2016.04.07 格差社会

報われない低所得者「ワーキングプア」。明日は我が身の恐怖

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報われない低所得者「ワーキングプア」とは

日本ではあまり聞かなかった「ワーキングプア」、一生懸命働いているのに生活は一向に楽にならず、報われない低所得者のことを指しています。

アメリカでは2004年ごろに社会問題として話題となりました。
長時間も働いても、ギリギリの生活を維持することも難しく、むしろ生活保護よりも低い水準の生活をしている人たちのことです。

病気やひとり親などの状況もあり、ダブルワークは当たり前で、一生懸命働いているにもかかわらず「報われない」、そしてそこから到底抜け出すことができない、というアメリカの社会の低所得者の深い闇を示していました。

一方、2004年ごろの日本では、確かに周りと比較して貧乏な家庭はあるけれど、ちゃんと働いているのに生活を維持できない、「報われない」ということは、まれにしかありませんでした。
当時は「ワーキングプア」は、海外特有の格差社会の問題だと思っていました。

しかし今、「ワーキングプア」という言葉が日常的にニュースや雑誌の記事に登場します。
「ひとり親家庭の貧困化の進行」、「学費と生活費を稼ぐために風俗で働く学生」、「生活保護がもらえず餓死」、「子どもの6人に一人は貧困」などなど毎日のように報道されます。

生活保護を受けている人よりも、過酷な生活を強いられている人が日本の社会の中に、それも相当な数の人がいることが明らかになりました。

そして、あなたも気づかないうちに「ワーキングプア」予備軍になっているかもしれません。
今の日本は油断していると、あっという間に足をすくわれて、ワーキングプアから貧困に真っ逆さまに落ちてしまうかもしれない社会になりつつあるのです。

これは一体どういうことなのでしょうか?
こんな視点でまとめてみました。

■ もしかして私はワーキングプア?ワーキングプアの実態
■ 自分ではどうしようもない?ワーキングプアの社会的背景
■ 気づいた時にはもう遅い?あなたはワーキングプア予備軍になってはいないか?そして貧困に?
■ 終身雇用・年功序列の日本型会社がワーキングプアを助長する?
■ 正社員(既得権側?)になっても報われるとは限らない、
■ リストラでなくても、中年貧困の危機があなたに忍び寄る
■ 日本社会はセーフティネットも命綱もない綱渡り社会
■ 生活保護をもらえば本当に楽になるのか?
■ こんなにも問題となっているのになぜ救済されない?誰か得をしているのか?
■ ワーキングプアから抜け出すために。残念ながら、いま頼れるのは自分しかし・・・

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ワーキングプアの実態

日本では明確な規定をしていないようですが、一般にワーキングプアの年収は200万円以下と言われています。

日本の給与所得者の平均年収が414万円と言われているので、半分以下の年収になります。

低所得者でも所得税率を5~10%を納めるので、実質の手取りの15万円/月以下、この中から家賃や光熱費、食費を払うと使えるお金はほとんど残らないのが実態です。

一方、生活保護がおおよそ12万円/月、子供がある場合は加算されます。

一生懸命働いている額と生活保護費がほぼ同額か、多くは生活保護以下になるようです。

公的な補助が無い低所得のワーキングプアは、当然蓄えもなく、やむを得ない突然の出費や健康を害して働けなくなれば、その生活はあっという間に破綻してしまうことになります。

 

なぜいま?報われない低所得者ワーキングプアが日本で増えている社会的背景とは?

日本人の所得の推移とワーキングプア

日本は世界にもまれな高度経済成長(1954-1973)を遂げました。

若い人には実感がないかもせれませんが、一時の中国のような成長が20年弱も続いた、世界にも例を見ないような発展をしました。

そのため70年前戦争で焼野原だった東京は、今では摩天楼が立ち並んでいます。

 

そしてその過程で、世界でもまれに見る平等な社会を実現したのです。

生活に困るほど貧しい人も、小さな国の国家予算ほどの資産を持つ金持も相対的に少ない (良くも悪くも)「一億総中流」と言われる社会を、もしかしたら世界で初めて実現しました。

下の資料からわかるように、左から1/3くらいのところに大きな所得の塊ができています。

そしてグラフのすそ野が比較的短いのが日本の特徴です。

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しかし、バブル崩壊後本格的に成長が止まり、停滞・衰退期に入りました。

