2015.12.22 アメリカ大統領選挙

ヒラリーVSトランプ!日本政府はどう出る?アメリカ大統領選挙の行方を大胆に占ってみた!!

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意外と知らないアメリカ大統領選挙の仕組みをわかりやすく解説しました

「メキシコ移民は、アメリカに薬物や犯罪ばかり持ち込んでくる。彼らはレイプ犯だ」

「俺はとてもリッチなんだ。政治活動に誰のカネも必要ない」

アメリカ大統領選挙の候補者として名前が挙がっている共和党の有力候補ドナルド・トランプ氏が発した過激な発言です。

2016年はアメリカ大統領選挙の年。

日本でも関心が徐々に高まっています。

ここでは日米同盟の相手国、アメリカ大統領選挙の仕組みをわかりやすく説明すると同時に、だれが新たな大統領になるか、それにより日本はどう対応すべきか、識者の解説などにより大胆に占ってみました。

 

 

アメリカ大統領選挙の仕組みとは

アメリカ大統領選挙は2016年11月8日に投票が行われます。

オバマは退き、新たな大統領が生まれます。

アメリカ憲法修正第22条の規定で、連続10年が禁止されているため原則3期はダメ、2期8年大統領を務めたバラク・オバマの再選は認められないのです。

アメリカ大統領選挙の仕組みは、実は意外と複雑です。

前々回2000年の選挙では、総得票数ではゴアがブッシュよりも上回っていたにもかかわらず、最終フロリダ州を獲得、獲得州数はブッシュが多かった為、ブッシュが大統領に就任したのです。

なんでこんなことが起こるのでしょうか?

全米の総得票数はゴアが多かったのですが、アメリカ独特の仕組みがあるため、ブッシュが大統領に就任したのです。

アメリカ大統領選挙での独特の仕組みとは、「大統領選挙人」と「勝者独占方式」です。

ある州で大統領選挙人が29人いて、候補者はゴアとブッシュ、有権者が投票した結果、ブッシュが1票差で勝利、そうすると29人の選挙人すべてをブッシュ候補が獲得できることになるのです。

大統領選挙人はあらかじめ支持候補を明示します。
例えば上記のある州は15人がゴア、14人がブッシュだったとしても、投票の結果、1票でも多く、勝利した候補者を選挙人は支持しなければならない仕組みが「勝者独占方式」なのです。

これがあるため2000年選挙のような現象が起こるのです。

全50州で各政党によって指名された大統領選挙人は総勢538人になります。
最大のカリフォルニア州55人から、バーモント州、アラスカ州などの各3人までに分かれます。

「勝者独占方式」により50州の538人のうち、過半数の270人の大統領選挙人を獲得できれば実質的に次期大統領が決定します。

11月の本選挙で実質的には大統領は決まるわけですが、12月中旬に形式的な「選挙人投票」が行われ、翌年1月、上下両院の合同会議で開票して正式に当選が確定します。

 

アメリカ50州・各州ごとの大統領選挙人数

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無題

 

アメリカ大統領選挙の予備選挙

アメリカ大統領選挙が複雑と言われるのは上記、本選挙の前に、さらに予備選挙があるためです。

アメリカ議会は、民主党と共和党の二大政党が競っており、大統領も、どちらかの政党から選ばれています。

政党とすれば、共和党は保守、民主党はリベラルの立場をとるといわれます。

一般的に共和党は大企業優先で規制緩和、小さな政府志向であるのに対し、民主党は中小企業重視、弱者救済に重きを置き、大きな政府志向であるといわれます。

現大統領のバラク・オバマは民主党、その前のブッシュは共和党でした。

予備選挙とは民主党と共和党が、それぞれ候補者を1人に絞るものです。

この大統領予備選挙においても「代議員」と「勝者独占方式」(最も多い方式)という仕組みが導入されます。

アメリカ50州ごとで有権者が民主党と共和党両党の立候補者のうちからそれぞれ候補者1人を選出する時の方法です。

例えば、カリフォルニア州で民主党の立候補3人への投票の結果、A候補者が最多得票だとすると、A候補、B候補、C候補それぞれを支持していた代議員すべてをA候補が獲得できるというものです。

基本的には本選挙での「大統領選挙人」「勝者独占方式」の仕組みと同じです。

「代議員」そのものの選出は各党が全米50州ごとに決めています。

前々回2000年大統領選での代議員数は、民主党が4334人、共和党2065人でした。

1月のアイオワ州を皮切りに全米各州で6月まで予備選挙が続きます。

このうち各党の最終候補者が実質的にほぼ確定してしまう3月上旬の火曜日を「スーパー・チューズデー」と呼んでいます。

両党とも過半数の代議員(支持)を獲得した候補が党の大統領候補になるのです。

 

アメリカ大統領選挙スケジュール

予備選挙
(民主党、共和党両党の候補者選び)
1月 アイオワ州から民主党、共和党両党の予備選挙・党員集会がスタート
3月 スーパーチューズデー(予備選挙・党員集会の集中日、両党の最終候補者がほぼ確定)
7月~9月 両党の全国大会で大統領候補者を正式決定
本選挙
(候補者同士の争い)
10月 公開テレビ討論会、全国遊説
11月8日 一般投票・開票(有権者による投票、実質的に次期大統領が確定)
12月 大統領選挙人による投票
1月 開票、次期大統領が正式決定

