2016.04.04 規制緩和

山田宏先生「選べる教育/医療」を解説!『教育と医療が選べれば地域は活性化します』【動画】

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選べる教育/医療について山田宏先生が解説!『人間で一番大事なのは自由意志』

日本は、自由主義社会で公共サービスなども比較的充実している国です。

しかし一方で、見えない『ルール』や『しがらみ』に縛られていることも否めません。
また、行政お得意の縦割りで、例えば管轄の違う省庁のサービスを一緒に行うことができないなど、ちょっとした政治の決断で解決できそうなものも多くあります。

機械的かつ単一な行政サービスに止めず、国も自治体も民間企業のように経営することを意識して、より良いサービスの提供をすれば、それは地域の活性化にもつながります。

杉並区長時代に指定校制度を見直して自由選択の措置をとったこともある山田先生は、しがらみの多い昨今の社会や国・自治体の体制について、どう感じていらっしゃるのでしょうか?

政策として実践した経験談とともに、説得力のある解説を動画にてご覧ください。

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※ このページから直接動画をご覧頂けます。また、下部には文字起こしもございます。

山田 宏(やまだ ひろし) 国家経営研究会 代表理事 プロフィール

【経歴】
昭和33年生まれ
京都大学法学部卒業後、松下政経塾へ2期生として入塾
都議会議員を2期、杉並区長を3期、衆議院議員を2期務める
現在は国家経営研究会の代表理事

【著書】
「日本よい国」構想 (WAC出版)
第3の道 (マガジンハウス) 他

川上 和久(かわかみ かずひさ) 明治学院大学 教授 / 希望日本研究所 所長 プロフィール

【経歴】
昭和32年生まれ
東京大学文学部社会心理学科卒業
同大学大学院社会学研究科社会心理学専攻博士課程単位取得退学
東海大学文学部助教授等を経て現職
専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論

【著書】
イラク戦争と情報操作
「橋本維新」は3年で終わる
「反日プロパガンダ」の読み解き方 他

 

山田宏先生が語る「選べる教育/医療」以下よりテキストでもお読み頂けます。

kk100川上 今回も、国家経営研究会代表理事の山田宏先生からお話を伺おうと思います。
宜しくお願いします。今回は『選べる教育』『選べる医療介護』ということをお伺いしたいんですけれども、やはり得てして、今は多少選択制になっているんですけれども、行政サービスと言うのは非常に「そこに住んでいれば単一のサービスしか得られない」というようなところが、行政を硬直化させているという批判も多いと思うんですね。山田先生は杉並区長をやっておられた時に色々な改革をなさってきたわけですけれども、今日は教育と医療介護について、

選べる状況というものをつくれば必ず地域は活性化する!

という持論を持っておられるので、その辺のお話を伺いたいと思うんですが、いかがでしょう?

hy1山田 人間で一番大事なものは自由意志だと思うんですね。
これはもう動物とは違うところです。その自由意志の根幹というのは、やはり自分の人生なり暮らしを選べるということなんですね。
本能で動くわけでもない、与えられるわけでもない。ですから、やはり選べるということはですね、人間の根幹に根差しているということなんですよ。

私は色々な公共サービス、今お話にありましたけれども、国が/地方自治体が「こういうサービスどうぞ」と決めていく時代は終わったと思うんです。

つまり、国民の方が豊かですから、「いやいや、そんなもんじゃなくてこういうものが欲しいんだよ」というときに、「それもですか、これもですか」と行政は出すことできないんです。

その一番疲弊があるのが公立学校なんですよ。

公立学校は今まで「A町に住んでたらA小学校/B町に住んでたらB中学校」という、いわば指定校制度をやっているわけです。

しかしこの結果ですね、学校の方は黙っていても生徒さんは来るわけです。
私学とか塾は呼び込まないと来ないですけれど、公立学校だけはふんぞり返っていても来るわけですね。

ですから、そういったことも兼ね合わせて、学校側は自分の学校に問題があっても、それを変えようというよりも、なるべく隠蔽してという風に(校長にしてみれば3年間だけ自分がいる間に何も起きなければ良いという風に)なってしまって、どんどん公立学校のレベルが下がっているわけです。

杉並の場合は今、小学校から中学校に上がるときに4割の子どもが私学を受けるわけです。
それくらい公立学校へ行きたくないという感じなんですね。

どうやったら公立学校のレベルを引き上げることができるのか?となると、やはり公立学校も選ばれる側になった方が良いと。
つまり「A町に住んでたらA校」と決めないで、杉並の場合はA校というのは一応指定だけれども、その周りにあるB校~F校くらいまでは選べるようにしている。