長い歴史を通して成長し続けた国はありません。

むしろ20年近く成長を続けた日本の高度成長は奇跡だったのです。

そして、一億総中流だったことが逆にあだになり、「一億総下流化」傾向に陥っています。

実際、平成7年には554万円だった平均所得金額は、平成26年には528万円にまで下がってしまいました。

平均値は特に所得の多い人が居たり、特に貧しい人がいれば、全体のイメージが狂ってしまうことがあります。
そこで、所得の多い人から順番に並べてちょうど中間の人を中央値として比較することがあります。
こちらで比べてみても平成7年は545万円、平成26年には415万円とさらに下がってしまいました。

つまり、一億総中流と言われていた所得分布の山全体が、この20年間で所得の低い方にギュッと寄せられたような状況です。

前の図に比べてグラフが左(低所得)の方へ移動し、左から1/4くらいがピークになるように山が移動しています。

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また、サラリーマンの平均年収の推移を見てみると、平成9年で467万円をビークに下げ続け、平成25年には414万円と12%も減少しています。(平成25年民間給与実態統計調査結果)

 

さらに、生活の豊かさを一番簡単に知るには可処分所得(収入から税金などを除いたもの)を見ればわかります。

日本の可処分所得は1999年がピークでぞの後どんど減り続けています。

そのため、生活にかかる支出(消費支出)もどんどん減っている状況です。

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また、家計所得に対する飲食の割合(エンゲル係数)が高いほど生活水準は低いといわれています。

2000年から23%台前半で推移してきたエンゲル係数は、2013年には23.6%、2014年には24%と急激に上昇しています。

消費税が8%に増加した影響もありますが、ギリギリの生活で消費支出が伸びていない一方で、収入が減少していることをよく表しています。

 

意識せずに進んだ下流化で、気づいた時にはあなたもキングプア、そして貧困はすぐそこに

この20年間で日本人はだんだん貧しくなってきていることは前に書いた通りです。

さらに、一億総中流であったことがむしろ災いして、「中の下」くらいだろうと思っていた多くの人が、自分でも気づかないうちにワーキングプアの予備軍になってしまっています。

日本全体の賃金が下がっているため、今まで「中の下」だった人が「下流」に、「下流」だった人は「貧困」になってしまってしまう負の玉突き現象が生じています。

さらに悪いことに、自分がワーキングプアの予備軍となっているにもかかわらず、自分のことを「まだ中流」と言い張っている人が多いのです。

実際、2005年自分が中流とアンケートに回答した人は約54%、その後、日本中の所得が減少しているにもかかわらず、2014年でが56%が自分は中流と思っており、ほとんど変化していません。(内閣府「国民に関する世論調査」)

隣の家も同じように少し貧乏になっているので、「やっぱりうちも中流」といことになるようです。

よく言われる「ゆでカエル」の状況で気づいた時にはもう遅い、ギリギリの生活の人はあっという間に下流社会へ仲間入りということになりかねません。

自分の状態に気づかずに、手遅れになってしまうこともワーキングプアが増える大きな原因になっています。

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日本を成長させた雇用形態の維持が、むしろ今ワーキングプアの報われない働き方を助長している

日本が戦後、奇跡の成長を実現した背景には、年功序列・終身雇用の仕組みがあります。

自分のスキルアップは二の次で会社に尽くしていれば、年齢とともに給料も上がり生活も良くなる。
とにかく会社を盛り立てれば定年までの生活も安定するという仕組みです。
こうして会社は競争力をつけて収益を獲得し、家族として社員に還元できる。

しかし、成長が止まってみると、今まで見ないことにしていたものが、無視することのできない大きな社会格差の問題となって顕在化してきたのです。

この仕組みは、日本の社会が成長し続けることを前提としていて、その前提が崩れれば不幸な「報われないワーキングプア」がどんどん増え続けていく仕組みだということが分かってきました。

 

非正規雇用は、働いても報われないワーキングプアに!

経済成長が陰り始めると、終身雇用を前提として人を雇うことは会社の固定経費を高止まりさせてしまい、経営のリスクを高めることになります。
そのため、低迷している自由経済の社会では、正規社員を雇わなくなるのは、当然のことです。

そのかわり、安く雇うことのできる非正規社員で、需要の変動などに対応することにしました。
人手が足りなければ安く雇い入れ、必要けれな契約終了後さようならです。

 

実際に、非正規雇用の収入は正規雇用の1/3ほどでしかありません。

正規雇用者の賃金は477万円に対して、非正規雇用の賃金は167万円と大きな格差がついています。(平成26年)
そして年収167万円は立派な低所得者・ワーキングプアです。

同じ職場で、同じような仕事をしていても、こんなに賃金の格差が出ているのです。

 

もし過去の日本のように、非正規雇用の人の割合が少なければ社会問題にはなりませんでした。

しかし、昭和59年では全体の13%しかいなかった非正規雇用者は、平成26年には37%を超えてしまいました。

このようにして非正規雇用の問題が、低所得状態が社会問題として明らかになってきました。

非正規

 

正規雇用者でも、ワーキングプアに!

