2016.02.05 北朝鮮

北朝鮮の核・化学・生物ミサイル兵器開発の現状と発射準備

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北朝鮮がもつ危険な核・ミサイル開発の力

日本は北朝鮮の核や化学兵器の脅威にさらされています。

危険な国、北朝鮮は建国以来特に朝鮮戦争休戦後、核ミサイルに関心を持ち核実験を実施しさらに、核弾頭運搬手段となり得る大規模な弾道ミサイル発射実験も行っています。

そして北朝鮮は外貨獲得の為、自国の「ミサイルや核の技術」をテログループも含む他国へ輸出し、その収益が北朝鮮国内のミサイル開発計画に再度充てられています。

2月2日、国際電気通信連合(ITU)は北朝鮮が「地球観測衛・星光明星を打ち上げる計画がある」と事実上のミサイル発射通達をしてきたと明らかにしました。

日程は、2月8~25日の午前7時(日本時間同7時半)~正午(同午後0時半)の間に打ち上げるという通知でした。

この記事では、北朝鮮の国際社会への武力挑発、核や化学兵器の検証とともに、日本がどのような対応をすべきかについて説明します。

核爆発

核爆発

北朝鮮は「核とミサイル」をワンセットで、国際社会に武力挑発する戦略!

北朝鮮の4度目の核実験を受けて国連安全保障理事会が制裁決議を検討しているさなかに、「地球観測衛星」打上げ名目で事実上のミサイル発射予告をした狙いは、強い北朝鮮を内外にアピールし、金正恩(キム・ジョンウン)政権の独裁体制維持のために核・ミサイル開発をさらに発展させるためです。

これまでのような駆け引きで中国やロシアに対して経済援助など取り付けるという外交方針を変え、北朝鮮は国際社会に対して、新たな武力挑発に踏み込む構えです。

こうした強い北朝鮮としてのアピールは、裏を返せば金政権の体制維持への危機感の表れでもあります。

金正恩は自身の幹部を拷問したり、相次ぎ100人超処刑するなどの「恐怖政治」をもってかろうじて統括しています。

中国とのパイプが太かった張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長も、金正恩は処刑(2013年12月)し、中国との高官クラスの交流が途絶えるなど状況に陥っています。

金正恩は核・ミサイル開発や実験を強行する姿勢を強めています。

日本は、北朝鮮を非核化を進展させるだけでなく拉致問題を解決し、体制変革をし北朝鮮の国民と市場を開放させるべきです。

「口だけ」と北朝鮮や国内メディアに批判される韓国

韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は「決して容認してはならない」とし、「核を放棄しなければ生存の道はないことを国際社会が思い知らさねばならない」と北朝鮮に警告しました。

また韓国国防相も「韓国型ミサイル防衛」の構築などにも力を注ぐと発表しました。

それを受けて、4日付の朝鮮日報では「韓国政府には北朝鮮の戦略的挑発を戒めるだけの独自制裁手段は特にない」そして核実験や長距離ミサイル発射のたびに、韓国政府や大統領の「断固たる対応」「強力な報復」という発言は、「ほとんどむなしいスローガンに終わっている」と報じました。

北朝鮮はむしろ「韓国は対北宣伝放送でしか反撃できないのか!?」と挑発し、思い切った制裁をできない韓国の足元をみているようです。

韓国内のメディアや世論も「警告」だけではなく「独自の強硬対応」を求める意見や、「日本は緊迫し北のミサイル迎撃の構えを見せているのに、韓国政府の北への糾弾と要求は空虚なものだ。朴槿恵(パク・クネ)政権はまた口先だけだ」(3日付の文化日報社説)などと、韓国政府の対応に批判的な意見も出ています。

中国、北朝鮮に振り回され「強硬姿勢のアメリカが悪い」と責任転嫁

北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で議長を務める中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が平壌を訪問し、長距離弾道ミサイルの発射についてもやめるよう要求する日の一歩先に、北朝鮮はITUに人工衛星打ち上げ計画を通告し、事実上、中国の顔に泥を塗ったような展開になりました。

