2016.02.19 格差社会

山田宏先生「2016年度予算」を解説!『高齢者に偏っているお金を子育て世代に回す政策転換が必要です』【動画】

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2016年度予算について山田宏先生が解説!『高齢者に重点が置かれるシルバー民主主義

3.3兆円の補正予算案が可決・成立した中、翌2016年度の予算も過去最高の96.7兆円の予算が閣議決定されました。

話題の『1億総活躍社会』に2.4兆円、中国を意識した『防衛費』も5兆円の大台を超える一方、選挙対策ともとれる『低所得高齢者への3万円給付』など、税金の使い道に首を傾げる国民も少なくありません。

高齢者に重点が置かれ、子育て支援など『次世代に向けた取り組み』が見られない現状について、山田宏先生はどうお考えでしょうか?

動画にて解説をいただきました。

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※ このページから直接動画をご覧頂けます。また、下部には文字起こしもございます。

 

山田 宏(やまだ ひろし) 国家経営研究会 代表理事 プロフィール

【経歴】
昭和33年生まれ
京都大学法学部卒業後、松下政経塾へ2期生として入塾
都議会議員を2期、杉並区長を3期、衆議院議員を2期務める
現在は国家経営研究会の代表理事

【著書】
「日本よい国」構想 (WAC出版)
第3の道 (マガジンハウス) 他

川上 和久(かわかみ かずひさ) 明治学院大学 教授 / 希望日本研究所 所長 プロフィール

【経歴】
昭和32年生まれ
東京大学文学部社会心理学科卒業
同大学大学院社会学研究科社会心理学専攻博士課程単位取得退学
東海大学文学部助教授等を経て現職
専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論

【著書】
イラク戦争と情報操作
「橋本維新」は3年で終わる
「反日プロパガンダ」の読み解き方 他

 

山田宏先生が語る「2016年度予算」以下よりテキストでもお読み頂けます。

kk100川上 <一般社団法人 国家経営研究会>の代表理事をしておられる山田宏先生と一緒に、今回は2016年度予算について、補正予算が先にありますけれども、2016年度予算ということで、96兆円を超える予算が閣議決定された。

この2016年度予算のあり方について、山田先生から色々なご解説をいただきたいと思うんです。

まず私思ったのですが、『1億総活躍』ということで2兆数千億円の予算が付いているんですが、フランスとかスウェーデンでは少子化に対して思い切った手を打たなければいけないということで、かなりの予算を使って、子育てとかそういうところについて思い切ったことをやって合計特殊出生率を上げている

それに比べると、私の実感では、まだやはり高齢者に対してはワーっといくんだけども、次の世代に対する予算の目配りって、それに比べるとどうなのかなぁ?という感想を持ったんですけれども、山田先生いかがですかね?

hy1山田 そうですね、やはりその点がまだ出だしでしかないと。

今ヨーロッパの一時少子化に悩んだ国々、フランス・イギリス・スウェーデンなど含めて、こういった国が1.8くらいの合計特殊出生率になっているんですが、日本も1.8を目指すという安倍さんの目標があります。

それを達成するには、いま日本は1.43ですから、ヨーロッパも1.5ぐらいまで下がったんですけれども、1.4まで下がっていないんですね。

そういった意味では大変な努力がいるんですが、ヨーロッパ各国はそこから「人口が減ったら大変だ」「子どもの数が減ったら大変だ」ということで、一気に方針転換をして、大体それぞれの国平均すると、GDPの2%~3%ぐらいの予算を家族や子どものために使うという風に変わっていったんです。

ですから、日本が500兆円のGDPとすると、10兆円~15兆円という規模なんですね。

ところが今お話があったようにですね、日本の子育て政策に掛かっているお金というのは5兆円にも足らないわけで、結局1%にも満たないという状況では、なかなかヨーロッパ並みに回復させるのは、お金だけの問題じゃないけれども、私は厳しいかなって感じですね。

kk100川上 一方で、社会保障費ということで、これは高齢化社会で増えていかざるを得ないにしてもですね、ある程度の財政規律を持たせているにしても30兆円。
で、これはどんどん増えていく。そういった中から、うまく若い人たちの子育て支援とかに回せないもんなんですかね?
hy1山田 1億総活躍ということは、高齢者も女性もみな活躍できるという、子育ても重要な大活躍なんですよ。

女性に働いてほしいということではなくて、働きたい人は働く、だけれども家で子育てする人はこれも立派な活躍ですから、その点は大事だと思うんです。

だから、そういうものにもお金をきちっと掛けましょうということですが、他の国から比べても、高齢者に重点が置かれすぎているということから考えて、なるべく高齢者の方々もずっと健康寿命を延ばすというための政策に転換をしていかなければならないですし、自分で負担できるものは負担していただくと。

また、働きたい/収入を得たいという人は、働いていけるということで、また年金も十分資産がある人が年金を受け取っているという状況ですから、そういう人たちが返上してくれれば、まぁ褒賞を出すというようなぐらいですね、少し高齢者に偏っているお金を子育て世代に回すという、そういった分かりやすい政策の転換が必要だと思いますね。

kk100川上 その入口に次年度の予算が立っているかもしれないけど、やはり10年20年かけてやっていかなければいけない課題かもしれないですね。

それと私1つ思ったのは、防衛費が5兆円を突破したと。

中国の海洋進出など、やむを得ない部分があると思うんですけれども、この防衛費の伸びは、中国がああいうかたちでやってくる以上はどうしても避けられないんですけれども、この防衛費についてはどういう風にして効率的にやっていけばいいと山田先生お考えでいらっしゃいますか?

hy1山田 かなりの部分は人件費とか自衛隊員の年齢が高くなってくる、こういったところだと思います。

ですから、日本の防衛費は、これも国際比較で申し訳ないんですが、韓国はだいたいGDPの3%ぐらい、アメリカだって4%ぐらい出している。
日本で言うと15兆円10兆円というのは、ヨーロッパ各国みても、だいたい防衛費というはGDPの2%~3%。

ですから、日本が1%未満、まぁ1%ちょっと超えましたが、全体からみると、これだけ平和の恩恵を受けている国が出す防衛費としては少ないとみていいと思うんです。

ただ、今の国の財政状況から見ても、なかなかすぐ大きく増やせないということであれば、なるべく必要なところに効率的に出すということとか、装備はうんと高度化していく必要があると。

将来的な装備のあり方は、もう少し日本はハイテク化といいますか、もっと言えばロボット化ですね、ロボットができるところはロボットにすると。

そういう方向性を打ち出して、その防衛産業がまた裾野を広げていくというようなことが、日本のあり方としては考えられるのではないかと。

子どもの数が減っていますから、なかなか自衛隊員をこれからまた増やしていくことも大変になっていく状況の中で、どうやってこの日本の防衛をきちっと守っていくのかということになると、質の大きな転換が必要になってくるんだろうと思います。

kk100川上 5兆円超の予算の中で、何とかそういう日本を守るための質を担保していく。

これもやはり1年2年ということではなくて、10年先を見越してやっていかなければいけない課題だと思うんですね。

2016年度予算案ということで、要点だけを山田先生にお伺いしましたけれども、これから国会の中で予算の審議が始まります。

自分たちの将来のためにどういう予算の使い方が必要なのか、ということを皆さんにもぜひお考えいただきたいと思います。

 

 

希望日本研究所 第5研究室

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