そうすると、今度はA校の人(教員)は他の学校を選ばれてしまう可能性があるので、自分の学校に何か問題があったり悪い噂が立ったりしたら、校長は必死になってそれを直そうとするわけです。
そしてなるべく学校をオープンにして、地域の人たちも来てもらって、「うちの学校はこんなに素晴らしいんですよ!」ということをやる。

私が学校選択制を始めてから、学校ごとに校長や副校長が自分の区域を回って宣伝しているんです、「ぜひ来年はうちの学校に来てください」と。
ここまでやっていけば、ずいぶん学校の中は活性化されていくんです。

ですから、まずは学校や教育を選べるようにしていく必要があります。

それから同時に、高校以上は学校の設立を自由にして、今のように

 どれくらいのキャパがないといけない
 こういう教室がないといけない
 先生はこれくらいないといけない
 校庭がないといけない

とか、こんなもの高校以上ではいらなくて、自分の行きたい方向にしたがって、料理人の学校へ行ってもいいし、経営者の学校へ行ってもいいし、政治家の学校へ行ってもいいし、それくらい色々な天分の数だけ塾があれば良いと思うんですよ、江戸の末期みたいに。

自由に学校をつくれるようになって、選ぶのは生徒や親ですから、選ばれるか選ばれないか。

そういうところに、選べるように教育クーポンを配って、そして学ぶ方がそのクーポンを使って、午前中は経営者の学校へ行って、午後はスポーツの学校へ行って、夜はこういう学校へ行ってと。

そうやって自分で自分を高められるようにしていかないと、高校になって同じような教育を受けて、(例えば)微分積分なんかやったって、もう無駄ですよね。

kk100川上 そういう風に考えますと、ある意味では公教育の公立の校長先生は競争原理を働かせるのは非常に重要だと思うんですけれど、国レベルでそういったことを公教育の活性化のために大々的に取り入れていくというのは、なかなか障害があるのでしょうか?
hy1山田 自治体でやっても、反対は多いんですよ。
「地域と学校を分断するものだ!」と言うんですね、地域の人たちは。でも杉並でやってみたらどうなったかと言いますと、地域の学校を選ばなかった(指定校以外を選んだ)生徒は、多い時で18%です。
それ以上は増えないんです、2割にならない。
8割の子どもたちは前からの学校(指定校)へ行くんです。ですから、私はあまり問題ないと、指定校制度を外すべきだと思います。

これは昭和16年から始まっているんですよ。
国民総動員法から始まっていて、各学校で子どもたちを管理しろと、戦争ですからね。

そういうためにつくった戦時体制を、戦後も子どもの数は増えていくから、「学校を選べるようにしたら1つの学校に集まったら校舎が足らないじゃないか」と。

子どもだちがいっぱい産まれていたから子ども(生徒)を振り分けていただけで、今はあの時と比べたら子どもの数は3分の1ですから、学校の教室は余りまくっているわけです。

そういったことを考えると、選んでもらったとしてもキャパとしては可能性はあります。

(指定校制度は)戦時体制ですからね、やめた方が良い。

kk100川上 一方で『選べる医療介護』という点についていかがでしょう?
hy1山田 これもですね、国や公的なものが「サービスはこういうものよ」と画一化しているわけですけれども、例えば今、高齢者で老老介護が増えました。

2人が元気でも1人が倒れると、もう1人がへたってしまうわけです。

そうすると、1人が倒れて例えばどこかの施設に入ったりすると、(もう1人は)いちいち行ったり来たり。

例えばマンションがあって、1部屋は病室/その隣はドアを開けると奥さんが住んでいる、というようなマンションを売り出したいと。
こんなのすぐ売れると思うんですけれど、×ですから。

それはようするに、国土交通省の建物と厚生労働省の施設の関係で、そういう複合的なものは管理できないからダメとなってしまうわけです。

でも、我々がほしいのはそういうものなんですよ。

そういうものをビジネスとして出してもらえるように、本当に入りたい人いっぱいいるのに、ダメと言っているのは国じゃないですか。

その人にあった色々なサービスをやってもらうためには、選べるようにする必要があると思うんです。

kk100川上 教育にしても医療介護にしても、自由な選択と言いますか、ニーズに合わせて行政が壁を取っ払ってやっていくということで、そんな予算かからなくても、壁を崩していくだけで/政治の決断で、『良い教育』『良い医療介護』ができるのではないかという可能性を山田先生にお示しいただきました。

 

 

希望日本研究所 第5研究室

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