れものです。
もちろん防水加工されていることは言うまでもありません!

日本ではほとんど見かけないスタイルですが、前カゴを使わず荷物を全部リアに積むことで、その機能性だけでなく、ハンドル操作の安全性にも一役買う結果となっています。

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ちなみにこの写真の女性、リアバッグとサドルカバーをお揃いのドット柄でコーディネートしているのに気づかれましたか?!
オランダでは、自転車も服と同じように個性を出すアイテムなのです!

こうしてデザインも多種多様なので、車体のペイント同様、一目で自分の自転車を見つけ出すのにも役立ちます。

 

盗難防止にもつながる自転車のカスタム!個性の強いオランダ人ならでは

車体にペイントしたり個性的なバッグを装着したりするなどして自分の自転車を目立たせることは、それ自身を楽しむこと以上に、一見して持ち主がわかるため、盗難被害の抑制にも少しは役に立っているとのこと。

この「少しは」というのが実にオランダらしいのです・・・。

というのも、日本でも年間約40万台が盗難されていますが、総台数が3分の1以下のオランダでは年間約75~90万台と、皮肉なことに、自転車先進国のオランダではその盗難数もまたトップクラスなのです・・・。

 

安全なインフラの上に成り立つオランダの自転車生活!日本もヨーロッパのレベルに追いつくか?

このように、オランダと日本では自転車の立ち位置が大きく異なることがわかります。

日本では、1万円以下で買えるママチャリを半ば「消耗品」として扱ったり、はたまた「趣向品」として高いスポーツバイクを趣味として楽しんだりと、両極端な印象があります。

一方オランダでは、日常的に長年連れ添う「相棒」として、頑丈なつくりの自転車をとても愛着を持って何十年と乗り続けるスタイルが一般的です。

それだけ自転車が日常から切っても切り離せなくなっているのは、乗り物として便利なのはもちろん、ストレスフリーに乗る事ができるインフラの力も大きいのではないでしょうか?

日本も世界的に自転車大国ですが、決して自転車先進国ではありません。

もっと自転車のポテンシャルを日常的に活かすためにも、そして道路を使う全ての人が安全に通行できるためにも、一緒に声を上げませんか?

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