2016.02.19 有識者講演動画

山田宏先生「人口減社会」を解説!『子どもが増えることで経済も日本も明るくなります』【動画】

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人口減社会について山田宏先生が解説!『国レベルでの抜本的な政策が必要』

人口が減少するとともに高齢化社会が進む日本。

欧米の先進国のように、もっと子育て対策などに予算を回すなど抜本的な政策を施さないと、このままでは2050年の人口が9,700万人にまで減ってしまうと政府は推計しています。

杉並区長時代に、区の出生率を実際に引き上げた実績のある山田宏先生の目には、今の政府の方針はどう映っているのでしょうか?
また、何か対策をお考えなのでしょうか?

動画にて解説いただきました。

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※ このページから直接動画をご覧頂けます。また、下部には文字起こしもございます。

 

山田 宏(やまだ ひろし) 国家経営研究会 代表理事 プロフィール

【経歴】
昭和33年生まれ
京都大学法学部卒業後、松下政経塾へ2期生として入塾
都議会議員を2期、杉並区長を3期、衆議院議員を2期務める
現在は国家経営研究会の代表理事

【著書】
「日本よい国」構想 (WAC出版)
第3の道 (マガジンハウス) 他

川上 和久(かわかみ かずひさ) 明治学院大学 教授 / 希望日本研究所 所長 プロフィール

【経歴】
昭和32年生まれ
東京大学文学部社会心理学科卒業
同大学大学院社会学研究科社会心理学専攻博士課程単位取得退学
東海大学文学部助教授等を経て現職
専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論

【著書】
イラク戦争と情報操作
「橋本維新」は3年で終わる
「反日プロパガンダ」の読み解き方 他

 

山田宏先生が語る「人口減社会」以下よりテキストでもお読み頂けます。

kk100川上 今日は、<一般社団法人 国家経営研究会>代表理事の山田宏先生に、『人口減社会』ということの中で、どうやって日本が人口を増やしていったらいいかということを伺いたいと思います。

厚生労働省の推計ですけれども、驚くべきことに、2050年には人口が大体9,700万人になってしまうだろうと。

2060年になると、もう私なんかはあの世に行っているわけですけれども、8,700万人という推計もあるんですね。
しかも、その中の4割以上が高齢者。

このままではそういう社会になってしまうという警告を政府も重く受け止めているとは思うんですけれども、山田先生は杉並区長もおやりになった経験から、今の政府の施策もいくつかあるわけですけれども、人口減少の対策で「こういうことやんなきゃいけないじゃないか!」という、まず一番大事なことをお伺いしたいと思います。

hy1山田 政府の予測って大体ハズれるんですけれど、人口予測だけはあまりハズれないんですよ。

やはりこのままだと、今の予測が当たってしまうと思うんですけれども、下がり続けている出生率を引き上げていくということは生半可ではない。

どこの自治体も努力しているんですけれども、やはり国のレベルでやらないと。

杉並は出生率0.7と凄い低かったんですが、それを少しずつ引き上げたんです。
そのためには相当の財政再建をしてお金を投じたんですね。

でも、杉並の子育て対策が良くなっていくと、隣の区からいっぱい(人が杉並区に)入ってこられる。
そうすると日本全体としてはあまり良くならないんですね。

ですから、どの国も出生率を高めるためには国の覚悟が必要になります。

ヨーロッパは減り続けました。
大体1.5近くまで下がったんですよ。

ところが、フランス・スウェーデン・イギリスですら今1.8というところまで引き上がりました。

それぞれの国柄がありますから、フランスみたいな国は結婚という制度が随分日本と違いますので、そういった意味ではやり方は違うとは思うんですけれども、先進国で出生率を引き上げてくることに成功した国は、どの国も押しなべてGDPの大体2~3%を子育て対策に使っているんですよ。

