2016.05.06 ライフ

実は可能性がある!という大地震予知・大地震予測の真実に迫った

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腰が引けている大地震予知・大地震予測の研究をすぐに始めるべきだ!

熊本県を中心とした震度7という大きな揺れから始まった平成28年熊本地震。
お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、被災された方々に対し心からお見舞い申し上げます。

さてこうした大地震予知、大地震予測は、できないのか?
答えは、可能性があるのに、今は腰が引けている状態。

えっ?大地震予知・大地震予測ができるなんて、インチキ占い師の世界なんじゃあないの。
現に今回の熊本地震をはじめ、阪神・淡路大震災、東日本大震災は予測できなかったのでは。

確かに現在は難しいのですが、実は将来的には大地震予知・大地震予測は可能性があるといわれているのです。
それにもかかわらず今は、研究などが本格的になっていない。

ここでは大地震予知・大地震予測の可能性についてわかりやすく説明してまいります。

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大地震予知・大地震予測が可能な理由

今回の熊本地震をはじめ、阪神・淡路大震災、東日本大震災は、予知・予測ができませんでした。

それにもかかわらず、なんで大地震予知・大地震予測が可能といえるのか?

簡単に言うと、予知・予測が可能だ、という考え方からスタートした国レベルの研究が、阪神・淡路大震災、東日本大震災で、予知・予測ができなかったことから批判を受け、頓挫してしまったのです。

やはり大地震予知・大地震予測はできないのではないの?

いえ大地震は複雑な要素がからんで発生する。
発生する場所、深さ、地質など、条件が様々に異なる。
研究をして予知・予測ができるような成果を出すには非常に時間と手間がかかる、というのです。

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阪神・淡路大震災などで予知・予測ができず頓挫、しかし世界に冠たる観測体制だけが残った

大地震予知・大地震予測の研究が頓挫した、といいましたが、一方、観測体制の整備は粛々と進められました。

皮肉なことに観測体制だけは今、世界に冠たるものが日本にあるのです。

少し難しい言葉が出てきますが説明いたします。

その観測体制は、高感度微小地震観測網(Hi-net)と、GPS連続観測システム(GEONET)です。

Hi-netは、日本全国1000点に観測網がはられ、詳細な地震活動の変化を追跡できるようになりました。

GEONETは、カーナビでも良く知られるGPS観測システムで、全国1200点に観測網が配備、これで細かな地殻変動がキャッチできます。

この観測網から得られるデータは毎日大変な量になります。

ところがこのデータを分析して本格的に予知・予測へ活用する、肝心かなめの本格的な研究体制が現在ないといわれます。

日本の天気予報は、観測体制の整備と、そこから得られたデータ活用により飛躍的に進歩をとげました。

昔は台風の接近もわからず船の遭難も起きてしまった。
1964年に富士山レーダーが運用を始め、その後、気象衛星ひまわりが運用開始、(データを分析する体制がしっかりあり)予報精度が飛躍的に向上したのです。

天気予報は今、長期は難しいものの、例えば30分後といった短期の予報(予知)はかなり精度が高いものとなっています。

一方、大地震の予知・予測はビッグデータがありながら、それを分析して予知・予測へ活用する本格的なアプローチが行われていない、というのです。

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世界に冠たる観測体制を活用した大地震予知・大地震予測の研究再開へ

ではHi-netやGEONETといった観測網を活用すれば本当に大地震予知・大地震予測は可能なのか?

