2016.02.03 選挙

買い物ついでの投票が可能に!公職選挙法の改正で駅やショッピングセンターにも投票所が設置される?!

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「子ども連れでの投票」、「別の投票所での投票」など、改正公職選挙法で今までダメだったことが可能に!

選挙における投票率の低下が、問題になっています。2014年12月の衆院選では52.66%と過去最低を記録しました。

報道などでも、「政治離れ」がどんどん進んでいるとされ、なかでも、20代は32.58%と各年代で最も低い投票率になっています。

そうした状況を受け、今年(2016年)の夏の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることになりました。

それに加え、今回、さらなる投票率の向上に向け、様々な対策を盛り込んだ「公職選挙法改正案」が今国会で可決され成立しました。

選挙権年齢を「18歳以上」へと引き下げる6月19日に施行され、同じく夏の参院選から適用される見通しです。

公職選挙法を改正して、自治体ごとに投票率アップのための工夫の余地を広げることで、これまで選挙に足を運んでいなかった有権者に投票を促すのが目的です。

今回の改正では、旧態依然とした「投票」というシステムを、今の時代のライフスタイルに応えたものへ変えていこうとする努力が随所に見られます。

私たち有権者にとっても、利便性が向上し、投票意欲が上がることが期待できます。

では、具体的にどういった改正がなされるのでしょうか、詳しく見ていきましょう。

 

改正公職選挙法、特に重要な変更ポイントは4つ

① 選挙直前に転居しても投票が可能に

現在の公職選挙法の規定では、3カ月以上同じ住所に居住しなければ、投票ができないことになっています。

今年から新たに選挙権を持つ18歳以上の有権者が、大学進学や就職で3月から4月にかけて転居をした場合、今年夏の参院選に投票できない可能性が生じてしまいます。

一般的に18歳と19歳の若者は、春になると大学進学や就職などで親元の実家を離れる場合が多く、新たに選挙権を得ても、その年の夏ごろ選挙があった場合、新旧いずれの住所でも投票できないことになってしまいます。

これは、選挙の公示日から数えて3か月を切って住所を移した場合、新・旧どちらの住所の選挙人名簿にも登録されないことになるからです。

そこで、今回の改正では、公職選挙法の不備によるこうしたケースを避けるため、引っ越す前の住所に3か月以上住んでいれば、その引っ越し前の自治体で投票を認めるようにしました。

これによって、新しい住所で投票が認められるまでの3か月の間は、引っ越した後でも、以前の住所で投票できるようになります。

 

②市区町村内の有権者であれば誰でも投票できる「共通投票所」を設置

現在、選挙の「投票日当日」、二重投票の防止などのため、有権者は住民登録している市区町村の指定された「1か所」の投票所でしか投票できません。

それらの投票所は、一定地域ごとに1カ所ずつ設けたられた小・中学校や公民館などです。

その一方で、現行法でも「期日前投票」では各自治体の判断で駅やショッピングセンターなどに投票所を設けることが可能で、その市区町村に住民登録している人なら誰でも投票できるようにしています。

そこで、今回の改正で、投票の際の不便さを解消し低迷する投票率の向上させるため、期日前投票と同様に駅など人が集まる場所に、市区町村内の有権者であれば誰でも投票できる「共通投票所」を設置できるようにします。

それによって、わたしたち有権者は、指定投票所と共通投票所のどちらかを選択して投票に行くことことができるようになります。

「共通投票所」を開設できる場所はその自治体の区域内に限られ、設置するかどうか、何カ所設けるかなどは各自治体が判断することになります。

想定される設置場所としては、利用者が多い駅構内や駅前の商店街、若者の集まる大学、広い駐車場を持つ郊外のショッピングセンターなどになるでしょう。

これからは、買い物の「ついで」に投票できるようになるのです。

心配される不正やミスを防ぐための方策ですが、現在も、期日前投票所ではミスや二重投票を防ぐため、各投票所を通信(LAN)でつないで、誰が投票を済ませたかリアルタイムで確認できるようにしています。

新たにつくる投票日当日の「共通投票所」でも、その仕組みを使い、各投票所を通信回線で結ぶことによって不正やミスを防ぎます。

 

③期日前投票所での投票時間を大幅に拡大

さらに、改正公職選挙法では期日前投票の使い勝手も良くします。

現在は、期日前投票の投票時間は午前8時半から午後8時までとされていますが、改正によって、開所時間を今より前後2時間延長することができます。

各自治体の判断によりますが、最長で「午前6時半から午後10時まで」投票所を開けて投票することが可能になるのです。

投票時間が延長されることによって、夕方まで仕事のある方も投票できるようになり、家族や友人と昼間レジャーに出かける予定があっても、計画を変更しなくてすみます。

 

④子ども連れでも投票しやすく

現行の公職選挙法では、投票所内への同伴者は「幼児」や「やむを得ない事情がある者」に限られています。

今回の改正で、投票所に18歳未満の児童や生徒を連れて入れるようになります。

これには、投票日に子供連れでも投票しやすくすることに加えて、そういった子供たちのの政治への興味を促す目的もあるのです。

いままでも、「子どもたちの教育のため、投票の様子を見せられるようにしてほしい」との声が上がっていました。

家族でよく出かける場所に投票所を置くことによって、子どもたちに選挙を身近なものに感じてもらうことが重要なのです。

 

 

まとめ

選挙における投票率低下が止まりません。

投票の手段は以前に比べ柔軟になったにもかかわらず、有権者は投票所へと足を運ばないのです。

国民の大半は政治になんらかの関心があるのににもかかわらず、投票率が次第に低下しているという現実は、選挙というシステムそのものが今の時代のライフスタイルに応えていないという問題を示していると考えられます。

旧態依然とした古い投票システムが投票率低下につながっていたのです。

現代人のライフスタイルの多様化は、明らかに現行の投票制度からかけ離れています。

現在では、週末が休日であることが前提の「一般的なサラリーマン」という、日本人の生活や働き方のスタイルは過去のものになりつつあります。

ですから、今の時代のライフスタイルに応えたものへ変えていこうとする、

  1. 選挙直前に転居しても投票が可能に
  2. 市区町村内の有権者であれば誰でも投票できる「共通投票所」を設置
  3. 期日前投票所での投票時間を大幅に拡大
  4. 子ども連れでも投票しやすく

 

これら、今回の公職選挙法の改正の4つのポイントは、投票率向上のため非常に有効なものではないでしょうか。

さらに、それら各所に認証端末を設置して、マイナンバーカードによる本人確認が普及すれば、やはり投票率は劇的に改善されるかと思われます。

このように、実態と制度の乖離が近づいていくような制度改革を、今後もどんどん進めていってほしいものです。

※希望日本研究所 第8研究室

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