今までは非正規雇用の数が少なかったので、賃金や雇用の不安定さなどのしわ寄せを非正規雇用者に押し付けることで、抜本的な対策も講じることなく、従来の社会システムを固持してきました。

しかし、近年、非正規雇用者が増え、それに従い社会的差別の問題がクルーズアップされ、その結果派遣法が改正されるなど、非正規雇用者への一方的なしわ寄せは社会的に通用しなくなってしまいました。

 

そこで今度は、格差を押し付けてきた側の正規雇用者にもその影響が出始めました。

景気はさらに低迷、企業収益の確保のために、非正規雇用者から搾取するだけでは追いつかず、今度は、正規雇用の働き手にサービス残業・過重労働を強いることを始めます。

俗に言う「ブラック企業」です。
ブラック企業は、サービス業などが問題化して、その実態が明らかになってきました。
しかし、ブラック企業「的」な労働は、どこの企業内にも派遣社員がいるように日本中の会社で行われています。

経営者の立場からすれば、(非正規雇用よりも少し多いが)最低の賃金のみを保障して、(違法ですが)できるだけ長時間の労働を義務化できれば、経営?の効率化を実現することは可能です。
つぶれそうな低収益企業では生き残りの道はこれしかない場合もあります。

 

一方、正規社員でいることに固執する人は、実際には非正規社員になると収入が今の何分の一に減ってしまう恐怖があるので、雇い主がどんな無理難題を言ってもクビにならないために従う構造が出来上がります。
むしろ規制のある派遣社員よりも、正規社員の方が無理を言っても大丈夫なくらいです。

もし無理をさせ過ぎて、加重労働でやめる人がいても、正社員になりたい人はいくらでもいるので、その代わりはいくらでもいるのです。

 

そのため、他にアルバイトもできないくらい時間的にも拘束されているにもかかわらず、最低限の賃金で働く正社員のワーキングプアが生まれてくることになります。

あまりに正社員の店長の負担が多すぎて、従業員がむしろアルバイトになることを希望するという冗談にもならないような現実が、ある牛丼チェーンでは起こっていたとの話もあります。

 

終身雇用・年功序列の勝ち組のはずの中高年も、ワーキングプアに!

いままでは、ワーキングプア・非正規雇用の問題は、就職難で新社会人として正規雇用されない若者や離職後正規社員になれないなど、比較的若い世代のことのように考えられてきました。

確かに中高年のサラリーマンは、7割以上は正規社員として会社に勤めていました。

しかし今、55~64歳の非正規雇用率は50%にもなっています。

 

人口の将来変化に対応できず制度的には破たんしている今の年金制度を維持するため、2012年に65歳までの雇用が法律で定められました。

公務員は国民の税金なので、法律で決めれば、自然と定年が伸びて安泰で、それで終わりです。

しかし、一般の民間企業は儲けて給料を払わくてはいけません、国が支援してくれるということはほとんどないので自分たちで工夫するしかありません。

そこでいったん60歳で定年として、その後非正規雇用で雇い直す例が増えているようです。

下の図は、年代ごとの非正規雇用の人数ですが、非正規雇用の人が増えているだけでなく、赤い部分(55~64歳)が年々大きくなってきています。

中年非正規

 

特に、人口の多い団塊の世代の退職の影響が大きく、統計の約50%という数字に表れています。

これは労働力調査という別の調査から数字を調べてきました。

■正規雇用者の割合:62.6% 非正規雇用者の割合:37.4%

■15~24歳
正規雇用:69.3% 非正規雇用:30.7%(347万人)
■25~34歳
正規雇用:72.0% 非正規雇用:28.0%(1082万人)
■35~44歳
正規雇用:70.4% 非正規雇用:29.6%(1343万人)
■45~55歳
正規雇用:67.3% 非正規雇用:32,7%(1150万人)
■55~64歳
正規雇用:51.7% 非正規雇用:48.3%(872万人)
■65~ 歳
正規雇用:26.3% 非正規雇用:73.1%(320万人)

