2015.10.21 領土問題

中国の主張に矛盾!?尖閣諸島が中国の領土ではない理由

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「尖閣諸島は日本固有の領土」領有権の問題は存在しないとする日本

『尖閣諸島は、歴史的にも一貫して日本の領土である南西諸島の一部を構成しています。

1885年から日本政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行い、単に尖閣諸島が無人島であるだけでなく、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認した上で、1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行って、正式に日本の領土に編入しました。

尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配しています。

また、この行為は、国際法上、正当に領有権を取得するためのやり方に合致しています。』

以上が尖閣諸島に対する、日本政府の基本的な立場です。

したがって、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しないのです。

 

中国が尖閣諸島への領土的野心を強める

それにもかかわらず、1970年代以降、中国は「尖閣諸島は台湾の付属島嶼」であり、すなわち、中国の領土であることを主張してきました。

それ以降、中国側は公船を尖閣周辺海域に派遣する等、領海侵犯を繰り返し、尖閣諸島の日本の支配力を打破するための抵抗を強めてきました。

さらに、2015年4月、中国政府は「釣魚島は中国の核心的利益である」と明言しました。

中国政府にとって、核心的利益とは「絶対に譲歩できない利益」のことです。

ということは、今後、中国はこの尖閣諸島の領有権を奪取するための攻勢をますます強めてくる恐れがあります。

したがって、今後、日本としては中国の不当な行為にしっかりと対策をしていく必要があります。

その対策の第一歩として、まず、わたしたち国民一人一人がこの尖閣諸島をめぐる問題を詳しく知ることが重要です。

今回は、まず尖閣諸島の領有権に対する中国の主張を確認し、それらの主張に果たして正当性があるのかどうかを見ていきたいと思います。

 

尖閣の領有権を主張する中国側の根拠

中国が、尖閣諸島が「自分たちの領土だ」と主張する根拠は大きく3つあります。

これらを一つずつ確認した上で、日本政府の反論も見てみましょう。

 

第1の根拠:「明の時代の歴史文献の地図に尖閣諸島が登場している」

明代の歴史文献に釣魚島(中国における尖閣諸島)が登場しており、琉球国には属しておらず、中国の領土だったというものです。

1560年代、中国では明の時代に作られた、籌海図編(ちゅうかいずへん)の中に、沿海山沙図(えんかいさんさず)という地図があります。

その当時、華中・華南の沿岸を中心に倭寇(海賊)が猛威をふるい、明王朝に対する重大な脅威となっていました。

倭寇に対する海上の防衛のために作成、使用していたのがこの沿海山沙図で、たしかに、この地図には釣魚島が記載されています。

そこから、「釣魚島(尖閣諸島)は明の時代から中国のものだった」というわけです。

 

日本の反論:「地図に載っているからといって領有権を示すものとは言えない」

しかしながら、日本政府のこの資料に対する見解は違います。

倭寇による脅威から沿岸を防衛するための地図であるならば、周辺の島が記載されているのは当たり前のことです。

ですから、地図に記された島々は、倭寇が襲来する際の拠点や進路にあたり、防衛上注意すべき区域であることを示しているだけで、「尖閣諸島が明の領土であった」という証拠にはならないというものです。

さらに、中国側の主張の根拠を崩す証拠があります。

明から1561年に琉球王朝へ派遣された使節が皇帝に提出した上奏文に、尖閣諸島の一つ大正島が「琉球」であると明記されていました。

中国が尖閣を領有していたとする古地図も根拠があいまいなものであり、そのうえ、少なくとも大正島を琉球だと認識した史料も発見されたことによって、中国の主張に歴史的根拠がないということはいっそう明白だとしています。

 

第2の根拠:「不平等条約である下関条約で尖閣諸島は日本に奪われた」

日本が日清戦争(1894年~1895年)に乗じて尖閣諸島を不当に中国から奪ったというものです。

1895年、日清戦争後の講和条約である下関条約によって、日本は台湾とその付属島嶼、澎湖(ほうこ)諸島などを中国から割譲させて、日本の領土になりました。

「澎湖諸島」は台湾の西側にある島々、「尖閣諸島」は台湾の東側にある島々で、どちらも台湾からは同じような距離にあります。

中国側は、尖閣諸島は台湾の付属島嶼であり、「尖閣諸島は下関条約によってに日本に奪われた」と主張しています。

 

日本の反論:「尖閣諸島の領有は下関条約とは全く関係ない」

これに対して、日本政府の見解は次のような反論をしています。

もともと、尖閣諸島は台湾に付随する島々ではないため、下関条約によって清から割譲されたものではないとしています。

日本による尖閣諸島の領有は、1885年から無人島である島々を清国の支配が及んでいないことを慎重に確認した上で正式に日本の領土に編入したもので、日清戦争による領土の割譲とは性質がまったく異なる法律に則った領土の占有です。

こうした事実から明らかなとおり、日本としては日清戦争の前後を通じて、尖閣諸島が清国の領土であった台湾及びその付属島嶼の一部であったとは考えていなかったのです。

台湾から同じような距離にある澎湖諸島は条約に記載されているにもかかわらず、尖閣諸島の割譲については条約に記載されていません。

こういった地理の状況で、尖閣諸島を記載していないということは、清国にとっても台湾に付随する島ではないという認識だったといえます。

また、1920年には、中華民国駐長崎領事が魚釣島に漂流した中国漁民を助けてもらったとして、石垣の人々に送った「感謝状」に「日本帝国八重山郡尖閣列島」と明記された事実も存在しています。

