2016.02.15 格差社会

30歳の貯金額は?全貯金の85%を50歳以上が独占しているが・・

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30歳の平均貯金は? 日本の貯金の平均残高は1798万円とすると・・

30歳、仕事も慣れ結婚している人も増える頃、みんなどれくらい貯金できているかあなたは気になりませんか?

統計調査によれば、二人以上の一世帯あたりの貯金の残高の平均は1798万円です。

安心してください!
みんなこんなに貯金してるわけではありません。
これは全世帯の平均です。

実際、30歳代の平均貯金額は350~380万円と言われています。

 

ではなぜこんなに平均が高いのでしょうか。

それは、高齢者が貯金のほとんどを独占しているからです。

60歳以上の人が、全貯金の70%以上を持っています。
50歳以上の人ならば、その割合は85%以上にもなります。

 

ここでは、30歳の貯金の話からはじめて、日本の貯金の状況、さらには日本の格差の問題について書いていきます。

 

貯金の平均値のマジックを解く。中間値から30歳の貯金額を考える

実は、高額貯金の人が多いと平均値はあまり意味を持たなくなります。

例えば、100人いて、100人が10円ずつ持っていれば平均10円ですし、
一人が1000円、99人がゼロでも平均は10円です。

そのため、貯金の多い人から順番に並べていって、ちょうど真ん中の人が幾らになるか(中間値)を調べてみると実態が少しつかめてきます。

 

貯金の中間値は、1052万円となり約1900万円から半減することになります。

すると先ほど30歳代の350~380万円の貯金はかなり多いかもしれません。
30歳の貯金の中間値は200万円くらいです。

 

サラリーマンの年収の平均が400万程度(男性500万円、女性270万円)なので、結構貯金していることがわかります。

ちなみに、収入のうち貯金に回す割合は20歳代が14%、30歳代が12%と非常に高い割合となっています。

むしろ今の日本の若い世代は、将来のことを考え堅実に貯金をしていることがよくわかります。

 

江戸時代、明治、昭和の高度成長からバブルまで、日本の若者は「宵越しの銭はもたない!」という人が多いという風習はすっかりなくなってしまいました。

成長から、安定・低迷の時代に入ったのでしょうがないことですが・・・。

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30歳がコツコツ300万円貯金しても、ほとんどの資産は高齢者が所有する日本の現状

日本は格差のない社会?外国から見た日本がもっとも平等な国なわけ

外国人が日本に来た時「格差のない社会」に感心すると言われます。

それは、外国の人が格差を感じる視点がわたしたちとは異なるからのようです。

 

海外では、金持ちと貧乏人は住む場所や生活する場所だけでなく学校も異なります。
そして、金持と貧乏人はあまり混じることなく生活しています。
また、金持ちかどうかは年齢に関係なく、資産家の家庭なのか貧乏人の家庭なのかに寄るようです。

 

金持ちはロンドンのフラットやパリのアパルトマンと言われる超高級マンション、あるいはビバリーヒルズのような広大な敷地の邸宅に住みます。
一方貧乏人は、小さな集合住宅・郊外の小さな一戸建て果てはスラムに住んでいます。

 

学校も大学までのは金持ちは驚くほど学費(年間400万超)の高い私立に通っています。
一方貧乏人は、公立の学校で教育の機会は与えられますが決して恵まれた環境ではありません。

中世、王様が富も土地もほとんどを持っていて、庶民はそれでも毎日の生活を楽しんで生活するという歴史が今も続いているかのようです。

 

今の日本にはこのような格差はありません。

そのため、日本に来た外国人はほとんど差別なく混じり合って生活している日本の社会を見て、「驚くほど平等」な(全員庶民の) 状態に驚くようです。

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日本は資産格差を認めない社会システムで動いている?

一方で日本はどうでしょうか?

例えば、一時(かなり昔ですが)漫才「田園調布に家が建つ」で有名になった田園調布。
大正時代の開発当初は400~800坪の本当の屋敷が立ち並んでいたと言われています。

しかし今では相続税で一つの敷地はすっかり細分化されて、50坪以下の土地取引を制限しているような状況です。

40年くらい前までは、広い庭に車回しのついた大きな家、お手伝いさんと運転手のいる「釣りバカ日誌」の社長さんの家が並んでいる感じでしたが、今では見る影もありません。

 

なぜ街が破壊されたのか?
それは日本が世界で最も厳しい相続税を導入していて、3代も相続すると大抵の人は資産がなくなってしまうからです。

 

税金のかかる最低課税額が低いだけでなく、相続の税率も群を抜いて高いのが日本です。
例えばアメリカでは、10億円を越えなければ相続税はかからないし、その税率もの日本の何分の一程度です。

 

ピケティが格差が拡大していることについて説明しています。
働くことで得られる収入方が、資産が生み出す収益より少ないので格差社会になるととのことです。
その意味では、日本は格差を生み出さない理想の国なのかもしれません。

ではあなたは日本が格差のない社会だと思いますか?