例えば東海大学が開発した大地震予知・大地震予測の方法(RTM法)があります。

一般的に大地震の前には、小さな地震が減り(静穏化)、その後、逆に増えて(活性化)、V字カーブを描き、ピークに大地震が発生する傾向があります。

Hi-netやGEONETの観測網はこの傾向を詳細にとらえることができる。

そして東海大学は同方法により、静穏化、活性化、そしてピークを迎える大地震の予測を可能だとしています。

この方法により(データは残っているので)過去の阪神・淡路大震災を分析してみました。
すると、地震発生の10カ月前から静穏化が始まり、活性化、大地震発生に至っている。

同じように東日本大震災は2011年の10年前から静穏化が始まり、活性化、そして大地震が起きている。

阪神・淡路大震災は地震発生前の10年間、東日本大震災は過去40年間の長期間のデータをチェックしたところ、大地震直前だけV字(静穏化・活性化)の異常が起きている。

同傾向を東海大学の独自な方法で事前にチェックすれば、大地震の予知・予測が可能だというのです。

ただ予知・予測が難しいのはこの静穏化、活性化の期間が大変長いこと。
さらには、V字傾向も100%ではない。

東海大学ではこの独自の方法に、電磁気や地下水異常などの多角的情報を組み合わせることで、予測の精度を高めることができ、将来的には確実な予知が可能だとしています。

基本的に自然相手のものだから難しいことはわかるのですが、大地震予知・大地震予測の可能が少しでもあるとすれば、やはりこの本格的な研究を再開するべきではないでしょうか。

110320-M-0145H-063 AICHI, Japan (March 20, 2011) A large ferry boat rests inland amidst destroyed houses after a 9.0 earthquake and subsequent tsunami struck Japan March 11. As part of Operation Tomodachi, the 31st Marine Expeditionary Unit delivered much-needed relief supplies to the Japanese citizens in the area. (U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Garry Welch/Released)

そもそも大地震予知・大地震予測とは

そもそも予知・予測とはどういうものか?

例えば今でも国は東海地震に対して、30年以内の発生確率を88%と予測しています。

確かにこれも予知・予測ですが、長期・中期予測です。

本当に求められているのは大地震の短期予知・予測。
人の命を直接守るためには短期・直前の予知・予測が求められているのです。

本来、地震予知・予測とは、時間、場所、規模の3つを明確に示すもの。

言葉の使い方を厳密にすると、上記3つの要素を100%の確率で示したものが予知。
一方、確率で示したものが予測です。

東海地震の30年以内、88%も予測となる。

大地震予知・大地震予測は不可能だという意見も

確かに地震予知は不可能だ、という学者の意見もあります。
この理由は地震の発生が、いろいろな要素が絡み合う複雑系だから。
その複雑な要素を読み解く予知・予測は困難だというのです。

しかしこれまで記してきたように東海大学の研究をはじめとした民間の研究アプローチも出てきています。

そして世界に冠たる観測体制がありながら、肝心かなめのそれを活用した予知・予測の研究への腰が引けている。

過去の挫折があったとしても、改めて国として本格的なアプローチが必要な時にあるのではないでしょうか。

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まとめ

日本は今、地震の活動期に入ったといわれています。

日本には現在、世界に冠たる地震の観測網とデータがあります。
ところが驚くべきことに、それを分析したうえで大地震の予知・予測につなげようという体制が整備されていない。

阪神・淡路大震災、東日本大震災で予知・予測ができなかったという挫折を受け、その研究が否定されてしまったためです。

確かに一般的に考えても自然相手のこうした予知・予測が難しいことは理解できます。

しかし世界の中でも最高性能の観測網があり、そこから毎日膨大な量のデータが出ていながら、肝心の大地震予知・大地震予測に生かされていない。

地震学者の中には地震予知は困難だという者もいます。
地震学者の使う観測装置・地震計は地震が発生しないと動かないもので本来、短期の予知研究には不向きだ、という指摘もあります。

そして従来の地震学ではなく、新たな科学の進化(近年の統計物理学の進歩や、破壊物理学の進展)もあり、複雑系の地震を分析し、予知・予測につなげることが可能になってきた、というのです。

同じ土俵での議論にはならないかもしれませんが、天気予報の予知・予測の精度は高まりつつある。

大地震に対しても、まずは予測の精度を高めるための国家レベルの本格的な研究にとりかかり、予知を目指していくべき時にあるのではないでしょうか。

※参照:「地震前兆現象を科学する」

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