 

第3の根拠:「中国はサンフランシスコ平和条約には関与していないため、そこで決定されたことは認めない」

1943年、中国(中華民国)・アメリカ・イギリスの三カ国首脳はカイロ宣言を発表し、日本が中国から奪った領土の中国への返還を定めました。

1945年のポツダム宣言では、カイロ宣言の条項を再確認しました。

その後、日本は連合国との間でポツダム宣言を受諾、1951年にサンフランシスコ平和条約と呼ばれる第二次世界大戦の講和条約が結ばれました。

この条約で、日本は正式に台湾と澎湖諸島の領有権を放棄しました。

そして、この条約によって沖縄とともに尖閣諸島を含む南西諸島がアメリカにその施政権が移りました。

ただ、中華人民共和国はサンフランシスコ平和条約に署名していません。

そのため、近年、中国は「このサンフランシスコ平和条約自体が無効」であり、「カイロ宣言とポツダム宣言に基づき尖閣諸島を中国に返還すべきだ」と主張しています。

 

日本の反論:「当時の国際社会において、尖閣諸島が日本の領土であることは当然の前提とされていた」

上記の通り、第二次世界大戦後の日本の領土を法的に確定したのがサンフランシスコ平和条約です。

したがって、カイロ宣言やポツダム宣言自体は、日本の領土処理についての法的効果を持つものではありません。

この条約において、尖閣諸島は日本が所有する地域として確定され、当然、その手続きは国際法に則り妥当なものだといえます。

その際、尖閣諸島は日本が放棄した領土のうちには含まれていませんでした。

また、同条約に基づいて尖閣諸島は南西諸島の一部として、一時的にアメリカの支配下に置かれていましたが、1972年の沖縄返還の際に一緒に日本へ返還されました。

その時、尖閣諸島は施政権の返還区域として緯度と経度で明示的に示されています。

さらに言えば、中国は尖閣諸島が米国の施政下に置かれた事実に対し、何ら異議を唱えませんでした。

まとめると、当時、主要な連合国との条約により日本は台湾と澎湖諸島に対する権利を放棄しましたが、その際、尖閣諸島については一切議論されていませんでした。

つまり、尖閣諸島が日本が保有してきた固有の領土であることは、国際社会からも認められている事実なのです。

これは、尖閣諸島が日本領であることが当然とされていたからです。

 

ここでもう一度、尖閣諸島の領有権に対する日本の主張を見てましょう

以上の点を踏まえて、あらためて尖閣諸島の領有権に対する日本の主張を見てみると、その正当性がわかると思います。

当時の明治政府は、1885年から尖閣諸島において現地調査を行い、清やその他の国の支配が及んでいないことを慎重に確認しています。

そのうえで内閣で閣議決定をし、尖閣諸島を沖縄県に編入しました。

いずれの国にも属していない状態の尖閣諸島を占有し、日本の領土に編入にしたものですが、日本政府はこれを国際法上の先占にあたるものだと主張しています。

先占とは「いずれの国家にも属していない地域を領有の意思をもって実効的に占有すること」です。

国家が領有権を取得する方式として、国際法上認められているものです。

その後も、特に隠蔽したわけではなく、尖閣諸島に対して公然と主権の行使を行っていたので,日本の領有意思は対外的にも明らかであると言えます。

さらに、中国が領有権を主張し始めたのは、尖閣諸島周辺の石油資源含有の可能性が判明した1970年以降です。

つまり、中国側は1895年から1970年までの約75年にもわたって、一度も日本の領有に対して異議も抗議も行っていないという事実があるのです。

国際法上、日本の領土だと決定しているにもかかわらず、資源があることがわかった途端に領有権を主張し始めるのは、不当であるといわざるをえません。

 

日本は今後、中国の不当な主張にどう対応すれば良いのか

尖閣諸島は地政学的に、東シナ海の石油・天然ガス資源だけでなく漁業権や安全保障にも大きく影響します。

したがって、中国側としても譲歩することが出来ない大きな問題です。

だからこそ、日本政府の対応としては、中国の不当な侵害行為に対して、国際法と国内法にのっとり冷静に対応していくのみだと思われます。

当然、中国の強大な軍事力に対抗するため、防衛力や同盟国との連携強化が重要となってきます。

また、ネットメディアの力も十分に活用していくべきです。

中国艦船の領海侵犯等があれば、その都度マスメディアやネットメディアを通じて、中国の違法行為の事実を公表するのです。

2015年8月、以前から発表していた、尖閣諸島や竹島に戦前から日本の施政権が及んでいたことを示す資料の公開を始めました。

これらのような、ネットメディアでの発信にもっと力を入れ、世界中に日本の主張を証拠付きでわかりやすく発信し続けていくのが良いでしょう。

現在は、世界中でネットでの世論というものがとても重要なものとなっています。

アメリカ・中国といった超大国といえども、そういった世論の声を全く無視することはできなくなっているのです。

中国の尖閣諸島に対する不当な主張・活動への対抗策となるはずです。

 

※ 希望日本研究所 第8研究室

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