 

30歳台貯金350万円、全世代平均の貯金1800万円の日本型の格差。それは世代間格差!

先ほど書いたように、日本は固定化された貧富の差の少ない平等な社会のように見えます。

しかし、貯金から見てわかるように、日本には世代間で大きな格差が実際には生じています。

比較的高齢の人たちばかりが資産を持っていて、若い人は無駄遣いをせずにコツコツ貯めているのにあまり資産を持っていないのです。

 

この状況は、戦後の日本の歴史が大きく影響しています。
戦後70年も経ちましたが、その日本の歴史が世代間の資産格差を生み、そしてその状況を固定化しています。

日本の経済成長とその余波、終身雇用・年功上列を受けた世代は、貯金をしたり資産を築きやすい環境の中で人生を送ることができました。

毎年のように給料はあがるだけでなく、ローンを組んで家や車を買えばインフレの影響もありローンの負担はどんどん軽くなります。
そして余った分は貯金としてさらにたまっていくのです。

年功序列で終身雇用なので、それほど出世しなくても、働いている期間が長いため、コツコツと貯金をしていれば、年齢を重ねればそれなに資産は形成されます。

 

一方で今の30歳台、小学校でバブル崩壊、就職氷河期の中で就職、その後も日本の景気は低迷したままでの中で育っています。

そのため環境の影響もあり、無駄遣いをせず身の丈に合った生活を楽しむ「ミニマルライフ世代」とも言われています。

贅沢せずコツコツ、毎月の収入の1割以上を貯金していますが、貯金の平均額は350万です。

 

確かに、貯金は長い年月をかければ貯まっていくので年配の方が貯金が多い傾向にはあります。

しかし、デフレ傾向の社会では、ローンを組めば返済期間中はむしろ生活は苦しくなります。
蓄財よりはむしろ生活が苦しくなってしまうのが現実です。

このように、日本には世代間に大きな格差があり、またそれが今の高齢者に固定化しているという大きな社会問題となっています。

 

貯金を抱えて死んでいく老人の国「日本」

また日本は、一生かけ貯金をして、使うこともなく貯金を抱えて死のうとする老人の多い不思議な国なのかもしれません。

 

ドイツ人とイタリア人の考え方が違うように、国によって多少の違いはありますが、それでも50歳から60歳くらいで仕事はリタイアします。

そして、年金と貯金を取り崩しながら、第二の人生を楽しむのが普通です。

イタリア人は、ちょうど死ぬときに貯金が尽きるように工夫するという話もあるようです。

そのため、退職時をピークとして貯金額が減っていくのが普通です。

 

しかし、日本は不思議なことに退職後の貯金額があまり減らない傾向があるのです。

老後は、年金で生活し、もしもの時のために、貯金は取り崩さないようにするのです。

そのため、資産のほとんどを高齢者が占めることになるのです。

 

当然ながら死んだら貯金を持ってあの世に行くことは当然できません。

死後、貯金は凍結され、相続税を取られるのを待つだけになります。

 

高齢者の高額の貯金は銀行で塩漬け

さらに、日本は資産運用する人が少ないという特徴があります。

資産のほとんどすべては持ち家と貯金です。

 

例え高齢者が多くの資産を持っていても、例えば株式等に投資されていれば、その資金は再投資されて日本経済を活性化するのに役立ちます。
しかし、銀行に貯金されていては、銀行が国債を買う程度しか運用されません。

老後の資金なので安全第一と考えるのもわかりますが、本当に塩漬け状態です。

 

一番金を持っている人が使わないのですから景気が良くなるわけがありません。

もし貯金にもマイナス金利がかかるようにでもなれば、今度はタンス預金として死蔵されることになるのでしょう。

 

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まとめ

ここでは
・30歳の貯金の実態
・貯金から見た日本の格差の実態
・資産を持っている世代が貯金を抱えて死んでいこうとしている実態
についてまとめました。

日本の景気を良くしたいなら、お金を持っている高齢者に使ってもらうような政策をもっと打つことが大切です。

今でも、子供の学費やマイホーム向けの相続税の控除など実施されてはいますが、それほど有効に機能しているようには見えません。

むしろ、多くの銀行に貯金を残した状態で死んでくれれば、いとも簡単に税金を取れるので良いということなのかもしれません。

 

(希望日本研究所 第一研究室)

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