2015.11.07 憲法改正

「くまのプーさん」もびっくり!?中国共産党が基本的人権を守らない理由は憲法にあった

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中国共産党による基本的人権の抑圧は、中国憲法に問題があった

中国共産党がいま最も恐れているのは「くまのプーさん」、という話が話題になっています。

中国共産党によるインターネット上の検閲が常態化していることは良く言われることです。

この検閲の対象として最も厳しくチェックし、削除しなければならないものが「くまのプーさん」だというのです。

要は中国共産党の習近平国家主席が「くまのプーさん」に似ていると揶揄(やゆ)する指摘がネット上で広まったのです。

2013年6月の訪米でオバマ大統領と並んで散歩をする習近平国家主席が「くまのプーさん」に似て見えると皮肉る指摘があり、中国共産党が検閲ですぐに削除、これが世界的に話題になった、ということです。

中国は中国共産党による独裁の国です。

日本へは尖閣諸島に対して領有権を主張、公船による領海侵犯を繰り返しています。

主導しているのは中国共産党が支配する軍隊、中国人民解放軍と考えられます。

そして中国共産党による基本的人権への侵害などは、常態化していると言われます。

上記のような検閲からはじまり、報道規制、チベットや民主化運動への弾圧など。

ここでは、それではなぜ中国共産党は基本的人権を守らないか、その理由、問題の根本を調べてみました。

 

 

ノーベル平和賞受賞者をも批判する中国共産党の問題

昨年、日本では、大村智さん、梶田隆章さん、2人のノーベル賞受賞があり改めて日本人の優秀さが証明され、日本国内が湧きました。

同じく中国では初の自然科学分野のノーベル賞受賞者が誕生しました。

屠呦呦(と・ゆうゆう)さん。

ノーベル医学・生理学賞の受賞です。

中国人のノーベル賞は3人目。

中国初のノーベル賞受賞者は民主活動家の劉暁波(りゅう ぎょうは)さんです。

ところが彼は、獄中で2010年のノーベル平和賞を受賞しました。

スウェーデンの王立科学アカデミーが受賞発表直後、中国共産党政府は「(劉の受賞は)ノーベル平和賞を冒涜するもので、我が国とスウェーデンの関係に損害をもたらす」と批判、国内でのニュース報道を厳しく制限しました。

劉暁波さんは、中国の民主化をもとめて活動していました。

劉さんは、米国コロンビア大学の客員研究者だった1989年に中国で民主化運動が勃発すると、即座に帰国を決め、運動に身を投じます。

武力弾圧で多数の死傷者を出した悪名高い天安門事件の直前に劉さんは学生たちの中国民主化運動に合流。

劉さんは、人民解放軍が天安門広場に突入する寸前、学生たちに逃げ道を残すようにと軍と交渉もしたといわれています。

しかし事件後、「反革命罪」で投獄されます。

欧米からの圧力があり、2年後の1991年に一旦、釈放されますが、出国せず、引き続き活動を続け、天安門事件の殉難者の名誉回復と人権保障など民主化を呼びかけ、その後さらに2度目の投獄や強制労働を受けました。

2010年のノーベル平和賞受賞時も獄中でした。

受賞理由は「中国の基本的人権確立のために長期にわたる非暴力の闘いを継続した」というものでした。

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中国共産党による基本的人権への抑圧問題を世界に知らしめた悪名高き天安門事件

中国共産党による基本的人権の侵害・抑圧問題で、もっとも知られているのは天安門事件です。

劉暁波さんの民主化運動で改めようとした対象は、天安門事件をはじめとした中国共産党による人権侵害でした。

天安門事件は1989年6月に起きました。

劉暁波さんをはじめとした中国の民主化を求める10万人を超す人々が天安門広場に集まりデモを行いました。

これを中国共産党は軍により武力弾圧したのです。

政府発表では死者319人としていますが、報道規制などが行われ客観的な数字は明らかになっていません。

死者数万人という話もあります。

無抵抗の市民を軍隊が殺戮するシーンなどがYouTubeで世界中に流され衝撃を与えました。

軍によるデモ参加者への無差別発砲などが世界から強い非難を受けました。

これが悪名高き天安門事件です。

中国共産党による基本的人権への抑圧問題、死刑制度やチベット弾圧なども

中国共産党による基本的人権への侵害・抑圧はこれだけではありません。

先ほども指摘したインターネット上の検閲です。

中国共産党批判をチェック、反政府の立場のウェブサイトを閉鎖する。

ネット上で中国共産党政府を非難する人を逮捕する。

こうした行動に対し、国際的人権団体アムネスティなどは批判を続けています。

アムネスティは中国の死刑が世界一だと批判しています。

2006年に中国で少なくとも1010人が処刑されたと見積もりました。

しかし、実際の年間の執行数は、これをはるかに上回る8000人から1万人と考えられています。

公式な統計は、依然として国家機密扱いです。

しかも弁護士に面会できない、証拠が拷問によって引き出されるなど、死刑判決は不公正な裁判のすえに言い渡されている、と指摘しています。

またチベットへの弾圧も有名です。

チベット併合後、チベット国内での民主改革に対し弾圧、チベット地域人口600万人のうち、実に5分の1の120万人が虐殺されたという話もあります。

このように拘禁、拷問、虐待、死刑、人権活動家への弾圧、表現・宗教の自由への制限、などさまざまな人権侵害が常に行われていると指弾しています。

中国共産党による基本的人権への侵害・抑圧問題は大きく

・報道の自由への抑圧

・表現の自由への抑圧

・信仰の自由への抑圧

・拷問による自白強要や異常な死刑制度など司法上の問題

と考えられています。

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驚くべきことに中国の憲法には基本的人権がうたわれている

それでは中国の基本的人権への抑圧は、ただ単に中国共産党による独裁で、横暴の限りをつくしているだけなのでしょうか?