 

年金支給の影響で65歳まで働きたい退職者は多く、一方で同様の能力なら非正規で若い人材を雇うこともできる状況です。
能力ではなく年功序列のシステムで比較的高い賃金を得ていた退職者も多いわけですから、今度は能力と経験と気力(若さ)の市場価格で賃金が判断されることになり、実質は数分の一の収入に落ちることもあります。

職業安定所で、「何ができますか?」と問われたリストラされた中高年のサラリーマンが、「部長ならできます」と答えたという話がありますが、終身雇用と年功序列のぬるま湯で廃人のようになったサラリーマンがこれからどんどん冷たい世の中に放りだされていくのです。

この前まで、会社で上司とし派遣社員に仕事を頼んでいた人が、今度はコピーの取り方のわからない新しい派遣社員になってしまう可能性もあります。

今年定年ならば、20~30年前に住宅ローンを組んだ人もいて、35年の住宅ローンならばアッという間に生活に窮してしまうことになりかねません。

失われた20年と言われる日本の不況。

ニュースでは景気回復かのような報道もありますが、現実として賃金は下がり、物価は上がり、消費税もさらに上がる上がっているのが偽らざる現実です。

体力のない企業がさらに倒産、失業、リストラがさらに進むことが考えられます。

その時、中高年のワーキングプア化がさらに進行する可能性が高まっています。

 

もしセイフティネットがあれば・・報われない働き方をするワーキングプアは少ないはず

日本も昔は、失業したり病気になった時、田舎の両親や兄弟、地域の人が助けてくれました。

田舎なら、住むところは何とかなるし、身内が何とか食べるものくらいは助けてくれるし、地域の雑用などのアルバイトもありました。

なので生活保護が無くても、ブラック企業で搾取されるよりも田舎に帰って出直すことができました。

 

しかし今、日本が高度成長していく中で、人口の1/3が首都圏に集まり、サラリーマンとして生活しています。poverty-797948_1920
ほとんどの家が核家族で世帯人数は2人以下で、驚くほどの独居老人が都会で生活しています。

昔、日本にあった「家族や故郷」というセイフティネットはすっかり取り払われてしまい、結婚する人もどんどん減って、一裸で一人都会のなかに放り出されているのが今の日本の社会です。

そして昔は逃げ帰ることのできた田舎には、既に兄弟もなく年金だよりの独居老人の親しかいません。

東京への一極集中で、地方にはほとんど働くところがないのも事実です。

都会で生活している人の多くは、故郷がない、あるいは故郷は首都圏という人が増えています。

 

 

ワーキングプアより、生活保護を選べはよい!は本当か?

確かに、最低限の生活を保障するため、生活保護という制度があります。

そして多くのワーキングプアよりも、生活保護の方が余裕のある生活ができる場合もあります。

しかし、生活保護はどうしても働けない人の制度であり、その一部を地方行政が負担しているため、申請には厳しい審査があり、持ち家の人はその処分を求められたり、自動車が持てないなどの制約があります。

また、働いた場合はその分減額されるなど、働かないためのインセンティブ?の仕組みがあるなど制度的にも十分なものではありません。

生活保護は、ワーキングプアから抜け出すための制度ではなく、貧困状態に陥った時の最終手段と考えるべきのようです。

 

ワーキングプアの解消は、同一労働同一賃金の社会への構造転換

ここまで、ワーキングプアの背景と原因について考えてきました。

日本の特殊な雇用形態、年功序列と終身雇用は、特に帰属意識の高い日本では、成長している間は非常に効率的に機能してきました。

しかし、停滞・衰退の時期に入ると、その構造的な欠陥から、「働いても報われない」ワークグプアを生み出し、いまもその数を大量に増やし続けています。

固定化した貧困は明らかな差別です。

その差別が顕在化しているのです。

そして、今までイジメていた生徒が、あっという間にいじめられる側になってしまうような、日本社会の負の特徴も顕著になってきています。

 

この問題の大きな原因として考えられることは、日本が旧来の雇用システムを維持するため、世界中で常識となっている「同一賃金同一労働」の仕組みを取り入れることを拒んでいるからです。

日本以外の先進国では、同一動労同一賃金は常識です。

むしろ同一賃金同一労働でなければ裁判ざたになってしまいます。

 