中国は核とミサイルを北朝鮮に断念させるために取り組んでいるという姿勢や北朝鮮に対しての強い影響力を国際社会に見せたいという思惑がありましたが、無駄に終わりました。

すると、中国は「北朝鮮は一度は核放棄を承諾した」と強調し、その上で、「中国の原因では全くないが、協議は停止に陥った。ある関係国がひたすら一方的に制裁と抑圧を強調する叫び声をあげるなか、北朝鮮は核実験を開始した」と暗に米国の対北政策を批判しています。

北朝鮮の暴走はアメリカが招いたのではないかと中朝関係の悪化までも米国へ責任転嫁し、北朝鮮を説得できず手詰まり感が広がっている中国への批判をけん制しています。

北朝鮮をけん制するアメリカ軍

米国は北朝鮮より弾道ミサイル発射が強行された場合は、新たな国連安保理決議などを通じて北朝鮮への「強い制裁」の実施を目指すことを明らかにしました。

また米軍当局者は「実験を行う以上、何か新しい技術を試すはずだ」と警戒し、B52戦略爆撃機を韓国に飛来させ、北朝鮮のミサイル発射の動きをけん制しています。

カーター米国防長官は北朝鮮から発射されたミサイルを追跡するため、米軍のミサイル防衛関連装備の配置を行うことなどを発表しました。

日本政府筋の情報では、日米韓の安全保障や軍事関係者が韓国ソウルに集まった際に、北朝鮮が米国に到達するミサイルを開発したと想定し、金政権や朝鮮人民軍の無力化を狙った軍事施設へのピンポイント爆撃などを実行するシナリオが作戦として完成しています。

米韓中と連携し防衛する日本

中谷元防衛相は北朝鮮のミサイルが日本領海域に落下する事態に備え、自衛隊に迎撃態勢を取らせる破壊措置命令を発令しました。

防衛省はイージス艦3隻を日本海と東シナ海に展開し米海軍とも連携しながら、大気圏外での迎撃態勢を図り、撃ち漏らした時のため、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を南西諸島に追加配備しました。

また、北朝鮮はミサイルの液体燃料に強い毒性のあるヒドラジンを使用しているとみられ「落下すれば半径数キロに有毒ガスが漂い、死者も出る」ので、それに備え陸上自衛隊の派遣態勢も整えています。

北朝鮮、外貨稼ぎのために核ミサイル技術の輸出

北朝鮮の外貨獲得の為の「ミサイルや核の技術」の輸出相手には、国だけでなく国際的なテログループも存在すると推測されています。

原爆などの大量破壊兵器の技術を拡散をすることは、テロ地域での紛争を核戦争に発展させる可能性が高くなり北朝鮮は国際平和の破壊活動を行っているともいえます。

ラムズフェルド元米国防長官は、「北朝鮮はミサイル、弾道ミサイル技術の拡散に関する世界最大の輸出国(拡散国)」と発言し警戒を促しています。

アメリカ政府筋によると、北朝鮮のミサイルやミサイル製造技術の輸出国はイラン、シリア、リビア、パキスタンという見解を示しています。

北朝鮮は2002年7月にミサイルのパーツをパキスタンに輸出し、その代わりに「核開発技術」をパキスタンから入手したとニューヨーク・タイムズに報じられました。

米シンクタンク科学国際安全保障研究所の専門家の報告書によると、北朝鮮の開発事業が順調に運べば、2016年までに最大48個の核兵器を製造できると指摘しています。

同シンクタンクの計算では、北朝鮮にある3つのウラン凝縮施設で年間5個から9個の原子爆弾が製造可能で、過去に製造された原爆も入れると合計48個程度になると推定しています。

北朝鮮の核製造の数が順調に伸びれば、核ミサイルの輸出も広がる可能性が大きくなります。

今年韓国政府は、北朝鮮の核兵器製造能力は相当水準に達し、核兵器の小型化の成功が近く、アメリカ本土に到達可能なミサイル能力を得ているとに発表しました。(韓国国防白書:2015年1月6日)

