2015.12.18 有識者講演動画

田村重信先生と読み解く安保法制!自衛隊は地球の反対側まで行って戦争する?!

4
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

自民党政務調査会調査役の田村重信先生と平和安全法制を考える!「海外の戦争に巻き込まれる?」

 

 

田村 重信(たむら しげのぶ) 自由民主党 政務調査会 調査役

【経歴】
昭和28年生まれ
拓殖大学卒業後自由民主党宏池会職員を経て自由民主党本部職員
政調会で国防を担当、政務会長室長、総務担当などを歴任
慶応大学大学院法務研究科非常勤講師(2014年3月まで)
国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)客員研究員

【著書】
安倍政権と安保法制
平和安全法制の真実 他

 

川上 和久(かわかみ かずひさ) 明治学院大学 教授 / 希望日本研究所 所長

【経歴】
昭和32年生まれ
東京大学文学部社会心理学科卒業
同大学大学院社会学研究科社会心理学専攻博士課程単位取得退学
東海大学文学部助教授等を経て現職
専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論

【著書】
イラク戦争と情報操作
「橋本維新」は3年で終わる
「反日プロパガンダ」の読み解き方 他

 

 

田村重信先生と平和安全法制を考える!「海外の戦争に巻き込まれる?」

上の動画をテキストでもお読みいただけます。

14

kk100川上 平和安全法制を議論しているときに、『戦争法案』だとか、「こういう法案ができると海外での戦争に巻き込まれる」といった批判が結構あったんですね。

こういう批判に対して、それは当たらない(そんなことはない)ということを、田村先生にご解説いただきたいと思います。

st田村 大体『戦争法案』ということ自体ありえないんです。

なぜかと言ったら、先生もご存知のように、国際法上「戦争は違法行為」と言われているでしょ?
違法行為に法律を作れるはずがないでしょ?

我々は『平和安全法制』と言い、反対する方は『戦争法』と言っているわけだから、まさに「戦争法だ!」と言っている人たちはデマでしかない、ということを、まずきちっとご理解いただきたい。

kk100川上 戦争ということに関していえば、日本国憲法の規定だけではなくて、パリ不戦条約(1928年8月)があって、「戦争はしません」と条約で交わしているわけですよね、実際に。
効力は期間があったわけですけれども。その意味では、やはり「戦争をしない」というのが原則になっているわけですけれども、例えば『後方支援』という言葉がございます。自衛隊が戦争をするのではなくて、そういった紛争がある地域において後方支援をするというようなことで、今回の平和安全法制ができているわけですね。

そのへんの歯止めと言いますか、「こういったことだからこういう法案を作ったんだ」という、そういった後方支援を交えた背景とか、ご解説いただけますでしょうか。

st田村 まさに「戦争に巻き込まれる」とか「自衛隊が海外に出て戦争をする」というような、ある意味デマですけど、それはないですね。

それは安倍総理が記者会見でハッキリ言っています。

 

例えば湾岸戦争とかイラク戦争に自衛隊が戦闘に直接参加することは、今までもなかったし、これからもありませんと明言しているわけですから、そこはやはりきちんと分かっていただきたいですし、そこがまずベースです。

それに対して「そうじゃない!」と言う人がいますけど、それはデマでしかない。

それと、今先生が言われたところですが、極めてややこしいんですよ。

なぜかと言ったら、自衛隊は軍隊ではありませんから、海外での武力行使はしてはいけないんです。
軍隊として扱われるけど、外国の軍隊と同じような武器使用というのはできないです。

ではどうなっているかと言うと、「武力行使に当たらない、一体化しない」というかたちになっているわけです。

PKO法の場合は、参加5原則というのが法律の中に入ってまして、決して武力行使に当たらないような仕組みになっています。
これも今回同じですね。

それから『周辺事態法』というのがありましたけれども、これは後方地域支援。

例えば朝鮮半島で何か起こったときに、米軍が朝鮮半島に出ていきますよね。
そのとき日本が一緒に行くということはありません。
米軍を後ろの方で、武力行使と一体化しないような後方支援をやる、というような話です。

それから『テロ特措法・イラク特措法』というのがありました。

これは有名な非戦闘地域で、戦闘が行われていない所でやる、ということなんです。

ではこれが今度どうなったかと言うと、まさに旧周辺事態法である『重要影響事態法』と、新法である『国際平和支援法』、これらはどういうことになるか。

「現に戦闘行為を行っている現場では、支援活動を実施しない」ということになっていますから、戦闘行為が行われていればですね、活動できないわけです。

だから戦争に巻き込まれない。

また、現場で「将来戦闘が行われそうだ」となったら、部隊長の判断・命令で、すぐ避難して戻って来ることができます。

ですから、自衛隊が海外で、米軍だとか国連の関係で色んな人道復興支援だとかPKO活動とかやっていますけれども、これは武力行使と一体化しないということになっていますから、戦争に巻き込まれるという心配は、今までも現実なかったですし、これからもないということだと思います。

kk100川上 この原則は、海外において自衛隊が新しい役割を果たすにあたって、「憲法の範囲内でどういうことができるか」ということで、PKO法もあり、イラク特措法もあり、積み上げてきたわけです。

その延長線上で、今回の平和安全法制も、自衛隊が海外で活動し、しかも「戦争には巻き込まれないような形でどのように国際貢献していくか」という理念のもとに作られている、ということですね。

st田村 それから、よく話題になっている「限定的な集団的自衛権の行使」という話なんですけれども、『武力攻撃事態法改正』ということで、これはまさに「存立危機事態の対処について」と。

1

これは『武力の行使』の新三要件を法制化して限定的な集団的自衛権の行使ができるわけですけれども、(フリップの右下に)× が書いてますね。

「他国防衛それ自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められない」と。

だから、アメリカを守るために集団的自衛権を行使できるなんてことはないんです。
結局、自分の国を守る。

それが部分的には国際法上では集団的自衛権の一部に当たると。
そこんところは今回OKにしましょうねと。

例えば、朝鮮半島から日本人がアメリカの船に助けてもらって、日本の近海に来たとき、アメリカの船が外から攻撃されたら、海上自衛隊が助ければ良いわけですけど、助ける場合は、自分が攻撃されていない場合は集団的自衛権と言われるんです。

この例でいうと、船に日本人が乗っているわけですから、助けるようにしましょうねということなんですね。

そこを、何でもかんでも「外国の戦争に参加」するとか「アメリカが困ったらアメリカまで行って戦う」とか、そういうデマがありますけど、そういうことでは全くないということをご理解いただきたいと思います。

kk100川上 あくまでも憲法の範囲内で、他国防衛ということではなくて。

「地球の裏側まで行って戦争するのか」なんて批判がありましたけれども、今回の平和安全法制はそういうことではないということを皆さんにご理解いただけたかと思います。

 

 

希望日本研究所 第5研究室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

タグ一覧

有識者講演動画関連記事

有識者講演動画関連記事をすべて見る