にもかかわらず日本は年功序列と終身雇用のシステムを固持してきた成功体験にしがみついているため、世界でも例を見ない格差状況が生み出されています。

今や年功序列と終身雇用は、セットになった既得権グループをつくり、他のグループを排除するまさに固定化した格差を作り出すシステムです。

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しかし、この仕組みで既得権を持っている業界も多く、発言力のある業界が日本の雇用制度の改革を好ましく思わないのも事実です。

例えば、マスコミや広告業界は、重層下請け構造の業界です。

実際に仕事をしているのは、三次下請けや四次下請け、もし同一労働同一賃金ならば、元受けは今までのように甘い汁を吸うことはできなくなってしまいます。

そもそも元受けにそんなに人数はいる必要もなく、営業さえできれば元受けの必要性さえありません。

そのため業界としては取り上げにくい問題かもしれません。
実際、格差を報道しているマスコミは、日本の企業中でも平均が年収がトップクラスのサラリーマンたちで、いわば勝ち組の既得権者です。

なので自分たちの既得権にかかわるような都合の悪いことについては積極的には報道しなくても仕方ないことでしょう。
彼らにとっては「対岸の火事」あるは「いいカモ」、あるいは「ただのネタ」かもしれないのす。

 

同様に霞が関の天下り先の外郭機関も下請け構造なので、同様に同一労働同一賃金では都合が悪いかもしれません。

さらに公務員は身分保障されていて実質的に解雇されることが無いので、労働に見合った賃金という考え方とは合わないようです。

原発処理の下請け構造と同じですが、ニュースになることはほとんどないでしょう。

 

実際に、格差社会に関して調べてみると、正規雇用と非正規雇用の格差についてきちんと比較した調査結果の公表が少ないことに驚かされます。

先ほどの非正規雇用の平均収入額は、政府調査の参考資料のほんの一部に掲載されているだけです。

あとは政府調査で公開してあるエクセルのデータを自分で見なければ正確な内容を把握することはできません。

格差解消を本気で目指しているなら、そのような調査結果がまとめられ、実態の格差がどの程度なのかがわかりやすく整理されているはずです。
意図的に公表したくない、あるいは本気で対応する意思がないことの表れでないかと疑いたくなるほどです。

 

「ワーキングプア」から抜け出すためには

日本の経済が停滞を続けていても、従来の社会システムを維持したい既得権者がそれを妨げ、見て見ぬふりをしてやり過ごすことができました。

それは、ワーキングプアが少数派だったからです。

しかしいま、非正規雇用はさらにその数を増やしています。

 

また今後高齢化が進行して、4人に一人から3人に一人が高齢者となる社会がやってきます。
明らかに労働者力が不足する社会です。
女性や高齢者が日本を支える真の労働力とみなされるようになったとき、その扱いが今の非正規と同じでは企業は働き手を確保することはできないでしょう。

 

また正規雇用者を搾取することで何とか生き延びてきたブラック企業も限界に達しつつあります。
正規雇用者がバイトになりたいと望むような、サービス業の状況を見れば明らかです。

 

社会全体として、ワーキングプアの解消に向けた取り組みは、10年スパンで行われることは間違いないと思います。
未だに終身雇用や年功序列の会社の既得権にしがみついている人が抵抗して、もう少し時間がかかるかもしれませんが、そのような組織は今の社会では長続きはしないでしょう。

 

しかし今、報われない低所得者「ワーキングプア」になってしまった人にどうすればよいのでしょうか?
残念ながら誰も助けてくれることはなさそうです。

もし今ブラック企業にかかわっているなら今の状況より良くなることはないという前提で自分で判断するしかありません。

抜け出せなくなるかもしれないリスクがあることがわかっていれば、生活保護を使うことも視野に入れるべきでしょう。

東京などの大都市にいることが良い選択かどうかも考えるべきでだと思います。

東京は際立ってセイフティネットのない社会です。

 

まず大切なことは、自分の状況を客観的にみつめてワーキングプアの状況におちいる前の段階で気づくことが大切です。

終身雇用と年功序列はもはや幻想でしかありません。

いまさらしがみつく価値もないはずです。

むしろ定年を気にすることのない自営や職人として生きることも早々に考えるべきです。

職人といっても手作りだけではなく、デジタルのものづくりも職人的なスキルが必要です。

不当な搾取さえなければ「稼ぐに追いつく貧乏なし」(一生懸命働けば少しずつでも貧乏から抜け出せる)ということわざに偽りはありません。

ブラック的雇用よりも、二つのアルバイトの掛け持ちなどで対応できることもあるはずです。

 

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