北朝鮮弾道ミサイル「テポドン1号」と「テポドン2号」の打ち上げ実験

北朝鮮は、1980年代に人工衛星の製造、有人ロケットやミサイルの開発を行うため、「朝鮮宇宙空間技術委員会」、通称、「国家宇宙開発局」を設立しました。

Rodong_and_Taepodong_1&2北朝鮮が発表している人工衛星の打ち上げに対して、日本やアメリカ合衆国、韓国は、「人工衛星の打ち上げを口実にした事実上の弾道ミサイルの発射実験」を行っていると分析しています。

北朝鮮は、1998年8月31日、「テポドン1号」に北朝鮮初の人工衛星「光明星1号」を搭載させ、打ち上げたと発表しました。

その「テポドン1号」は、花台郡舞水端里から東に(日本に)向けて発射され、津軽海峡から日本列島上空を越え太平洋に到達しました。

北朝鮮からのミサイルが日本海や日本上空を越え太平洋に落下していたことが判明し、日本は衝撃を受けました。

それから9年後、2009年4月5日、「テポドン2号」改良型で人工衛星「光明星2号」を打ち上げ、地球周回軌道への投入に成功したと北朝鮮は主張していますが、未だ軌道上で確認されていません。

このことから、日本、米国、韓国は、「北朝鮮は人工衛星の打ち上げを単なる口実にし、弾道ミサイルの発射実験を行っている」と分析しています。

「テポドン1号」は射程が2000km程度の準中距離弾道ミサイル、「テポドン2号」は射程が6700〜13000km大陸間弾道ミサイルと推定されています。

 

北朝鮮ミサイルの攻撃範囲

北朝鮮ミサイルの攻撃範囲

北朝鮮の核搭載もできる「ノドン」ミサイルは、化学兵器・生物兵器にもなり日本各地に着弾可能!

「ノドン」とは北朝鮮が開発した準中距離弾道ミサイルで、1980年代後半より旧ソ連のR−17 短距離弾道ミサイル(スカッド・ミサイル)を拡大改良して作られ、1990年代にはその開発を完了しています。

1993年5月29日に試射が行われ、弾頭は日本列島の上空を飛び越えて太平洋へ落下しました。

日本列島(狭義)の地形図 ユーラシア大陸東の沿岸沖に位置し、4つの比較的大きな島と、その周辺の3700程の島々で構成されている。日本海、オホーツク海、太平洋、東シナ海に囲まれている。(日本列島/Wikipedia)

日本列島(狭義)の地形図 ユーラシア大陸東の沿岸沖に位置し、4つの比較的大きな島と、その周辺の3700程の島々で構成されている。日本海、オホーツク海、太平洋、東シナ海に囲まれている。(日本列島/Wikipedia)

北朝鮮はこの試射が成功したので、この時からノドンの実戦配備を開始し素材を軽金属に変更したと推測されています。

その後北朝鮮は外貨獲得を目的に「ノドン」をパキスタン、イランやリビアにも輸出しました。

2012年のペンタゴンの報告によると北朝鮮は「ノドン」を50基程度持っています。

「ノドン」は移動可能で、北朝鮮の山岳地域に建設された地下施設で、旧ソ連の MAZ 543P を国産化したミサイル発射車両 (TEL) に搭載されて待機しています。

発射された場合、80秒ほどロケットモータが作動した後、弾頭部分が切り離され、目標に落下していくと考えられている。この時高度200kmまで上昇し、大気圏に再突入する際の速度は毎秒3kmになる。(ノドン/Wikipedia)

北朝鮮の「ノドン」が発射されてから日本までの到達時間は6〜11分程度で、日本各地へ着弾可能です。

射程は300km〜2000kmとなり日本の大部分が射程圏内となります。

2008年に「核の闇市場」関係者のスイス人が逮捕されました。

そのスイス人のPCから1960年代に中国で設計された弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭設計図が発見され、小型核弾頭の設計図が闇市場で流通し北朝鮮にその設計図が流れたと推定されています。