日本でいうと、GDPを500兆円とすると10~15兆円。
今の政府は大体5兆円もかけていないですから、やはり対策としてはまだ弱いと。

まずは「お金があれば子供を産むか?」というと、究極的には昔貧しい時にはたくさん子どもがいましたから、それはお金の問題ではないという議論はありますけれども、今の人たちの考え方は、「これから1人産むと教育費がこんなに掛かって・・・」ということで、統計をとってみても、本当は3人必要なのに凄くお金が掛かるから諦めると。

ですから、まずは2人産んでくれた人/1人産んでくれた家庭に、産みたいだけの子どもを産んでもらえるように、支援を思い切ってしないといけないと。

そのためにまず第一にやらないといけないことは、0~15歳、義務教育が終わる頃までの『保育』『妊娠したときの検診』『不妊』『教育費』『医療費』、こういったものは15歳まで基本的に掛からないと、余程のお金持ち以外は。

無料にするぐらいの対策が必要だろうと思います。

kk100川上 基礎自治体でも15歳まで医療費については無料だとか、そういうところはいくつか実際あるんですけれど、まだまだそれが「15歳までパッケージにしてまとめて無料で面倒みますよ」ということにはなっていないですし、例えばスウェーデンとかでは子どもを産むたびに、場所が必要なので家賃補助までしてますよね。

そこまでの抜本的な対策が今の政府の財政状況の中で、

☑ どこまでできるのか?
☑ どこまで覚悟を決められるのか?
☑ どこから財源を移してきたらいいのか?

という問題になってくると思うんですけれども、そこまで思い切ってやらないと、ということですよね。

hy1山田 今の財政状況で10兆円近いお金を子育てに回すといっても、「一体どこから持ってくるんだ?」ということになってくると思うんですね。

日本の場合は高齢者にお金を掛けすぎているということはあるんですけれども、どんどん少子化が進めば進むほど、子どもの数が減っていますから子どもを持っている家庭が少なくなる。

そうすると高齢者が増えますから、どっちみち候補者は高齢者の有権者の方を向いて仕事をして、ますます高齢化対策が増えてしまうんですね。

高齢者は資産を持っていますから、それを若い世代に移せるような制度というものを余程考えていくことと、それからまだ日本の財政力は、国債の発行まだ可能だと(私は思います)。

この間、日本の個人資産が大体1,700兆円と日銀が発表していましたけれども、日本の負債を全部集めても1,100兆円。

それでも日本は資産がありますから、本当の借金は半分ぐらいですよ。
まだ余裕があると思います。

そのお金を使ってやる必要があるということと、国民に今までのような国債ではなくて、「元本は返ってこない、だけれども利子はすっと支払い続ける」という『コンソル債』という方法がよく戦時中とられるんですが、これは『子育て債/子ども債』というので、国中でそういう形で「元本は返さないけど利子は永遠に国が支払い続ける」という。

これも資産を持っている人にとってみたら、おいしい話なんです。

こういうコンソル債が広がれば、コンソル債独自の市場が生まれてきて、そしてそこで取引が生まれますから、こういう形でお金を集めて、そして人口減に対しての対策費にしていくと。

子どもが少しずつ増えてくれば、段々やはり企業家のマインドも変わって・・・
今までだとどんどん少なくなっていくから、小売店を中心に「これ以上物を作っても/売ってもしょうがない」となります。

これからの投資を考えると、子どもが増えていくという、まぁ働くまで20年間減り続けるんだけれども、これから増えていくんだろうという風になってくれば、経営者のマインドも変わってくると、日本も凄く明るくなると思うんですね。

kk100川上 今お話を伺っていますとね、今なら間に合うんだけれども、今やらなければいけない/政治が決断しなければいけない。

子どもが増えていけば納税してくれる人たちも増えていくわけですから、政治が思い切った決断をして、今山田先生が仰ったような対策をとることで、「今やれば間に合う」という思いを私も強くいたしました。

人口問題は非常に難しい問題ではありますけれども、待ったなしの対策を迫られているということで、今日も山田先生、良いお話を伺いまして、ありがとうございました。

 

 

希望日本研究所 第5研究室

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