いいえ、実は、中国共産党の基本的人権への抑圧は、中国の憲法に基づき行われているのです。

そんなことがありうるのか?

繰り返しになりますが中国には憲法があります。

驚くべきことに、ちゃんと憲法で国民の基本的人権などがうたわれています。

中国憲法第33条、第35条、第36条は国民の自由をうたっています。

【第33条】

1 中華人民共和国の国籍を有する者は、すべて中華人民共和国の公民である。

2 中華人民共和国公民は、法律の前に一律に平等である。国家は、人権を尊重し、保障する。

【第35条】

中華人民共和国公民は、言論、出版、集会、結社、行進及び示威の自由を有する。

【第36条】

1 中華人民共和国公民は、宗教信仰の自由を有する。

2 いかなる国家機関、社会団体又は個人も、公民に宗教の信仰又は不信仰を強制してはならず、宗教を信仰する公民と宗教を信仰しない公民とを差別してはならない。

3 国家は、正常な宗教活動を保護する。何人も、宗教を利用して、社会秩序を破壊し、公民の身体・健康を損ない、又は国家の教育制度を妨害する活動を行ってはならない。

4 宗教団体及び宗教事務は、外国勢力の支配を受けない。

本当に驚くことに、ちゃんと憲法で規定しているのです。

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中国の憲法があるにもかかわらず、基本的人権への侵害が起こる理由とは

中国の憲法でちゃんと国民の人権がうたわれているにもかかわらず、なぜ基本的人権への抑圧が起きるのか?

中国共産党が、名ばかりの憲法を無視し、蹂躙しているのか?

いえそうではありません。

中国ではまず中国共産党が憲法よりも上位にある、としっかり憲法に書いてあるのです。

前文で、

中国の各民族人民は、引き続き中国共産党の指導の下に、(中略)人民民主独裁を堅持し、社会主義の道を堅持し、(中略)我が国を富強、民主的、かつ、文明的な社会主義国家として建設する

と示し、また、

【第1条】

1 中華人民共和国は、労働者階級の指導する労農同盟を基礎とした人民民主主義独裁の社会主義国家である。

2 社会主義制度は、中華人民共和国の基本となる制度である。いかなる組織又は個人も、社会主義制度を破壊することは、これを禁止する。

としています。

「労働者階級」による「独裁」、これは中国共産党が独裁するという意味です。

そうです、憲法にちゃんと書いてあるのです。

中国の国内での人権の抑圧や、人権の侵害を見ると、無法国家のように見えるのですが、実はちゃんと憲法に書かれている、その通り?に中国共産党は行動しているのです。

天安門事件も中国の憲法に基づき弾圧された!?

天安門事件でも共産党は憲法に基づき反論しています。

学生、知識人たちが憲法35条に基づき基本的人権を主張したのに対し、共産党は、憲法の規定に基づき、学生たちが憲法違反をしたと主張したのです。

どういうことか?

学生達の行動は、憲法の第1条の人民民主独裁と社会主義制度の擁護などに違反している。

中国共産党は、「公然と憲法に 違反して、共産党の統率的指導と社会主義制度 への反対を煽動した」といっているのです。

しかしそれで何万人もの学生たちを殺してもいい、という理屈にならないのは当然です。

当たり前です。

つまり、中国の憲法は国民の人権を守る存在ではなく、権力者の存在を守る道具となっているのです。

中国の憲法は、権力者の正当性をちゃんと示すものとなり下がってしまっているのです。

おわかりいただけたでしょうか?

中国共産党はなぜ基本的人権を守らないか、その理由は、中国の憲法に、中国共産党が憲法よりも上位にあると、しっかり憲法に書いてあることにあったのです。

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日本の憲法における基本的人権は

ひるがえって、日本は民主主義国家。

近代の民主主義国家における憲法は、権力者を縛り、権力より上位にある形であることが基本とされています。

その意味では、中国は民主主義国家ではありません。

なにせ、権力者である中国共産党が憲法より上位にあるのですから。

一方、日本はもちろん民主主義国家です。

日本の憲法に日本国民の基本的人権などが規定されています。

日本人はそれを当たり前と思い、さらには空気のような存在として疑うことをしませんが、改めて憲法により守られているからなのです。

しかし憲法は他人事、考えることもしないで、国民がチェックを怠っていると…

ただ今の憲法を金科玉条のごとく守ってさえいればいいというものでもなさそうです。
日本を取り巻く国際情勢の変化が許さない可能性があるからです。

中国の事例をもとに、憲法について改めて良く考える必要がありそうです。

 

(※参照:池上彰「超訳 日本国憲法」)

 

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※「ACTIONなう!」実行委員会

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