現在では、北朝鮮は「ノドン」に核を搭載する技術を持ちいつでも発射できるように待機させていると考えていいでしょう。

「ノドン」の脅威は核だけでなく、生物兵器や化学兵器としても大きいのです。

北朝鮮が保有している化学兵器は、5000トンあまりのマスタード・ガスやホスゲン、血液ガス、サリン、タブンなどの青酸ガス、神経ガスです。

2009年に発表された韓国国防省の報告書によると、「北朝鮮を世界最大の化学・生物兵器保有国の1つ」だとし、北朝鮮が2500〜5000トンの化学兵器、生物兵器用に使われる13種類のウイルス・細菌を保有していることを明らかにしました。

つまり「ノドン」用の弾頭にコレラや黄熱病、天然痘、発疹チフス、腸チフス、赤痢など13種類の細菌やウイルスを搭載できる技術を持ち、韓国や日本に対して大規模な被害を及ぼすことができます。

AnthraxBacteria

炭疽菌

遅れている日本の北朝鮮対抗策、新迎撃ミサイルの導入はできるのか!?

2015年11月23日、中谷元・防衛相はハワイの米軍基地を訪問し、米軍司令官と会談した後、北朝鮮の弾道ミサイルへの対抗策として、米国の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の自衛隊への導入を検討すると表明しました。

THAADとは1987年に米国のロッキード・マーティンによって設計・製造・組立された終末高高度防衛ミサイルで、敵の弾道ミサイルを迎撃するための高性能なミサイルです。

移動式のTHAADは、敵側のミサイルを高い高度で撃ち落とす為に開発されたもので、弾道ミサイルが大気圏に再突入する最終段階で地上から迎撃するシステムです。

そして破片で地上に被害が及ばないとされています。

THAAD(終末高高度防衛ミサイル)

THAAD(終末高高度防衛ミサイル)

自衛隊が持つ地対空誘導弾パトリオット(PAC3)よりも広範囲をカバーできるので、中谷元・防衛相は、「新たな装備の導入は具体的な能力強化策の一つとなり得る」また「米国の先進的な取り組みや装備品を研究しつつ、検討を加速していきたい」と述べました。

THAADには、高い周波数(8~12GHz)で利用するレーダーが搭載され、捕捉した敵側の小型弾頭が、囮か実弾なのかを画像化して識別できます。

しかし、THAADは高額で、1個中隊の整備に約1000億円かかり、ミサイル1発が14億円以上します。

中国は、韓国でのTHAAD導入の検討に関して反対し、日本に対しても、「日本が北朝鮮のこうした動きを利用して毎回自国の軍事力の強化を図っている」との見方を示し、警戒を強めています。

北朝鮮は日本を狙うミサイルの解体と核施設の解体をし、開発を止めよ!

北朝鮮の脅威に対して、日本政府は隣国の雑音に惑わされず日本国民の安全を守るための軍事力をつけなければなりません。

それが抑止力の一つとなるからです。

北朝鮮はテロ国家で、テロリストを育成し、その目的のためならば日本国民を拉致するという手段を選ばない国です。

ほとんどの国がテログループとはビジネスをしない中、北朝鮮はミサイルの技術を輸出しています。

そこで得た収益で北朝鮮のミサイル開発を続けるという負の連鎖を行い、国際平和の破壊活動をしています。

現在の北朝鮮の技術力では、ミサイル実験の際、間違って日本にミサイルが落下する危険性もあり、そして金政権の政治リーダーも危険人物です。

このような危険極まりない国が日本海を隔てて隣に存在し、その力を年々増幅させています。

日本の平和と安全を守るためには、まず私たち国民がその脅威を「自国の安全保障」として理解しなければなりません。

その上で、国際社会と協力し、日本を狙う準中距離弾道ミサイル、中距離弾道ミサイルの解体と核施設の解体を要求し、ミサイル開発自体やめさせ、拉致問題の北朝鮮の国家的責任などを徹底追及すべきです。

 

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