※アメリカ大統領選挙:予備選挙があり、本選挙がある。それぞれ実質的には直接選挙なのだが、形式的には、「代議員」と「勝者独占方式」、「大統領選挙人」と「勝者独占方式」を採用している間接選挙になっているため、わかりにくくなっている。

 

 

2016年アメリカ大統領選挙の候補者の横顔

2016年アメリカ大統領選挙に名前が挙がっている候補者は、

共和党が

☑ ドナルド・トランプ氏(不動産王)
☑ ベン・カーソン氏(元神経外科医)
☑ ジェブ・ブッシュ氏(元フロリダ州知事)

民主党が

☑ ヒラリー・クリントン氏(前国務長官)
☑ バーニー・サンダース氏(上院議員)

です。

このうち最有力と言われる共和党のトランプ氏(共和党以外から出馬という報道もあります)と民主党のヒラリー氏の横顔に触れてみたいと思います。

いま全米ではトランプ氏(69)の過激な発言がメディアを賑わせています。

例えば

「イスラム教徒は入国禁止にすべきだ」
「シリアからの難民に言っておくことがある。私が大統領になったら、帰ってもらうことになる」

といったようなラジカルな発言が多いのです。

この劇場型ともいえる言動で国民の人気を集めているといわれます。

日本に対しても

「誰かが日本を攻撃したら、われわれは救援に駆け付けなくてはならない。でも、われわれが攻撃を受けても日本は助けにこなくていい。こんな取り決めは割に合うだろうか」

と日米安保条約の不公平さに触れています。

もともと日米安保は、日本が外国から攻められた時、アメリカが日本に軍隊を出して守る、しかしアメリカが外国から攻められた時は、集団的自衛権を認めていなかったため日本は出動できない、という一方的なものでした。

これは今回の集団的自衛権をポイントとする安保法制で一般的には解消されたように見えます。

しかし安保法制は、日本国憲法9条の枠内での限定的なものでもあり、トランプ氏が大統領になれば、こうした点をついてくるのではないかと思われます。

一方、民主党の有力候補ヒラリー氏(68)は、いわずとしれたクリントン元大統領の夫人です。

2008年の大統領選に出馬するが民主党候補指名争いでオバマ氏に敗北、その後、オバマ政権で国務長官を4年間務めています。

そして大統領になればアメリカ初の女性大統領の誕生となります。

The President, First Lady, and Chelsea on parade down Pennsylvannia Avenue on Inauguration day.

The President, First Lady, and Chelsea on parade down Pennsylvannia Avenue on Inauguration day.

 

 

2016年アメリカ大統領選挙の行方

では2016年アメリカ大統領選挙の行方はどうなるのでしょうか?

ある識者は、2016年の米大統領選に向け注目の共和党のドナルド・トランプ氏が、民主党候補に勝ち、大統領になれるかと言えば、その可能性は、ほぼゼロだ、と述べています。

ジャーナリストの池上彰氏と評論家の佐藤優氏は対談で、その理由や背景について

アメリカの人口のうち、黒人、ヒスパニック、アジア系が現在、約37%を占めていて、これが、2020年頃には50%になるでしょう。つまり、非白人の人口が増える流れから言うと、伝統的なエリート層とウォルストリートしか見ていない共和党は、おのずと大統領選挙に勝てなくなります

と指摘します。

要は今でも貧困層の非白人人口が増え、その層が民主党の掲げる大きな政府による福祉政策などを強く求めており、そのため大統領選挙でも有利だというのです。

そして民主党ヒラリー政権が誕生する可能性がかなり高いとしています。

ただ両氏の対談で、ヒラリー政権が誕生すれば

オバマ民主党路線との違いを見せて、民主党の生き残りを図る。ヒラリーが大統領になれば、今よりも価値観を前面に押し出した外交になって、戦争が起きやすくなるでしょう。
そもそもアメリカにとって、戦争は、一種の公共事業のようなところがあります。定期的に行う必要がある。そろそろ、その周期がきている感じがします。

恐ろしく不気味な予測をしています。

「弱いアメリカ」を体現している現オバマ大統領に対して、プライドの強いアメリカ国民の批判や不満に対し、新たに誕生する女性大統領は「強いアメリカ」を示す可能性がある、というわけです。

 

 

アメリカ大統領選挙に対し日本はどうするか?

2016年アメリカ大統領選挙の行方は、もちろんまだわかりません。

しかし、もし「強いアメリカ」を体現させようとする大統領が誕生して、仮にアメリカが戦争をしたとすれば、今回の集団的自衛権をポイントとした安保法制が機動する可能性もあります。

安保法制は日本の憲法9条の枠内で成立したものです。

強いしばりを前提に、日米同盟を強化し、安全保障上の抑止力を高めるために導入されました。

例えば、アメリカに頼まれて関係のない戦争に巻き込まれるのではないか?という危惧がありましたが、安保法制は、「日本国民を守るために限る」ため、かつての湾岸戦争や、イラク戦争のような戦争へは参加はしません。

今回成立した安保法制を超えた要求はされないと思いますが、新しいアメリカ大統領が、何を日本に求めるかなど、よくよく見極めていく必要がありそうです。

2016年アメリカ大統領選挙の行方を、日本は見過ごすことはできないのです。

 

※参照:池上彰・佐藤優「大世界史」

 

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※希望日本研究所 第6研究室

 

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